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タロット!  作者: 彼岸花
6/8

5皇帝

死神とアントンはどんどん進んでいく。

行く宛はないが、とにかく進んでいけば、出会えるかもしれない。あの人に。アントンだって、何故旅をしているかは謎だが、何が目的があるはずだ。

死神とアントンは山の上にいた。

石の台座に老人が座っている。

「主らはわしに何か用かね?」

「おれは人を探しています。この世界のどこかにいるはずなんです。ただ、おれの名前も、あの人の名前も思い出せないんです」

「ふぅむ。それは困った案件だなあ。どれ、これで見てみるか。」

老人は金の宝珠を死神の目の前に掲げ、じっくり見つめる。

「ほう。ほう。なるほど」

「何か、見えるんですか?」

「それは。言えないな。お主は自分で見つけなければならない。ただ言えるのは、お主はここに来る前、本当に愛した人がいて、その人と一緒にここに来てしまったということだ」

「それは、分かるんです。分かるんですが、どこにいるか知りたいんですよ!」

「意外な場所にいるとだけ言っておこう。」

「ねーねー、おじいちゃん」

アントンは地面に例のバッグを下げたワンドで落書きしている

地面には老人が写実的に描かれている。

コイツにこんな才能があったとは。

「おじいちゃんをかいてみたよ」

老人は台座から下り、落書きをしげしげと眺める。

「ほうほう。よく描けている。褒めて遣わす」

「お前は楽しそうでいいな」

「えへへ。褒められたぁ」

「少し待っていなさい。褒美をやらねば。おーい!」

すぐに召使いがやってきた。

「はい。なんでしょうか、陛下」

「この者たちを法皇のところに連れて行け。きっとあの方なら答えがわかるであろう」

「はっ!仰せのままに」

「いってきまーす!」

「おい、どういうことだ?なんだ?」

風が吹き、土がならされ老人の落書きは消えてしまった。

「わしの地位もこうやって消えてなくなってしまったのだよ。人間だった頃は」


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