45.第6話「巨大兵器」(3/10)
ドウジに頼まれて村人たちを村まで誘導するキョウカたち。
途中の部屋で、なぜか先程までいたハズだった気絶中の「敵」たちがいなくなっていた。
疑問に思いながらも村人たちを逃すことに集中するキョウカたち。
「敵」とは遭遇せず、脱出は簡単であった。
そしてついに基地の入口まで誘導することに成功した。
「よし、あとはこのまま村まで歩くだけだ。」
ガイはキョウカを見てそう言った。
キョウカも微笑みながら頷く。
しかし、これがフラグとなったのか、問題が起きてしまった。
「おっと、そう人生は甘くないぞ!」
前方の方から声が聞こえてきた。
そちらを見ると、一人の男が立っていた。
先程まで入口で倒れていた "アクセル・ギアマスター" だった。
「あ、あなたはさっきの・・・!」
「誰?」
「敵。」
再びアクセルに会ったことに驚くキョウカ。
初めて会ったフブキ。
そしてフブキに超簡潔に説明するガイ。
そんな彼らを見ているアクセルだった。
「今度こそ俺が勝つ!」
アクセルはそう言うと変なポーズを取り始めた。
そして次々に変な動作をし出す。
最後に右腕を勢いよく振り上げながら大声で叫ぶ。
「ビギンズパーティー!!」
その叫びと共にアクセルの近くに停めてあった赤いバイクが変形し出した。
バラバラになったパーツが次々とアクセルの体にくっつき始め、全身を覆った。
再びアクセルは「オメガクロニクル」に変身した。
「うわぁ、カッコイイ!」
「え?」
意外なことにフブキがオメガクロニクルの容姿を褒めて、それに反応するキョウカ。
そして満更でもないのか、オメガクロニクルを装着したアクセルが次から次へとポージングを変えていた。
それに対し、拍手を送るフブキ。
「今は戦いに集中してよ!」
ガイがフブキを注意すると、フブキも素直に「わかったぁ〜」と答える。
アクセルも普通に戦う構えをとる。
「ど、どうしましょう・・・。」
キョウカがガイとフブキに聞く。
すると先にガイが答えた。
「とりあえず、安全を優先してキョウカは一度村人たちを基地の中に避難させて。 ボクとフブキが先に『アイツ』の相手をするから。」
そう言って腰にある鞘から剣を抜くガイ。
キョウカも「分かりました。」と言って行動を開始する。
キョウカが村人たちを一度基地の中へ避難させる。
そしてガイとフブキは目の前の「敵」を警戒する。
「フッ、覚悟はいいようだな。」
アクセルはそう言うと、オメガクロニクルの背中にあるジェットパックのようなモノから炎が吹き出させた。
すると自然と前に移動し始めた。
やがて速さが上がり、ガイとフブキに急接近し始めた。
ガイとフブキは真横に跳んで避けると、すぐにアクセルの方を見る。
するとアクセルは壁に激突する前に炎を徐々に弱めて減速し、無事に止まった。
そしてすぐに振り返り、壁を背にした状態で立つ。
避けた拍子に倒れたフブキが立ち上がると、氷の剣と盾などの武器を作り、兜や鎧などの防具も作った。
それを見てアクセルはフブキをターゲットに決め、ジェットパックから炎を吹き出させ、彼女に向かって再び突撃した。
その時だった。
横からガイがまるで「ロケットパンチ」のように両方の籠手をアクセル目掛けて飛ばしてきた。
どちらもオメガクロニクルの側頭部辺りに激突した。
「うんわぁ!?」
ダメージは無さそうだったが、衝撃でバランスを崩して回転しながら辺りをウロウロ飛び回るアクセル。
するとフブキはアクセルが近くに来た瞬間、オメガクロニクルの胴体辺りを氷の剣で斬り裂いた。
結果、オメガクロニクルの胴体辺りは破損した。
そしてアクセルがまたしても壁に激突するのは時間の問題だった。
衝撃音と共にアクセルは壁に激突する。
体が壁にめり込み、やがて剥がれ落ちるように後方に倒れた。
そしてまたしても大の字で地面に仰向けで倒れる。
その一部始終をガイとフブキは黙って眺めていた。
アクセルが気絶していることを確認すると、ガイは村人たちを避難させたキョウカを呼びに行った。
するとキョウカが出てきたと同時に次々と村人たちも基地内から外に出てくるのだった。
フブキは既に装備を溶かしていた。
彼女は腕より長い袖をブラブラさせながらキョウカに近付く。
「終わったよぉ〜。」
「そうみたいですね。」
キョウカとフブキは笑顔を見せながら会話をする。
そこへガイも近付く。
「また変な奴が現れる前に、村に戻ろう。」
そう言ってガイは歩き出す。
キョウカも頷いて、村人たちを連れて移動を始める。
キョウカたちは村人を守るように周りを警戒しながら村まで移動する。
幸い「敵」はおらず、村までは無事に着いた。
そう、「村まで」は・・・。
村に入るとそこにはシグとザイルダイトがいた。
しかしいるのは二人だけではなかった。
