いじめられていたら王女になりました。76話
「王女様ー!お待ちください!そんなに走ってはいけません!」
「マーマにあうのー!」
「それでしたら私がお連れしますからー!」
ボスン!王女は誰かに当たってしまった。
「ルーナ、セルラの言うことを聞かないとダメでしょう?」
その相手とは...
「ご機嫌麗しゅうございます。なつな様。」
そう、なつなとは私のことだ。
あの結婚式から5年たち、私とリオの間には子供が生まれた。
しかも2人も。
今私の足元にいるこの子はルーナ・ミカデオン・シェイン、3歳の女の子だ。
そして向こうの部屋にはもう1人、1歳の息子、クーナがいる。今はお昼寝中だ。
そしてこのセルラと呼ばれる人は、子供達の乳母だ。とても優しく、間違ったことをするとちゃんと叱ってくれる、子供達にとっては第2の母親とも思えるような存在だ。
「どうしたの?ルーナ、ママに会いたかったの?」
「うん!マーマにあいたかったの!」
「じゃあお散歩でもしようか?」
「しゅるー!」
ルーナはキャッキャと笑いながらお散歩をしている。
「ふふっ、ルーナ、ご機嫌ね、何かいい事でもあったのかな?」
ルーナはうーんとね、と言い、「マーマにあえたことがうれちい!」
ルーナはにへへっと笑いながら私を見あげる。
するとそこに「母上ー!」
ある者達が駆け寄ってくる。
「あー!お姉ちゃんたちだー!!」
現れたのは現猫の王族達、猫族と呼ばれるもの達の王、そして私の前前世の子供達だ。
「アニア、イニア達、どうしたの?」
今ここにはミカデオン家の私の子供達10人が目の前にいる。
ルーナはセルラに預かってもらっている。アニア達と話したがっていたが、子供の前でする話ではないということで席を外させている。
「今頃ルーナはあなた達に会いたくて大騒ぎしてるでしょうね。」
「そうですね、ルーナももう3歳ですか、はやいものです。」ウニアは色々と浸っているようだった。
「ところで話って?」
「今、表の国で何が起きてるかご存知ですか?」
エニアは神妙な顔で言った。
「さぁ、裏の国とは世界線が分離されているから、情報が入って来ないのよね、最近は忙しくてメイル達とも会えてないの...」
「そうでしょうね。」オニアが言った。
「今、表の国では大変なことが起こっているんです。」カニアが言った。
「大変なこと?」
「赤子が生まれなくなっているんです。」キニアが言った。
「あ、赤子が生まれないって、いったいどういうこと!?」
「表の国の王子様達がご結婚なさったことはご存知ですよね?」クニアが言った。
「え、えぇ。グルデ、ジルデ、メイル、レイル全員結婚していることは知っているわ。結婚式には行ったけど、もう何年かは会えてないわね。ちなみに原因は?」
「まだ調査中ですが、天から降りてくる魂を、別の世界に横流ししている者がいる、ということはわかったのですが、それが誰なのか、目的は何なのか、まったく手がかりがないそうなんです。」ケニアが言った。
「それで、その話をなぜ私に?」
「この世界の創母神、ジーナ様に連絡を取っていただけないかと、こちらの裏の国には関係ありませんが、表の国の人達も私たちの家族です。」コニアが言った。
「どうか、お願いします。母上。」
「その話なら、私も乗ろうではないか。」
声がした方を向くと、そこには執務を終わらせてきた、私の愛する魔王様、リオがやってきた。
「リオ...!」
「また共に表の国の者たちと旅ができるではないか。」
「旅って?」私が聞く。
「ジーナ・リヨルは、本来姿を現して良い神ではない、どこにいるのか、そもそもこの星にいるのかさえ分からない、それを探すのが旅だ。」
ふふっ、またみんなに会えるんだね、楽しみだ。
それにこれは、「家族旅行だね!みんなで行こう!」




