いじめられていたら王女になりました。37話
湖に入ると辺りがキラキラと光出した。「いいか、なつな、自分に負けるな、過去に負けるな。 どうか、頑張ってくれ。」「は、い、」意識がすうっと溶けてなくなったように感じた。それは長い長い夢のようだった。
私には家族がいた。友人もいた。何もかも、持っていた。だって猫族の王の娘だったから。そう思われていたけど、本当は違うのに皆私が羨ましいと言っていた。でも私の方がみんなの事が羨ましかった。だって、皆の方が幸せそうだったから。私は本当に大変だったと思う。母は私を産んですぐ亡くなった。父は私を『出来損ないの娘』と呼んでいた。兄弟はいた。妹だけ。父は妹が大好きだった。本当に溺愛していた。妹はものすごくわがままだったけど、父はそれを愛嬌だと言っていた。私にはそんな事言わないのに。妹も私が大嫌いだった。「お姉様がいなければ」なんて数え切れないほど言われた。私は第1王女なので、次の王、女王の席は私で決まっていた。妹はそれもあって私が嫌いなのだろう。私も、父と妹が大嫌いだった。幸い、侍従達はそんな私をとても心配してくれていた。父も妹も外面はとても良かった。仲睦まじい家族と呼ばれたぐらい。本当に苦しかった。何より苦しかったのは、相談できる相手がいなかったこと。友達さえいなかった。結婚だって、できるのか分からなかった。そんな時、たくさんの王家が呼ばれるダンスパーティーがあった。私はダンスが苦手なので、離れたところで皆が踊っているのを見ていた。そしたら、手をグイッと引っ張られ、「そんなところにいたらもったいない。私と踊りましょう。」男はそう言った。だが、「や、やめてください!」私は大声を出してしまった。「大声を出してしまい、申し訳ありません。ですが私、ダンスは苦手でして。」男は笑い、跪いて手の甲にキスをした。「私も苦手なんですよ。練習だと思って踊っていただけませんか?キャットレディー。」「///っ。わ、分かりました。ですが足を踏んでしまうかもしれないですよ?それでもよければ。」「もちろん。大丈夫ですよ。では、いきますよ。」その後はずっと男と踊っていた。彼はダンスは苦手と言っていたのに、とても上手にリードしてくれた。「あのお2人、絵になるわね。」「そうね、まるで芸術品ね。」そんな会話が聞こえた。さすがに1日中踊っていたら疲れたので「き、休憩しませんか?」「しましょうか。」2人でパーティー会場から離れたところに行き、一息着く。「あ、あなたのお名前は?」私はそう聞く。「私の名は、リオダルク・シェイン、魔王です。」この世界には私と彼しかいないように感じた。そう、私は出会ったのだ。運命を変えてくれた男性に。