「うげっ!?」
思わずガイが声を出す。
なぜなら二人の前には三体の「敵」がいたからだ。
そしてその内の一人が見たことがある顔だからだ。
入口付近でドウジと戦ったあの女性だったからだ。
「シグ、ザイルダイト!!」
ガイが名前を呼びながら二人に加勢する。
同じくフブキもガイの後を追って近付く。
キョウカだけは村人たちを村の外に避難させる。
「おっと、そっちはもう終わったのか?」
ザイルダイトが軽い感じで聞く。
「ちょっとした事情があって、あとはドウジとギルダーに任せてる。」
ガイが簡単な感じで説明をする。
それを聞いてザイルダイトは「へー。」と言って納得した。
「こっちもこっちで色々あってね。 とりあえずコイツらを倒さなきゃいけないんだ。」
今度はシグがコチラの状況を簡単に説明した。
ガイはとりあえず納得して剣を装備する。
フブキも氷の装備を身に纏う。
「ほっほう、お仲間が増えたようだな。」
「ふふっ、賑やかになるわね。」
「チッ、めんどくせえ・・・。」
三体の「敵」。
パンダのようなピエロメイクの大男。
赤い服装の女性。
緑髪の少年。
マルクスの仲間だった。
ガイは「敵」を警戒しながら辺りを見渡す。
するとアーリルの家の前にいるイェルコインを発見した。
それを見て、イェルコインが家の中にいる村娘のアーリルと用心棒のエイジを守っていることを理解した。
アーリルとエイジを別の場所に移動させた方がいいと思うが、目の前の「敵」が易々とそうさせてくれるとは思えない。
目の前の「敵」に集中しながらも考えるガイ。
色々と考えた結果、ガイはとある「作戦」を思いついた。
「頼みがある。 少しだけ時間を稼いでくれ。」
ガイはそう言うと二歩後ろに下がった。
「あ、えーと、時間稼げばいいんだな?」
突然のことに困惑するが、とりあえず了承するザイルダイト。
言葉にはしなかったが、シグとフブキも困惑しながらも無言で頷く。
「なにブツブツ言ってやがる!」
すると緑髪の少年・チャックはザイルダイトに突撃してきた。
先程の復讐をするつもりなのだろう。
チャックは次々に殴ったり蹴ったりするが、ザイルダイトは華麗に回避する。
チャックは諦めずに攻撃を続けるが、ザイルダイトには全くダメージを与えられていなかった。
残ったメンバーも戦いを開始させる。
赤い服の女・キィナはシグにナイフを投げる。
シグは手に持っていたオノを使って飛んでくるナイフを防ぎ、弾かせる。
キィナは遠慮なく次々にナイフを投げまくる。
しかしシグはオノをバトンのように勢いよく回し始め、飛んでくるナイフを防ぐ。
キィナがシグに夢中になっている隙にフブキが氷でできた銃を作り、横から攻撃してきた。
氷でできた弾がキィナに命中する。
柔らかめの氷なので命中すれば砕け散るが、衝突時のダメージは結構ある。
キィナは思わずしゃがみ込んでしまった。
それを見逃すシグではなかった。
シグは急いで距離を縮めると、キィナが立ち上がろうとする瞬間を狙って、腹部にオノの刃がついてない方を命中させた。
そして力強くキィナを吹っ飛ばした。
キィナはそのまま後方に飛んで行った。
一方ザイルダイトは攻撃を続けるチャックに対して足払いを仕掛ける。
すると面白いことに、この攻撃が上手く決まったのだ。
チャックはそのまま地面に勢いよく倒れる。
それをチャンスだと思ったザイルダイトは、チャックを両手で掴み上げると回転し始める。
そして勢いよく回り出し、やがてヴィレンビーがいる方向に向かって投げ飛ばした。
するとヴィレンビーは飛んできたチャックを助けようとはせず、ハエ叩きのように地面にはたき落としてしまった。
しかもそれが意外と強かったのか、チャックが地面に激突した際に若干跳ねた。
「情けない奴らだ。」
ヴィレンビーはそう言って地面に倒れているチャックを跨ぐとそのまま前に向かって歩き出した。
その方向にはザイルダイトたちがいる。
ヴィレンビーは不気味に笑いながらどんどん近付いていく。
思わずシグとフブキは迫力に押され、少しだけ後ずさってしまった。
以前戦ったザイルダイトだけが迫力に押されていなかった。
「今度は負けねえぞ!」
「・・・なに?」
ヴィレンビーは腕を鳴らしながらザイルダイトに宣言する。
するとそれに対してのザイルダイトの反応はどこか不思議そうであった。
しかしザイルダイトの反応は気にせず、ヴィレンビーは走り出した。
しかし、ヴィレンビーと衝突したのはザイルダイトではなかった。
突撃したのは二体の重装甲冑。
ガイの甲冑と似ていた・・・。
「お待たせー!!」
ザイルダイトたちの後方から声が聞こえたので全員は振り向く。
するとそこに広がっていた光景は凄まじかった。
数十個もの重装甲冑が一斉に空を飛んできたのだった・・・。




