81話
「スティラちゃんが?そんなまさか、。」
あんないい子がそんなことする訳ないよ。
「ジーナ様、冗談ですよね?」
「冗談な訳ないじゃん、ほんとバカ猫だね、いや、泥棒猫かな?」
え?
「言っとくけど、これが私の本性、まんまと騙されてバカみたい。あ、ほんとにバカだったり?ふふっ。」
スティラちゃん、まじか。
「でもね、もうゴールは目の前だから、人攫いはやめてあげるよ。私ってほんと優しいなぁ。」
「ゴールって?」
「さぁね。寝て起きたらわかるよ。」
その瞬間、魔法が発動された。リオが私の名を呼んだけど、意識はもうなかった。
次に目を開けると、私は魔王城にいた。
え、なんで?確か、カイン帝国にいたよね?
なんで魔王城に?
それにこの服...。
私は目の前にある鏡に全身を映した。
メイド服を着ていて、猫耳やシッポなんかも消えていたのだ。
ま、ま、マジでどういうこと!?
「そこの新人!ボサっとしないで窓拭き急いで!」
...。
え、え、新人ってまさか私の事じゃないよね!?
「エーレ・ミカデオン!急げ!そろそろ魔王様と奥様が来られるのよ!」
...。
私の事なんかーい!!
なんでぇ!?しかも奥さんって、私の事のはずなのに!
「急いで!」
「は、はぃぃ!」
わけも分からず窓拭きに勤しんだ。
「新人!魔王様と奥様が来られたわ!お迎えして!」
「分かりました!」
よく分からないけど、リオに相談してみよう!
そうして、扉を開けると、そこにはリオと、なぜかスティラちゃんの姿があった。
な、なんでスティラちゃんが!?
「リ、リオ...!」
なんでか分からないけど無事、なのかな?良かった!
私が抱きつこうとするとリオは「キミは、誰だい?私に触れていいといつ、誰が許可した?」
リオは冷たく言い放った。
「侍従長、この子に厳重注意を。次やったら叩き出すと伝えてくれ。」
「大変申し訳ありませんでした!このような事が二度と起こらないようにいたします。」
「そうしてくれ、私には愛する妻、猫族の女王、猫神族である、スティラ・アモネがいるのだから。」
え...。
「そ、それは私の事で...!」
私はリオにしがみついたが、蹴飛ばされ、「次はないと言ったはずだ。キミは明日死刑にする。」
え。
「こいつを地下牢へ。」
「はっ!」「行くぞ!」
「行こう、スティラ。」
「えぇ。」
私は兵士に縄をかけられ、スティラは私にこう言った。
「ね、ゴールは目の前って言ったでしょ?泥棒猫さん。いや、もう猫じゃなくて、ただの魔族か。お疲れ様、これからは私がリオを支えるから、安心して死んでね。じゃ、ばいばーい。」
そう言い残して、彼女はリオを追って行った。
あのリオが、私を殺せと言った?
どういうこと?
やがて私は地下牢へ投げ込まれたのだった。




