始まり
「 ハナ 、起きなさい 」
「 んんんんんん 」
「 ハナ 」
「・・・・・・・」
「 パパは無視なんだね? うん 。知ってるよ 。思春期だもんね 」
「 あなた 、傷つくのは後にして ハナを早く連れてきて 」
母の声と共に 、影属性の父は私の影を掴み 、父の座る隣のイスに私を座らせる 。
「 ・・・・ 」
と 、私を汚物を見るような目で見てくるのは 私の実の兄 、リン 。
兄が私を嫌うのは 当然のことである 。
なんせ 、私は無能力者 。
生まれてすぐ人は能力の石に触れ 、自分の能力を知る 。
例えば 、兄は父と同じく影属性も持っていて 、触れたら 石の影が伸びて形を変えたんだと 。
母は花属性で 、石に花が咲いたんだと 。
私のはと言うと 、何も起きなかった 。
どんなに石を変えてもそう 。
生まれたての赤子だと 能力がまだ現れていないことも よくあるらしくて 、母や父は私が物心つくまで 何度も試みたらしいが 、どれだけ触っても影は動かなかったし 、花も咲かなかった 。
それだけじゃくて 、実際に力いっぱいリンゴを握ったり 、台風の日に風邪を止めようとしたり 、川に入ったり 、火に触れてみたり 、思い当たることはいろいろやった 。
でも 何一つ 掴めなかった 。
次第に近所では噂になり 、幼い私は町の長老が親に私を捨てろと言ってる所を聞いたことがある 。
しかし私の母と父は 、神様のような心の持ち主で 、驚くほど優しく 、こんな私も兄と変わらず愛してくれている 。
もし 、違う家庭に生まれていたら 、虐待の末命を落とすか 、捨てられて孤児になっていただろう 。
無能力の私を可愛がる両親は変わり者と言われ 、父方の祖母は疎遠になった 。
兄も兄で 私のせいで嫌な思いを沢山してきたのだ 。
だけど兄は 私と違い とても優秀だ 。
兄は とても頭が良く 、父方の母 、疎遠になった祖母の知の属性も受け継いでいる 。その為 、能力の石も黄色く色を変えただとか 、兄が私の能力を奪ったとか 言われてるらしい 。
兄は二つの能力を受け継いだ者として 優秀な一般人枠で王都の全寮制の国立魔法学校に通っている 。
何かしら優秀な者か 、魔法使いしか通っていない王都の学校は 、貴族や王族も通うらしく 、特に今年は入学希望者で溢れかえっているらしい 。
もちろん 、私の手の届くところじゃ無い 。
実は 私も今年から学校へ通う年だ 。
最初 、両親は周りからのイジメを心配していていたんだけど 、義務教育なため 渋々 入学手続きをしていたら 、なんと学校からの受け入れ拒否をされてしまった 。
幸い 、私達の町は広く 4つの学科がある 。が 、見事全てに断れた 。義務教育なのにだ 。
他地域への入学は 、兄の通う 国立魔法学校 以外は このンハビン王国では許されてなく 、ブチ切れた母が国宛てに送った手紙により 私の異例の入学が決まった 。
だがしかし返事には 、無属性だから仕方なくではなく 優秀だから入学させるのだと 、威のような手紙が届き 、私は春休みで帰省していた兄から 、必死に勉強を教わったのだ 。
「 お前 、マジでオレの妹だとか言うなよ 」
父にも母にも聞こえない声で 兄が言った 。
私はやっとこさ 開いた目で 兄を見る 。
それすら彼の怒りに触れたのか 瞬時に 目をそらされた 。
兄は一年生の頃 、家を出る前に私を貶し 、怒った母の説教のせいで学校に何度か遅れたせいか 、母達の前で文句を言うことは減った 。
元々 、兄の私への態度が気に入らなかったらしい両親は 笑って その話を私に聞かせてくれたんだけど 。
そもそも 、兄が通う高等部は 私の通う中等部とは別の建物 。なんなら大きすぎて 隣町のようなんだと噂できた 。だから 、大丈夫だろう 。