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Chapter 6

「っきて、起きて下さい風斗様!!」


バッと布団をめくる。

少し寒かったのか、ぶるっと体が震えた。


「ん…あともうちょい…zzz」

「あっ駄目です!学校に遅刻しますよ!!」



あれから数週間があっという間に経ち。

私は幸せな生活を送っています。

その所為で風斗様は朝起きられなくなってしまったのですが…。


「だって、お前がなかなか満足しないから」

「か、風斗様だって!」


それが恒例の言い合いになってしまった。

まぁ、今では起こすのも楽しみのひとつになっていますけどね。



いそいそとベッドから出てきた風斗様は、身仕度をして、時計を見ると…


「げっ!もうこんな時間かよ!!あー…悪い八重、朝めし抜く!」

「ふふっ大丈夫ですよ。そう思って作ってませんから」

「~~~~ッ」


ちょっと不機嫌になる。

そんな姿がやっぱりかわいい。


制服をガッとつかむと、ズボンのチャックを閉めながら私は髪形を整えてあげる。


そして玄関に慌てて行くその後ろを、私もついていく。


「じゃ、行ってきます!」

「いってらっしゃい!」


風斗様はドアを急いで開けて…


「あっ」


何かを思い出したようにドアノブから手を放して


ちゅっ


軽く私に口づけをした。


「…じゃあ、行ってくるから、俺が帰ってくる前には家にいろよ。

…好きだから」

「ふふ、はい、もちろんですよ、ご主人様。お気をつけて…好きです」



時間が無くても毎朝してくれる軽いキス。

いつも出ていった後ににやけてしまいますのは内緒です。






ちょっと前まではありえないと思っていた生活をしている。

それがとても嬉しくて、そんな毎日が愛しくて。



ずっと夢見てたあのBL本。

なかなか本の通りには行かなかったけど、もう頼らない。


私は、風斗様と新しい物語をつくっていきます。

どこにもない、自分達だけの物語。



それが私の、




最後の願いです。






Fin.


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