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5.やめてくださいよ

 男子は車で、女子の何人かは迎えが来てくれて、残りの2人(ひな、もゆ)と帰った。


「私がアイドルオタなのってもう当たり前だよね」


〈そりゃそうだよ!

〈そんなこと聞いてきて、どうしたの?


「やっぱアイドルオタなのって変かなと思ってさ」


〈いや、さっきのライブ一緒に行ったアイドル好きな人とか、

〈好きなことをわかってくれる人がいるから大丈夫だよ!


〈分かってくれないってことは、いい人じゃない!


〈そうだよ!別にお菓子が好きとかと、同じようなもんでしょ!


「ありがとね!そうだよね!」


2人は公園に近いので、私はすぐに1人で帰ることになった。1人で帰るのは静かで、いろいろ考えてしまう。あれは、好きという感情なのか、ただ一緒にいる時間が長いからなのか、頭がパンクしそう。だけど、考えることのできる、ある意味いい時間ではある。

 突然車が来て、目の前で止まった、


『あいり!お前やっぱり1人で帰ってたのかよ!乗ってけよ!』


「何でここにいるの!?」


『いや、さっき一人で帰るんじゃないかって聞いてさ』


「優しいんだね本当に」


『だろ、俺は優しいから!ほら、乗って』 


「ほんとにありがとうございます」


『突然だけど、夏だしさ、せっかくだから海行こうぜ』


「うん!行きたい!」


今更になるけど、こんなに2人で出かけてくれるのがうれしい。アイドルオタク同士だったことはほんとに運が良かった。漫画の世界に入ったら私は全キャラに惚れるのは確実だな。


『時間とか大丈夫?』


「大丈夫だよ!今日は特に何もないから」


『分かった。ちょっと、コンビニ行ってからな』


「了解です」


『はいよ(飲み物を買ってきてくれた)』

『お前いつもこれだよな!金を返すなよ!』


「そう!ありがとう!」

「私からしたら、ほんとに優しすぎると思いますよ!」


『俺は、好きなやつには優しんだよ』


!?まただ、勘違いする言葉をすぐに使うんだ。なんて人なんだろう。好きという言葉は私にとっては簡単に使うような言葉ではない。耳打ちは好きな人にしかしないの話を聞いたから余計に心臓がやられてしまう。


「ちょっと私に、好きとかあんまり使わないで!」

「漫画の影響でドキドキしちゃうから」


『いや、まっ、後でいいや』


「なんなの。怖いよ!ほんとに言ってるんだからね!」


『漫画見るとやっぱかっこいいなってなるん?』


「そりゃあね、そうなるよ!現実にはないことだけどね」


『現実にはないなんてことはないだろ』


「あったら、ホントに心臓死んじゃうんだよ」


『それは危険だな、気を付けないとだな』


その後はいつもの話をしながら海へ。


「いやー久々に海に来たよ」


『やっぱり夏といったら海だよな!夏になったら、海で泳ぎたくなるな』


「いや、私は海は見るだけで十分だな」


『海嫌いなんだっけ?』


「海は好きだけど、泳げないし、なんか海だとベタベタになるからさ」


『あー、確かにそうなるけどな』


「だから見るだけでいいかなって感じなんだよ」

「みんなと行って私だけこっちで写真とかとってたいよ」


『お前のそういう、友達を大切にしてる感じが好きなんだよな』


「だから!さっき言ったじゃん!好きという言葉はやめよ」

「今のは「お前らしいな」とかに変えてください」


また簡単に好きって言葉を使う。さっき注意したばっかりなのに。私はこの言葉に対する耐性がほんとにないんだ。


『それなんだけどさ、さっき言おうとしたんだけど』

『俺は好きってすぐ言うわけじゃないからな!』


「今好きって言ったじゃん!今!」


『お前がかわいいから言ってんだよ!』


「ほんとに馬鹿にしすぎでしょ!勘違いしちゃうよ」


『いいよ。そうだから』


「何言ってんの」


『真面目な話するとさ、俺たぶん普通にお前のこと好きなんだよ』

『さっき付き合うことの話とか相談してたじゃん、友達としての好きは確実なんだよ』


こんな真面目な感じで話し始めるとは、思わなかった。突然すぎた。


『それで、プラスで思ったのがな、2人でいるのが楽しい。2人だけでいたい。って思うことがあるんだよ』


「そんなこと思ってくれてたの。ありがとうね」


確かに私も友達としては好きだけど、2人でいるのは楽しいけどそれは友達としての感情だと思っていた。どうなんだろう、やっぱり難しい。まだわからないな。


『返事は今は難しいよな?』


「もうわかるんだね。私にはまだわからないな」

「返事はさ、ちょっと考えたいから次のライブの日でいい?」


『もちろん!それまでは変わらずで!』

『(パンッ)はい!タイムスリップ!海はいいな!』


「よし!私ちょっとコンビニ行ってくる!」


毎回お世話になってるし、一番しゃべってくれたり、お世話になってる。ホントにいい人すぎるんだよな。2人でいるのが楽しいという話は確かに私も思う。他の人と2人になることがないからわからない。


「はい(買ってきたアイスを渡す)!金を返さないでくださいね!」


『同じことやるのかよ(笑)』


「せっかく海に来たし、食べたかったから」

「私は人が食べてるの見たら、食べたくなるからさ」


『確かにそうなるよな、ありがとうな!』


「海でアイスなんてほんとに夏!」


『最高だな!』

『次のライブも時間あったら色々まわろうな!』


「うん!楽しみだね!」

「普通に観光できるような場所近いもんね」


今日は1日いろいろなことを勉強した感じだな。


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