生きるということ
言語、人種、価値観。
人間は生まれた環境によって、
さまざまな自己意思を形成する。
それは多種多様で、一人として同じ人間はいないだろう。
だが、同じ街に住み、同じ空気を吸えば、
考え方も少しずつ似てくる。
それは単なる同調ではなく、生きる環境が人を同じ方向に導いていくからだ。
最初は心さえ通わなかった人々も、
ときにぶつかり、誤解し合いながらも、
同じ目標に向かって歩むことができる。
そんな目標なんて、あるはずがないと思うかもしれない。
しかし、よく考えてみれば、人間が歩むべき目標はたった一つしかない。
それは「生きる」ことだ。
それはただ呼吸することではない。
傷つくことを恐れず、他者の痛みに触れながら、
自分という輪郭を見つめ続けることだ。
貧困、戦争、不平等。
世界にはまだ、生きることに苦しむ人々が大勢いる。
そんな人々に寄り添い、そっと手を差し伸べることが、私たちにはできる。
そうして人と人が温かくつながっていく。
いま、この地球には82億の人々が、196の国で、
およそ7000の言葉を使って生きている。
言葉も、国も、肌の色も越えて、私たちは同じひとつの地球を回っている。
その距離は遠く、果てしなくとも、
人々は今日も、少しずつ歩み寄っている。




