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38.第5話「悪の基地」(3/7)


 審議の結果、ドウジとガイ、ギルダーとフブキのチームとなった。


「待て、なんでコイツとなんだ?」


 ギルダーが不満そうに言う。

 親指でフブキを指していた。


「よく一緒にいたようだったが?」

「俺はコイツのパートナーじゃねえ!」


 ドウジの言葉を否定するようにギルダーは(うった)える。

 しかしフブキは満更でもなさそうで、ギルダーの左腕を抱き寄せる。

 腕より長い袖に隠れた手で。


「イイじゃん、決まりぃ〜。 もう一つの方は任せてぇ!」


 フブキはギルダーの腕を抱きしめながら、ピョンピョンと跳ねた。

 しかしギルダーは不満に思っている。


「俺は認めねえぞ・・・。」


 ギルダーはフブキを引き離そうとする。

 しかしフブキは離されても再びくっついてきた。

 そして再びギルダーは引き離そうとした。


「よし、じゃあボクらは早速入るとするか。」


 ガイは二人のゴタゴタを無視して建物の入り口へ入って行った。


「では、気をつけてくれ。」


 ドウジは二人にそう言うと、彼も入り口の中へ向かって行った。

 そしてガイに追いつき、二人で建物の探索を始めるのだった。




 ドウジとガイは廊下のような場所に出た。

 周りを見るにどうやら宿舎のような場所のようだ。

 遠くの方まで見て数十個の扉が並んでおり、多数の部屋があるようだ。


「近くに階段のようなものは無いね。 どうやらあそこまで行かなければならないようだね。」


 ガイは遠くの方を指す。

 すると、数個先の部屋と部屋の間に階段らしきモノがあった。

 上に上がる方法の一つだろう。


「先に上の階を確認してくれないか?」

「分かった。」


 ドウジの頼みを聞くと、ガイの兜の奥で黄色く光る目が消えた。

 どうやら甲冑から離れたようだ。

 今ドウジの隣にあるのは「ただの甲冑」だ。



 数秒後、ガイは甲冑に戻ってきた。


「二階も誰もいなかった。 しかもどうやら二階が最上階らしい。」


 以上がガイの報告だった。

 するとドウジはほんの一瞬だけ考え込んだ。


「つまり、コチラは『ハズレ』ということか。」

「そうなるね。」


 ドウジたちがいる場所はただの宿舎で、ここにはマルクスという人物はおろか、村人すらいないようだ。

 となると、ギルダーたちが向かった方が「当たり」のようだ。


 ドウジとガイは来た道を戻った。

 すると、入り口を出ると突然声が聞こえてきた。


「あんたたち、誰よ!」


 ドウジとガイは声がした方を見る。

 すると、そこには一人の女性が立っていた。


 赤い服を着て赤いスカートを履いた黒髪の女性だった。


「まさか侵入者!」


 言葉から察するにマルクスやチンピラたちの仲間のようだった。

 するとドウジは瞬時に理解し、すぐに行動に移った。


 ドウジは女性に急接近すると、そのまま強烈なタックルを放った。

 女性は「ぶわぁ!?」という声を出しながら吹っ飛んでいった。


「うわぁーお。」


 ガイはあまりの早技にそう声を()らした。


 ドウジに吹っ飛ばされた女性は遠くの地面の上で倒れていた。

 それを確認するとドウジは女性に近付き、確認する。

 そして確認が終わると彼女を抱えて壁際に寝かせた。


 そんなドウジにガイは近付く。


「しっかし、女性相手でも容赦(ようしゃ)しないんだね。」

「彼女は『敵』だ。 『敵』である以上、戦う運命にある。」


 そうドウジは言う。

 それを聞いてガイは「おぉ・・・。」と感心していた。



 その時だった。


「じゃあ、油断はしないことね。」


 気絶していると思われた女性が喋った。

 次の瞬間、女性はどこからともなくナイフを取り出して、ドウジの胸部目掛けて刺した。

 そして刺したとほぼ同時に斜め下に向かってスライドさせる。

 ドウジは胸部を切られて、切り口から血が出る。


「ドウジ!」


 ガイは今起こったことに驚愕するが、すぐに女性に対して籠手(こて)をロケットパンチの(ごと)く発射させた。

 ガイの小手は女性の頭部目掛けて飛んでいき、女性を再びノックアウトさせた。




 ドウジの胸部からドクドクと血が流れ出ている。


「少し待ってて。 キョウカを連れてくる。」

「いや、俺は大丈夫だ。」


 ガイが村に置いてきた甲冑に移動しようとするが、それをドウジが止めた。


「大丈夫って、胸部をやられたんだよ!?」

「刺されることには慣れている。 それより早くギルダーたちのもとへ・・・。」


 ドウジはすぐにギルダーたちのところへ向かおうとするが、ガイはそんなドウジに向かって籠手を飛ばした。

 籠手はドウジの胸部の傷口に当たる。

 するとドウジは声を上げはしなかったが、ややフラフラした。


「確かにあまりダメージは無さそうだが、万全ではないでしょ。」


 ガイは籠手を鎧にくっつけると、立ち上がってドウジを見上げる。


「また『魔獣』や『巨人』のような強敵が出るかもしれないだろ? せめて出血は止めた方がいいと思う。」


 ガイはドウジを見ながら真面目な口調でそう言い放つ。

 そんなガイを見てドウジはしばらく黙り込んだ。


