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「では、委員長に相応しいと思う人に挙手してください。では、まず、清水さんから」
一人一人黒板に書いた順番にお兄ちゃんは多数決をとっていく。
(わたしたちのクラスは、確か三十一人だから、それから候補の六人を引いて……二十五人)
……そんなことを考えてしまって、わたしは小さく頭を振る。そうじゃなくて、数の問題じゃなくて……
こればっかりは祈るしかなく……受かってほしい祈りか、受かってほしくない祈りかは自分でも分からなかったけれど、それでも、わたしは何かに祈った。
(……わたしはずるい。こんなの、どっちになっても言い訳できるようにしているだけじゃない)
はっきりしない自分をそう責めたりして、そして、
「最後に、宮下さん」
お兄ちゃんが、わたしの名前を呼んだ。
「宮下さんは……八人ですね」
「――――」
――上がった手を見て、わたしはぽかんとしてしまった。
一番多い……選ばれるなんて思ってなかった。
(ぇ……どうして?)
疑問のほうが大きくなる。わたしなんて地味で、クラスで仲がいいのも舞ちゃんだけで……なのに。
当の舞ちゃんといえば、にやりと笑っていた。
「次に副委員長ですが……そうですね、推薦した和宮さんにしてもらいましょうか」
「ぅえ……!?」
でも、にやにやはお兄ちゃんの言葉ですぐに崩れてしまう。
「ええー! どうしてですかーっ!!」
「他の立候補者から決めるほうがよくないですー?」
次々に起こる――主に立候補者とその周り人の――不満の声を一通り聞いて、お兄ちゃんは諭すように静かに伝えた。
「宮下さんを推薦したのは和宮さんですし、これから一年間委員長をお願いするのならお互いによく分かっている人のほうがいいでしょう。まあ、連帯責任ですね」
お兄ちゃんから微笑んでそういわれると強く反対もできなくなって「しょうがないなぁ」という感じで、みんな黙ってしまった。不満もあるだろうけど、もともと……こういう言い方はしたくないけど「お兄ちゃん目当て」みたいな空気になっていたから、きちんと委員長として決めたとなると強くもいえないみたい。
「和宮さんもいいですね」
「あー……はい」
舞ちゃんはしぶしぶ返事をする。
その姿に、わたしは思わず笑ってしまった。
「では、後は宮下さんと和宮さんに進めてもらいましょう。二人とも、よろしくお願いします」
お兄ちゃんの言葉に、わたしと舞ちゃんは顔を合わせ、それから二人で立ち上がった。




