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れんまいっ!  作者: shio
第二話 「距離間の問題」
12/28


『舞ちゃんっ、ありがとうっ!!』


 って抱きつきたかったけど、クラスのみんなの前ではそれは我慢して。

 わたしは自分の席に着くと、舞ちゃんに小声でお礼を伝えた。


「ありがとう、舞ちゃん」

「いえいえ。ちゃんと話せた?」

「ぁ……うん」


 さっきのことを思い出して、小さく頷く。そんなわたしを見て、舞ちゃんはにやにやと笑った。


「よかったじゃん――顔がにやけてるよ」

「えっ!? ほんと!?」


 ばっと自分の頬を両手で包む。

 わ……確かに少し熱いかも。恥ずかしい、わたしにやけてた?


「あはは、しっかりしてよー、委員長。わたしも巻き込まれたんだから。とんだとばっちりだよ」

「それは、舞ちゃんが推薦なんかするから……」

「え~。じゃあ、推薦しないほうがよかった?」

「……そんなことはないけど」


 呟くわたしに、舞ちゃんはまたにやにや。

 ……もう、ほんとに舞ちゃんったら。


「まあ、勝算はあったんだけどね。もう少しぎりぎりになるかもと思ったけど」 

「勝算?」

「うん、あんなにはっきり『先生目的』って感じがでちゃうとねー。そういうのが嫌な子もいるだろうし。真面目な子とかは特に」

「そっか、そうかも」


 言われてみるとそういうものかもしれない。


「だから、勝てるって思ってた。まあ、結果論だけど」

「ううん、ありがとう」


 わたしに何かを期待してとか、みんなから認められてとかではないけれど……それでも良かった。


「お兄ちゃんがね……『安心した』っていってくれたの」

「……そ」

(そりゃあ、先生も迫る子よりは迫らない子のほうが安心なんだろうけど……でも、それって恋の気持ちを全然気付いてないってことだよね)

「どうかした、舞ちゃん?」

「ううん、なんでも。っていうか」


 舞ちゃんはわたしの頭をこつんっと叩いた。


「『先生』でしょ」

「あっ……ごめんなさい」

「もう、ほんとにしっかりしてよ」

「うん。でも、舞ちゃんが副委員長でよかった」

「まあねえ、他の子じゃ『お兄ちゃん』といちゃいちゃできないだろうしねぇ」

「っ! 舞ちゃん!!」

「あはは、ちゃんとバックアップするから安心して、『副委員長』として、ね」

「もう……」


 からかってくる舞ちゃんに、わたしは頬を膨らませて……

 でも、やっぱり嬉しくて、これから楽しい毎日になるって感じて、舞ちゃんと一緒に笑った。


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