 やがてドウジは地面に座った。


「分かった、頼む。」


 ドウジは素直にガイにそう頼み込んだ。

 するとガイが「了解!」と言った直後、ガイは甲冑から離れた。

 そしてただの甲冑が残された。



 ドウジは改めて「仲間と共に戦っている」ということを教えられた感じがした。


 すると次の瞬間、ドウジはあることに気付いた。

 先程まで倒れていた女性がいなくなっていた。


 ドウジが気付いた時にはもう遅かった。

 女性はいつの間にかドウジの(そば)におり、ドウジの腹部をナイフで刺していた。


「あんた、動きが速い割に(すき)だらけね。」


 女性はそう言いながらドウジの腹部に刺していたナイフを動かす。

 徐々に切り傷を作り出していく。


「ぐっ!」


 ドウジが女性に掴み掛かろうとするが、その前に女性は瞬時に距離をとる。

 ドウジの腹部にはナイフが刺さったままだった。


「ふふっ。」


 女性は新しいナイフを取り出すと、それをドウジに向かって投げる。

 ドウジは飛んでくるナイフを避けるが、避けたと同時に膝にナイフが突き刺さった。


「!?」


 ドウジは膝にナイフが刺さったことに気付くが、それと同時に今度は右腕にナイフが突き刺さる。

 そしてそれに気付いた瞬間、今度は胸部にナイフが刺さる。

 まさにナイフの雨に当たるかのような感じだった。


 次々にナイフが体に刺さるドウジ。

 体から赤い血液が流れ出てきている。


 しかしドウジはそんな状態でも動いた。

 凄い速さで女性に近付き、女性に殴りかかる。


 すると女性もドウジの攻撃を避けたと同時にナイフを突き刺してきた。

 殴ろうとした右腕にだ。


「これだけ刺さっても動くだなんて・・・。」


 だが女性は若干焦っていた。

 大量のナイフが突き刺さったドウジを見て。



 その時だった。

 ドウジは女性を思いっきり(にら)みつけた。

 「瞳のない白目」と「血まみれの顔」が合わさって凄い迫力だった。


 女性は思わず「ひっ!」と叫ぶ。



 その隙が最大のチャンスだった。

 ドウジは女性の体をを両手で掴んだ。

 そして自身の頭より高い位置に掲げた。


 次の瞬間、ドウジは凄い勢いで上空へ飛んだ。

 しかし上には天井があった。


 ドウジより先に女性が天井に頭をぶつけた。

 そしてドウジも同様に頭をぶつける。

 だがそのまま天井をぶち破り、上にあった部屋の中に侵入した。


 そしてドウジはそのまま女性を上空へ放り投げた。

 女性はさらに上にある天井に思いっきりぶつかる。

 そしてそのまま落下してきた。


 女性は幸い下にあったダンボールの山に落下したことで衝撃を和らげたが、思いっきり二度も頭をぶつけたことで既に気絶していた。


 一方ドウジは女性を投げた後に突き破った天井の穴から先程いた場所に落下した。

 気を失ってはいなかったため着地に成功する。

 しかし身体はナイフによって血まみれだった。




 女性との戦いが終わった後にガイがキョウカを連れてきた。


「ドウジさん・・・!?」


 しかし身体中にナイフが突き刺さり血まみれのドウジの姿は衝撃的すぎた。

 キョウカはショックのあまり気を失ってしまった。


「ちょっとキョウカ! すぐにドウジを治療して欲しいんだって!!」


 ガイは気絶したキョウカは起こそうと必死になっていた。

 ドウジは仕方なく無事な尻を地面につけて、キョウカが目覚めるのを待つのだった。






 その頃、ギルダーとフブキは大変な目に遭っていた。


 とある部屋にて二人は「敵」と戦っていた。

 しかも二人。


 一人目は剣闘士のような格好をした男で、二本の長剣を使う二刀流の剣士だった。

 ギルダーは炎を(まと)わせた剣で応戦するが、相手も中々の実力者らしく、互いに剣を打ち合っていた。


 二人目は野球のユニフォームの上に白衣を羽織った魔術師だった。

 本を読むことによって魔法を発動し、フブキに向かって炎や雷の球体を弾丸のように飛ばしてくる。

 フブキは前と同じく氷でできた甲冑を身に纏って戦っている。

 もちろん背中に氷の翼を生やして宙を飛びながら。



 剣闘士はギルダーと戦っている中、まるで戦いを楽しんでいるかのように笑っていた。

 まさに戦闘狂のようであった。


「やはり戦いは楽しい! もっと我を楽しませてくれ!!」

「・・・。」


 楽しそうな剣闘士に対して、嫌悪感を感じる表情で睨むギルダー。

 互いに本気で戦っているようだった。



 一方フブキと魔術師の戦いも中々のモノであった。


 火の玉と電気の玉を避けながら魔術師に近付こうとするフブキ。

 まるでシューティングゲームのようだった。


 近付いて攻撃をしようとしても、魔術師は軽やかに避けて距離を取ってしまう。

 野球のユニフォームを着ているだけあって結構体力があるようだ。






 そして、村の方でも新たな戦いが始まろうとしていた。


 村に近付く二体の人影。

 どうやら奴らもマルクスたちの仲間のようだ。


 村にいる仲間はイェルコイン、ザイルダイト、二日酔いのシグ。

 あまり戦力が無さそうに感じる三名。


 果たしてどうなってしまうのだろうか・・・?






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