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魔王軍立志伝―仕事を辞めたら魔物になりました―  作者: ヨシMAX
第5章 オークと最後の四天王
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第70話 オークと魔王VS魔王②

魔王立志伝ワールドにようこそ(`・ω・´)



 魔王城の玄関ホールでロマリアスと対峙する俺とグリッシュ。

 シルバースピリットアーマー50体は俺の新たな武器、叔父さん……では無くてなんか強そうな剣のお陰で脱落者を出す事なく退ける事が出来た。

 だがホールの真ん中ではロマリアスが圧倒的な存在感を醸し出し立っている。



 「……どうする? グリッシュ。何かいい手はあるか?」


 「こんな時は取るべき方法はただ一つ……先手必勝でーす!!」



 なんとグリッシュはシャルルを構えて突っ込んでいった!

 ええ――っ! それは良いんですかぁ――っ!?


 グリッシュは魔力を込めてシャルルを輝かせて振りかぶり突っ込むが寸前の所でロマリアスの障壁で吹き飛ばされてしまった。グリッシュ――ッ!!



 『誠広、ヤベぇぞ。グリッシュが何もできずに吹き飛ばされるなんてな……』



 確かに単独の力で比べたら今のロマリアスに俺達は敵わないだろう。

 あのグリッシュでさえもアッと言う間に吹き飛ばされたのだ。

 ただ……、倍の魔力が有ったら。

 一人の肉体に2人の魔力があったらどうなるか。

 その方法を俺は持っていた。



 (ふっ、ようやく俺の出番か……)



 今回は初の試みだ。

 魔王、分かっているな!



 (当然だっ!!)



 意思の交代をせずに同時に覚醒してロマリアスと対峙する。

 ただ、奴の隙を突かなければ……。

 ロマリアスはゆっくりと俺の方向に歩いてくる。

 なにか一瞬でも注意が引ければ……。


 ――するとロマリアスの死角から魔法の熱線が放たれる。

 当然、奴の魔法障壁に防がれるが歩みを止める事が出来た!



 「ぐっ……、貴様等……。」



 今だ!!



 「冥界に眠るシバルバーの門を開き来たれ 2柱の支配神と10柱神に――」


 (冥界に眠るシバルバーの門を開き来たれ 2柱の支配神と10柱神に――)



 俺と魔王は同時に現状もてる最強魔法の高速詠唱を始める。

 さすが俺達、息がピッタリだ。

 ……あまり嬉しくは無いがな。



 「愚かなる者共にせめてもの慈悲による安らかな死を与えよう ソーファー・アー・ステーシュン・オッター!!」


 (愚かなる者共にせめてもの慈悲による安らかな死を与えよう ソーファー・アー・ステーシュン・オッター!!)



 魔王と俺が同時に放った準禁呪魔法がロマリアスの魔法障壁を侵していく。

 ロマリアスは3人掛かりの魔法を受けてジリジリと押し返されていく。



 「貴様等――、これしきの魔法など……、ぐわぁぁああ――っ!!」



 ロマリアスを覆う魔法障壁が破壊されグリッシュと俺達魔王2人の魔法が奴に向かって牙をむいた。

 一気に魔法を喰らったロマリアスは大爆発に巻き込まれて爆炎に飲まれた。

 この魔法が正常に発動すればあらゆる苦痛をその身に受けて絶命するはずだ。



 「……どうだ……」



 無意識に俺はフラグを立ててしまう。

 奴のいた場所を中心に煙が立ち上っていて状況はつかめない。



 「兄様……無事ですか?」


 「グリッシュ、お前も大丈夫だったか」


 「私があれしきでやられるはずがありません。骨の2~3本は持っていかれましたが直ぐに治るでしょう」


 「ガッツリと持ってかれてるじゃねぇか……。俺も魔力がごっそり減ったぞ」


 (全力で撃っちまったから俺も魔力枯渇だ……)


 『おいおい、お前等、大丈夫かよ。剣一本だけで残ったってどうにもならんぞ』



 いよいよ爆炎が晴れるかと思われた時、熱線が放たれ甲高い音が耳に届いた後にグリッシュの左手に当たる。



 「うわっ!?」


 「グリッシュッ!?」



 グリッシュの左手がスローモーションの様に宙に舞う。


 グリッシュって血液流れてるんだ……。

 鮮血を伴って飛ぶ彼女の左手は不謹慎ながらとても美しいと感じた。


 一拍置いて俺は彼女を庇う為に地面を蹴った。

 そのお陰で2撃目以降からは守り切る事が出来たが……。


 彼女はいつも以上に顔色を失くして左手の付け根を押さえていた。



 「油断……しました。私の障壁を貫通してくるとは……」


 「喋るな! 今止血するから!」


 「兄様、私に構わず戦わねば共に死にます……」


 「そうは言っても……」



 「ぬぅんっ!!」



 ロマリアスが腕を振るうと爆炎が一瞬で消え去る。

 奴は俺達の魔法でボロボロにはなっていたがまだまだ闘志は失われていなかった。

 無敵かよ……。



 (おい、もう無理だろ、一旦撤退しようぜ)


 『そうは言ってもどうやって……ってお前誰だよ』


 「今更かよ、叔父さん。これは別人格の俺だよ」


 「はぁはぁ……、言い合いしてる場合じゃないですよ。ロマリアスが呪文の詠唱に入ります……」



 ……マジか。

 俺がロマリアスを振り返ると視認できる程の魔法障壁を張りなおして魔法の詠唱準備をしていた。

 ビリビリと全身を貫いていく圧力に身体が硬直していく。

 やべぇ……終わったかも。


 俺、ここまで良く生き延びてきたよな……。

 死ぬかもしれない、そんな覚悟を決めた時だった。



 「……兄様、まだ諦めるには早いかもしれませんよ」



 グリッシュが脂汗を流しながら俺に言う。

 へっ? なにかあるのか?

 ……って言うか汗も掻くのな、グリッシュ。



 「……待たせたな、貴様等はここで終わりだ……」



 ロマリアスはゆっくりと両手を広げて詠唱の最終段階に入る。

 くっそ、ここまで来たのに……。



 ――いよいよか、と思ったその時。

 満身創痍の俺達を淡く温かい光が包み込む。



 「な、なんだ、この光は……」


 (魔力が……全快したぞ)


 心なしか腕の中のグリッシュの顔色も良くなった気がする。



 「イナバ様! お待たせしました! 私達も加勢します!」



 俺達もロマリアスに比類する程の強力な魔法障壁に包まれた。

 これなら! 今から反撃だ!



 正門の奥に俺達が見たものは――。

 セレル様達と1,000名に精鋭たちだった。




ここまで読んでくださり有難うございました。

最近、リアルで転職活動をしてまして……あとやりたいゲームがあり過ぎて期間が空いてしまいました。

のんびりと続きを読んでくださると有難いです(*´▽`*)

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