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3.漫画の気分をありがとう

 変わらず、いや、ライブ後ということでテンション上がりまくり、体調的には疲れまくっている状態で食事中はライブの話をしまくりです。ですがもちろん、帰りの車の中はもう完全に疲れて無言でした。


「ありがとね!またライブとかあったら行こうね!」


『おう!よろしくな!』


 このライブ後、地元の集まりもなく、お互いの推しのライブもなく会うことはなかった。テレビやSNSなどに特集されているという連絡をするくらい。やっぱり、運がよかったからあんなにたくさんしゃべて、一緒にライブに行くことができたんだなと感じた。そういうのは普通なんだな、特別じゃないんだな、勘違いしすぎだな私は。漫画の読みすぎだな。現実と完全に違うと考えるようにするようにしないとだ。


 私の推しが先着順で特典付きのCDを販売するということを話していた。けれど販売の日私は用事がありいけないと話していたら、しょうくんが買いに行ってくるということになった。アイドルが好きということを隠しているのに大丈夫かと聞いたら、友達に頼まれたことにするということで、ホントに感謝だ。ほんとにいい人すぎる。

 その日の夕方、届けに来てくれた。ほんとに久々に会う、また緊張だよ。


『はいよ!ちゃんと特典付きだぞ!』


「本当にありがとう!感謝!」


『そいえばさ、これからみんなで集まろうって話だけど行く?』


「いや、私行く必要ないでしょ、」


『今日は全員呼ぼうって話になってるしさ!』


「そうなん?じゃあ行くよ!」


『そのまんま乗ってく?』


「いや、みんなと行くから大丈夫だよ!」


『そうか、分かった!じゃあ、またあとでな!』


その通りで、そのあとすぐグループに連絡がきた。友達と集まって歩いてくことになった。けれど、運が悪く友達は用事があって遅れたり、親に車で送ってもらったりすることになり、私は一人で行くことになった。時間がかかるし、コンビニで飲み物とか買っていこうかなと思い、コンビニに行った。


[あれ?あいり?]


うん?誰だ?振り向くと、まさかのたくやくん。(彼は家は遠いけど、親つながりでの友達で小さい頃から遊んだり、たまに旅行に行ったりしていた。)


「え、どうしてたくやくんここにいるの?」


[いや、友達と遊んでてさ、あの真面目なあいりがこの時間コンビニとかびっくりだわ]


「いや、真面目ではあるからね!」

「中学の友達と公園でこれから集まるんだよ」


[これからなら、せっかくだし送ってこうか?]


「お願いします」


[よし、じゃあいくか]


ホントにやさしい方でありがたい人だ。


「本当にありがとうございます!!」


[じゃあな!]


歩いてたら相当遅くなっていたと思う。運がいいもんだよ。着いたらみんな集まっていた。


「ごめん遅れて!」


〈あれ、さっきちょっと聞こえたけど送ってもらったん?


「そう、友達にちょうど会って、送ってくれたの」


〈おー、あいりに男友達が他にいたとは。もうかわったね


「いや、もゆ。あの人は親戚みたいな人だからね」


 私にもこんな風に「いや、あれは違うから!!」みたいな感じに男子との関係を否定する漫画のようなシーンが起こるなんて思ってなかった。たくやくんには感謝だ。


〈全員そろったし、花火でもしますかね!


夏恒例の花火。やっぱり楽しい。この人たちといることが一番青春なのかもしれない。みんなで花火して写真撮りまくって、SNSにあげたりして。私が見ていて、羨ましいと思うこと。この人達といるときは別人のようになれる。


 そして恒例の、お話会。しょうくんがみんなにこの前2人で話になった付き合う理由についての質問をした。


『今更思うんだけどさ、彼氏、彼女って友達となにが違うのがわかんねぇんだけど』


〈突然の質問だな。お前彼女いたじゃん


『いたけどさ、友達のままでよくねと思ってさ』


〈そういうことを思う時が来たか

〈俺からしたらなんか特別感があるみたいな感じだな


〈私は、親友と同じ感じからかっこいいとか、いい人とか思う

〈それ+でもっと一緒にいたいと思う感じの人かな


〈私もそういう感じ


〈まぁ、まとめると友達の好き+特別な感じだな


『んー。なんとなくわかった感じだな』


〈これからそういう人ができたらわかるよ!


私は一言も回答できるわけなく、ただただみんなの話を聞いていたけど。しょうくんと同じく、なんとなくしか分からない。そういうことか!とはならない。いつ特別な感じがわかる日が来るのだろう、永遠に来ない気がしてしまう。


〈そういえばこの中でいたことないのあいりだけだよな?


「あっ、はい。そうですよ」


〈頑張っていい奴探せよ!


「今の感じ、ちょっと馬鹿にしてるでしょ!」


〈やっべ、バレてたか!


もうこのように私の事いじるのが恒例だよ。実はいるんだよね!と、いつか言ってみたい。なんて言いつつ先ほどのとおり、言えないですね。


〈てか、おまえさっき送ってきてくれた男子とはどうなん?


突然聞いてきた。何人かはバレーをしに行った。


「たくやはさっき言ったけど親戚みたいな人だから」


〈えー、聞きたいよー!なんかないの?


「親つながりでの知り合いで、小さい頃から遊んでた人だよ」

「マジでなんもない」


〈ホントですかー?


「いや、会う時は10人以上で集まってるからほとんど話さないよ」

「遊園地でたまに2人でいる時に話すぐらいだよ」


〈いや!2人だけの時あるんじゃん!

〈そういう時何話すの?


「普通に学校の話とかその日の話とかだな」


〈いや、お前普通に仲いいじゃん


〈私たちに男子と話せないって相談してたのに!


「ほんとに親戚みたいな人なの!!」


〈好きかなと思ったら教えてね!


「はいはい。わかったよ」


そのまま、みんなでバレーボールに行った。私は話疲れたのでそのまま待機。

 いや、まさかのこのノリになるとは、「いや、彼氏じゃないから!」っていう漫画のシーン。たくやはよく話す男子ではあるけど、話しても友達というより親戚のように思う。普通に会ってもなんとも思わないから恋になることはない。ドキドキするような相手だったら漫画のようでうれしいんだけどね。


『いや、マジで疲れるよ。あいつらいつまでやれるんだよ』


しょうくんが疲れたようで、戻ってきた。


『そういえばさっき、この前の話質問できたけど難しいな』


「そうだね、あれは私にも難しい話だったよ」


『わかる話になるのを待つしかないよな』

『できたら報告しろよ!』


「報告するよ!」


〈今からピザ買い行くけどけど何がいい?


おなかがすいたということでこれから食べることにしたようだった。相変わらず皆さん元気なようで突然ピザ。ピザなんて久々だ。

男子が取りに行ってくれるということで今度は女子会が始まった。



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