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49.第6話「巨大兵器」(7/10)


 ザイルダイトとヴィレンビーが戦っている一方で、また厄介事が起こっていた。



 キィナを倒したガイとシグは、ドウジとギルダーのもとへ加勢しようとする。

 だが、そんな彼らの前に立ちはだかる者たちがいた。


 今まで気絶していたアルクレスとDr.メジャーリーグだ。

 まるでキィナがダウンしたのと交代で復活したようだった。


「好き勝手やってくれたようだな。」


 Dr.メジャーリーグが、倒れているキィナと戦っているヴィレンビーを見て言い放つ。

 するとDr.メジャーリーグはさっそく魔法攻撃をし始めた。


 燃える火球をガイたちに向かって飛ばす。

 それを見て「ヤバい」と思った二人は急いで回避した。

 シグは横に飛び、ガイは甲冑を分離させる。


 命中しなかった火球はそのまま通り過ぎ、やがて地面にぶつかる。

 すると火球は砕け、当たった床は燃え始めた。



「我にもやらせよ!」


 Dr.メジャーリーグの隣にいたアルクレスは、そう言うと二本の剣を取り出してガイたちに襲いかかった。

 それを見たガイはすぐにもう一度甲冑を合体させ、装備していた剣を使って受け止める。

 しかしアルクレスのパワーは強く、簡単に弾かれてしまった。


 そのままアルクレスの剣がガイの甲冑の兜を斬り裂く。

 そして兜の前面に剣の刃が食い込み、兜に綺麗な縦線ができてしまった。

 幸い兜の後ろの方は無事だった。


 だが今度は鎧をもう片方の剣で貫かれてしまった。

 ガイの鎧に剣が突き刺さる。


 ガイは痛いのか震えていた。


 ・・・だが、待ってほしい。

 ガイは幽霊なので負傷はもちろん、痛覚も感じないハズである。

 なのに震えているのだ。



 次の瞬間、アルクレスがガイの鎧に刺している剣目掛けて両方から「ナニカ」がぶつかってきた。

 ガイが操っていた甲冑の籠手だった。


 突然の衝撃でアルクレスはうっかり剣から手を離してしまった。

 その瞬間、ガイは部位をバラバラにしながら宙を飛んだ。

 鎧にアルクレスの剣を刺したまま。


「剣は預かった!」


 ガイはそう言いながら上空に飛んで行った。


 どうやらガイは痛みを感じているフリをして、アルクレスに油断をさせた隙を突いて剣を奪ったようだ。

 これでアルクレスの武器は剣一本になった。



 すると様子見をしていたシグは、持っているオノを振り回しながらアルクレスに立ち向かおうとする。

 今度はシグの番のようだ。


 アルクレスは標的をシグに変え、近付いてきたシグに剣を振り下ろす。

 その際に片手で握っていた剣を両手で握った。

 シグとアルクレスのパワーは互角なのか、互いに刃を交えた瞬間に両方とも衝撃で跳ね返った。

 アルクレスは縦振りだったので縦に、シグは横振りだったので横に跳ね返った。


 しかしシグは隙を見せず、跳ね返った方向に勢いよく体を回転させてすぐさま次の一撃をアルクレスの胴体に放った。

 逆回転したため、当然刃のない方が胴体に当たる。

 切り傷は与えられなかったが、打撃によるダメージは与えられた。


 アルクレスは衝撃でよろめく。

 それを見ていたDr.メジャーリーグは援護しようと魔法を放とうとするが、それは阻止されるのだった。

 上空から現れたガイによって。


「たぁー!!」


 ガイは上空で部位を合体させて元に戻り、鎧に刺さっているアルクレスの剣を引き抜いた。

 そして上空からDr.メジャーリーグ目掛けて思いっきり剣を振り下ろしながら落下した。

 地面に着地した瞬間、剣はDr.メジャーリーグは被っていたヘルメットを斬り裂いた。

 次の瞬間、ヘルメットは真っ二つになって中の髪が出てきた。


