いじめられていたら王女になりました。48話
「今だけしか話せないので、メニレの顔写真と、彼女を支配している者の名前を教えます。」頭に写真が送られてきた。とても美しい方だった。大人の色気があった。「彼女を支配しているのは、アン・ラリノ、女性です。その者がこの世界に来ているかは分からないわ。ごめんなさいね。メニレはおそらく、友羽高校の、教師を演じているはずよ。」!?友羽、高校?「暗い顔してどうしたの?なつな。」メイルが聞いてくる。「友羽高校はね、私のいた高校なの。」「え、」一条楓もわんわんと吠えている。彼女も同じことを思っているはずだ。
「で、でも大丈夫だよ。心配しないで。」「う、うん。」「エーレさんは偽名を使ってもらうことになるわ。1度死んだ人間だから。」そりゃそうだ。「分かりました。えっと、なんて名乗ろう?うーん。」「月乃愛と名乗ろうかな?」「あぁ、良い名だ。」グルデが言う。「ふふっ。じゃあ、この世界を頼んだわよ。時間が無いってことは忘れないでね。」「はい!必ず、私が救います!」「ありがとう。」
声が聞こえなくなった。
「リオ達は外国人って設定でいいよね?」「あぁ。その方が楽だ。」
「今は夜だから、どこかに寝泊まりできるところに行かないと。でもお金ないんだよなぁ。」チャリン。お金を落とす音がした。「通貨ならつくれるよ!」メイルはそう言うが、それって多分犯罪なんだよなぁ。はは。「でもなぁ。」でもおそらく今寒いから冬なんだろう。「あなたたち、寒くないの?」声がした方にふりかえる。!!。私は驚いて声も出ない。口に手を当て泣き出す。そこには私を産んでくれた実の母がいた。「寒いでしょう?家にくるといいわ。」「でも、大人数ですが大丈夫ですか?」グルデが珍しく敬語で聞く。「もちろん大丈夫よ。」「それになんだかこの女の子、死んだ娘に似ててねぇ。ほっとけないのよ。」『死んだ娘』。そうだよね。私は死んだんだよね。泣いている私を見て母は「あらあら、そんな辛いことがあったのねぇ。大丈夫よ。辛い思いはさせないわ。」違う。辛い思いをしたのは私なんかじゃない。お母さん達家族だよ。私、お母さん達に育ててくれた恩を返せずに死んでしまった。なんて親不孝者なんだろう。お母さん達がどれほど辛かったのか私には計り知れない。「じゃあ、お願いできますか?」母はニコッとし、「もちろんよぉ!にぎやかになりそうで嬉しいわ。あなたの名前は?」私は涙を拭きながら「月乃愛です。」「愛ちゃんね。良い名前ねぇ。これからしばらくよろしくねぇ」




