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46.第6話「巨大兵器」(4/10)


 数十個もの重装甲冑が空を飛んで、ザイルダイトたちがいる村へと向かってきていた。


 一体だけ兜の奥で黄色く光る瞳のようなモノを輝かせている個体がいた。

 おそらくその個体にガイの意識が宿っているのだろう。


「あれ全部、もしかして・・・。」

「ガイが操ってるのか・・・!?」


 ガイの軍団を見た者たちは、例外なく全員が驚愕していた。

 まあ、仕方ないことだろう。




 一方でヴィレンビーを押さえつけている二体の甲冑。

 しかしヴィレンビーの方がパワーが強く、簡単に返り討ちに遭う二体の甲冑。

 ヴィレンビーに殴られた場所がヘコむ。


 しかし幽霊(ゴースト)のガイにそんな攻撃は効かない。

 既に死んでいる相手に(ダメージ)は与えられないのだ。


 ガイは遠慮なくヴィレンビーを狙って突撃した。

 もちろん数十体の甲冑と共に。



 ヴィレンビーはやってくる甲冑を一つ一つ吹っ飛ばすが、あくまで幽霊であるガイが操っているので吹っ飛ばしても空中に浮かび、再び突撃をする。


 やがてヴィレンビーも疲れてきており、一瞬だけ隙ができてしまった。

 それが敗因だった。


 隙を逃さなかったガイ率いる甲冑たちが次々にヴィレンビーを攻撃する。


 鎧の突撃。

 兜の突撃。

 籠手(こて)の突撃。

 靴の突撃。

 そして、剣の突撃。


 ヴィレンビーは様々なガイの突撃をくらった。



 いわゆる隙のない連続攻撃をくらったことで、ヴィレンビーも無事ではなかった。

 ある程度攻撃を与えたガイは甲冑たちを空へと浮かばす。

 そしてガイの意識が宿っている個体がヴィレンビーを見下ろす。


 その視線の先には地面に倒れたヴィレンビーの姿があった。


 ガイはそのまま地面に降りると、操っていた甲冑たちを再び遠いどこかへ移動させていく。

 よく見ると、地上に降りたガイの甲冑から光る目がなくなっていた。


「わざわざ移動させなくてもいいんじゃないか?」


 ザイルダイトが飛んで行く甲冑たちを見て一言。


「たぶん、邪魔になるからなんでしょうね。」


 するとシグがザイルダイトの隣に立ち、同じように飛んで行く甲冑を見送る。

 フブキも同様に。






 ガイが甲冑たちを移動させている間に、悪党たちを村の外へ追い出すザイルダイトたち。

 そして入れ替わるように、村人たちを村へ入れるキョウカだった。


「村長!」


 すると、イェルコインに連れられたアーリルが救出された村人たちと再会した。

 アーリルと村人たちは互いに喜び合って幸せそうだった。


「えーっと、水を差すようで申し訳ないが、まだ終わったわけではないからな。」


 ザイルダイトが幸せそうな村人たちに言う。


 実際、元凶のマルクス・スノーモービルを見つけていない。

 基地内に残ったドウジとギルダーも戻ってきていない。

 つまり、まだ終わっていないのだ。


「ドウジたちが倒してくれていればいいのだが・・・。」


 イェルコインがマルクスの基地の方を向きながら言う。


 遠くにはマルクスの基地が残っている。

 あの建物がある限り、村人たちに平穏は訪れない。




 ザイルダイトやシグがそれぞれ村の周りを見張っている。

 村の外には悪党たちが放置されており、いつ目が覚めてもおかしくない。


「よし、ここはボクに任せてよ。」


 すると、甲冑の移動を終えたガイがいつの間にか二人のもとへ来ていた。

 よく見ると、四つの甲冑を連れて。


 どうやら四つだけは残したようだ。


「任せてって、なにをする気?」

「甲冑を使ってコイツらを遠くへ運ぶよ。」


 ガイはそう言って早速甲冑を操って三人の悪党たちを籠手で掴み出した。

 大柄なヴィレンビーも持ち上げる。

 前にドウジを持ち上げたこともあるので、大丈夫だろう。



 その時だった。

 ガイが操る甲冑を狙って、炎でできた球体が飛んできた。

 球体が命中し、衝撃で思わずガイは掴んでいたチャックを地面に落としてしまった。


 ガイは何事かと思い、同じく掴んでいたキィナとヴィレンビーを一度地面に降ろす。

 そして球体が飛んできた方向を向く。

 ザイルダイトとシグもだ。



 そこにいたのは二人の男。

 剣闘士のような格好の長剣二刀流使い。

 野球のユニフォームを着て白衣を羽織った魔術師。


 名を "アルクレス・モルド" と "Dr.メジャーリーグ" と言う。

 先程までギルダーとフブキに倒された連中だ。


「悪いが、そうはさせない。」


 Dr.メジャーリーグは持っている魔法の本を片手で閉じながら言う。