 放とうとしていた火球が徐々に小さくなっていき、やがてそのまま消える。

 そしてDr.メジャーリーグはそのまま地面に倒れるのだった。



 シグはよろめいていたアルクレスを倒すためにオノの刃がついてない方で何度もアルクレスをぶっ叩く。

 まるでハンマーで叩くように。


 シグの腕力は男に負けないくらい強く、並の人間なら既に気絶しているだろう。

 未だに立っているアルクレスがおかしいのだ。


 しかし流石にアルクレスの足元もふらついてきた。

 するとシグがトドメと言わんばかりにアルクレスの兜目掛けて、オノの刃がついてない方で思いっきり叩きつけた。

 アルクレスの兜が割れて、中の素顔が(あら)わになった。

 そしてその露わになった顔を再びオノの刃がついてない方で殴る。

 するとアルクレスがついに膝をついた。


 体を震わせ、汗をかくアルクレス。

 そんなアルクレスの頭をシグは両手で掴んだ。

 そして次の瞬間、シグは歯を食いしばりながら思いっきり頭突きを放った。


 アルクレスは白目を()きながら、地面にダウンするのだった。

 対するシグは頭を抑えながら勝ち誇った顔を見せるのだった。




 ザイルダイトは未だにヴィレンビーと対戦中。

 シグは怪我は酷くないが体力の消耗が激しい。

 ガイは他はともかく自身が装備している甲冑が少し傷ついている。


 シグは息を切らしながらもザイルダイトを助けようと動こうとする。

 だが、それをガイが止める。


「あとはボクがやる。」


 ガイはそう言ってザイルダイトに加勢するために接近する。

 手始めにヴィレンビーに突撃しようとする。


 だが、気付いたヴィレンビーによって兜を思いっきりぶん殴られてしまった。

 兜はかなり凹んでしまい、修復が難しそうなレベルとなってしまった。


「邪魔すんなよ。」


 ヴィレンビーは一言そう述べると、再びザイルダイトに襲いかかる。

 ザイルダイトは避けるが、ヴィレンビーも学習していた。

 ヴィレンビーは殴りかかった直後、足をバレリーナのように回転させた。

 するとヴィレンビーは殴りかかった腕を使ってザイルダイトにラリアットを放った。

 するとザイルダイトも流石に避けきれずヴィレンビーの腕に捕まってしまった。


 ザイルダイトはそのまま吹っ飛ばされ、地面に倒れる。

 するとヴィレンビーはすかさず倒れたザイルダイトに馬乗りのように乗っかった。

 そしてザイルダイトの顔面を殴り出した。


「やめろー!」


 ガイが近付こうとするがヴィレンビーの攻撃を避けられず、兜や鎧や籠手などの部位を次々に壊されていった。

 切断された場所が出来てしまったせいか、次々に地面に落ちていき、ただの壊れた防具になった。

 ガイの元から離れてしまったようだ。




 再びヴィレンビーは動けないでいるザイルダイトを殴り続ける。


「た、大変・・・!」


 シグはザイルダイトを助けるために近付こうとする。

 だが、後ろから何者かに肩を掴まれて止められた。


 シグは振り向く。

 すると、そこにいたのは見慣れない顔だった。

 シグにとっては。


「俺を誰だと思っている。」


 その言葉と共にシグは両肩を掴まれて持ち上げられた。

 思わず手からオノを落としてしまい、丸腰になってしまった。


 シグは相手の顔を見た。

 包帯がミイラのように頭に巻かれた不気味な大男。

 そう、彼の名は・・・。


「ジャンボ・ハムサンド様だぞ!」


 その言葉と共にシグは勢いよく振り下ろされ、腹に膝蹴りをくらった。

 シグは思わず汚い声を出しながら唾液を飛ばした。


 膝の上で動けなくなったシグを、ハムサンドはそのまま足で投げ飛ばす。

 地面に落ちたシグは少しだけ転がり、止まったと同時に腹を押さえながら横向きで倒れている。

 転がった衝撃で髪留めが切れたのか、後頭部で纏めていた髪が解けていた。


 涙目になりながらもハムサンドを(にら)んでおり、立ち上がろうとする。

 しかし既に疲労していた体にダメージを受けたシグは、立ち上がることが難しかった。



 ハムサンドは地面に倒れているシグを襲おうと近付く。

 シグはどう足掻(あが)いても助からない距離だった。

 それでも諦めず必死に立ち上がろうとする。

 だが力が入らなかった。


 悔しさか恐怖か痛みかは分からないが、シグは思わず静かに泣き出す。

 地面の土を握りしめながら。



 するとその時だった。

 ハムサンドの顔面に「ナニカ」が刺さった。

 それはオノのようで槍のような武器、"ハルバード"だった。


 痛みでうめき声を上げるハムサンド。

 そしてそれを聞いてハムサンドを見るシグ。


 次の瞬間、勢いよくハムサンドに近付こうと走ってくる"影"が見えた。

 その"影"は跳び上がると、ハムサンドに刺さったハルバードの(つか)部分を握った。

 次の瞬間、ハルバードの刃の部分から電撃が放たれ、"影"はそのまま地面に着地しようとすると同時にハムサンドを斬り裂いた。

 ハムサンドは斬撃と電撃の攻撃を受けたことで思わず頭を押さえながら後方に倒れた。



 シグは"影"の正体を知るために上を向こうとする。

 そして視線が顔に近付くと同時に、徐々に正体が分かってきた。


「あ、あんたは・・・。」


 顔を赤い布で覆い、目と眉毛と前髪の半分が露わになっている。

 首元に赤いボロボロの布を巻いており、体には鉄でできた鎧を身に纏っている。

 そして、とんがった耳が生えている。


 その人物は村の用心棒である"エイジ・ヒュウガ"だった。



 エイジが持つハルバードは電気を纏っている。

 おそらくギルダーと同じ「付与魔法 (エンチャント)」の(たぐい)だろう。


 電撃が止むとハルバードをそのままバトンのように振り回して、地面に柄の先をつけて立てると、そのまま動きを止めた。

 すると次の瞬間、長かった柄が縮まった。

 よく見るとハルバードの槍の刃部分も引っ込んでいた。


 どうやら伸縮自在のハルバードのようだ。




 縮めたハルバードを腰にぶら下げると、エイジは倒れているシグに近付く。

 そして手を差し伸べた。


「立てますか?」


 エイジの口は赤い布で隠れているが、声はこもってはいなかった。

 普通に聞きやすいレベルだった。


「ご、ごめんなさい・・・、無理そうです・・・。」


 シグは珍しく弱々しく答えた。

 流石に色々とダメージを負ってしまっているようだ。



 すると、シグは ハッ となった。


「わ、私はいいですから・・・、彼を・・・!」


 シグは体を震わせながら頑張ってザイルダイトがいる方向を指した。

 ザイルダイトは未だにヴィレンビーに殴られ続けていた。


 シグはエイジに伝えると、そのまま地面に倒れて気絶したのだった。




 シグの言葉通りザイルダイトを助けるために向かおうとするエイジ。

 だが、その後ろから別の「敵」が迫っていた。


「俺を誰だと思っている。」


 倒れただけで倒されてはなかったハムサンド。

 よく見ればハルバードによって斬られたため、一部素顔が露わになっていた。

 その顔はかなり不気味な顔だった。


「ジャンボ・ハムサンド様だぞ!」


 その言葉を聞いたと同時に再びハルバードを手に持つエイジ。

 次の瞬間、槍の刃が飛び出して柄部分が伸びた。

 そしてハムサンドの方を向くエイジ。


「お前も、酷い顔だ。」


 エイジは意味深なことを言いながら、ハルバードの槍の刃の先をハムサンドに向けた。






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