 すると今度は隣にいたアルクレスが両手に長剣を持ってガイたちに突撃してきた。

 それを見て、慌ててシグがオノで応戦する。


 シグの方が力が強く、アルクレスの剣が弾かれる。

 しかし一つ弾かれても、アルクレスはもう一つ剣を持っている。

 すぐにもう片方の剣でシグを斬ろうとする。


 すると、シグはオノではなく蹴りをかました。

 アルクレスはよろめき、その隙にシグはオノを振り下ろす。

 オノはアルクレスの左肩にある肩パッドに刺さり、貫通して肩にも刺さる。

 当然肩から血が流れ出ている。


 アルクレスは倒れたりはしなかったが、持っていた剣を両方とも地面に落としてしまった。

 すると急に(うつむ)く。


「フフフ・・・、ハッハッハッ!!」


 アルクレスは不気味に笑い出した。

 それを見てシグは目をパチクリさせる。


 次の瞬間、アルクレスはシグの腹部目掛けて力強いパンチを放った。

 それをくらってシグは「うっ!!」という声を上げながらオノから手を離してしまい、地面に膝をつく。

 そしてアルクレスはシグの頭を持って顔に膝蹴りをかまそうとした。


 次の瞬間、凄い速さで接近してきたザイルダイトがアルクレスの胸部に掌底を放った。

 その際に手が光り輝いていたため、どうやら「気」の力を使ったようだ。


 アルクレスの膝がシグの顔に到達する前にザイルダイトの掌底によって吹っ飛ばされる。

 アルクレスから解放されたシグはそのまま前のめりに倒れそうになるが、瞬時にザイルダイトが受け止めた。



 一部始終を見ていたDr.メジャーリーグが魔法で攻撃しようとするが、その前にガイと四つの甲冑が突撃して攻撃を止める。

 ガイはそのまま甲冑を操ってDr.メジャーリーグを上空へ連れてくると、背負い投げのように地面に向かって投げ飛ばした。


 Dr.メジャーリーグはそのまま気絶するのだった。



 シグは調子を取り戻し、自分の足で立ち上がる。

 支えていたザイルダイトはシグから手を離す。


「あとは、やらせて・・・。」


 シグはそう言うとオノを両手で握り、アルクレスのもとへかける。


 ザイルダイトに吹っ飛ばされて倒れていたアルクレスは立ち上がろうとしていた。

 しかし背を伸ばそうとする直前にシグのオノがアルクレスの腹を直撃する。

 幸い刃は反対方向に向いていたので、刺さってはいなかった。

 だが、シグはそのまま力を振り絞ってアルクレスをオノで持ち上げた。

 そして野球のバットのようにフルスイングした。


 アルクレスはそのまま吹っ飛ばされ、二、三回ほどバウンドして地面に落ちた。

 それでも再び立ち上がろうとするが、力尽きてしまった。




 戦闘後、ガイは四つの甲冑を操って今度こそ悪人たちを遠くへ運ぼうとする。

 今度こそ成功するのを願っているかのように凝視するシグとザイルダイト。


 しかし、その時だった・・・。


 突如マルクスの建物の一部が壊れた。

 その際に ドカーン! と凄い音がした。

 壊れて開いた穴から煙が出てくる。


 すると、その煙の中から二体の影が飛び出してきた。


 それはドウジとギルダーの姿だった。


「あれは・・・!?」


 ガイたちも気が付き、三人の目線は全員建物の方を向く。

 煙から飛び出してきた二人を見るために。



 ドウジはお得意の跳躍力を使っての脱出で、そのまま地面に落下して着地した。


 注目すべきはギルダーの方だった。

 なぜなら彼は今まで見たことのないことをしていたからだ。

 それは、自分の盾の上に乗って空中を飛んでいたからだ。


「ギルダー、飛んでる・・・。」


 シグは信じられないモノを見たような顔をした。

 しかしギルダーは足の下の盾をサーフボードのように乗りこなしながら空中を移動していた。



 そして、二人が出てきた数秒後に突然マルクスの建物がどんどん崩れ始めた。

 大きな煙がマルクスの建物から湧き出てくる。


 遠くでそれを眺める村の人々は(おび)える。

 恐怖のあまり家の中に入った人もいた。


 ガイ、シグ、ザイルダイトはいつでも戦える準備をした。

 もちろん村の中にいるキョウカ、イェルコイン、フブキも。



 やがて煙が晴れると、そこにいたのは巨大な重機のようなロボットだった。

 キャラクター的な感じではなく、乗り物的なデザインだった。


 ドウジとギルダーは今までその重機と戦っていたようだ。


「また、大物と戦うようだな。」


 ザイルダイトは軽い感じに言い、軽く屈伸をした。

 どうやらやる気満々のようだった。


 ガイとシグもドウジたちに加勢するために、重機を警戒しながら少しずつ近付こうとするのだった。






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