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012 決着と次の階層で…

ゴーレムの出現時間について変更をしました


10分置きは早すぎだな…

「さて、水魔法は使うべきでないということはわかったが、他の属性はどうなのか確認をしていかないとな」


 知織は改めて状況の確認をした。


 周囲に仕掛けた植物魔法の罠は既に黒雲のゴーレム(氷)の手によって凍らされて意味をなさなくなっている。また、荒らした地面に足を取られることはなく、障害物として突き刺してあった土の棘は凍らされて敵の武器にされている。唯一残っている罠は紫魔導による蜘蛛の巣状に張り巡らされた痺れ罠くらいだった。



(さて、痺れ罠が効くかどうかに寄るかもしれないが、とりあえず動きを止めないといけないな)



 知織は黒雲のゴーレム(氷)の攻撃を躱しながら攻撃のパターンを覚えて少しずつだが罠へと誘導をした。



 そして、移動を繰り返した結果、1体は罠に嵌めることができた。


「よし」


 知織は1体の無力化ができたので、もう1体に集中することにした。


「まずは緑魔導からだ!」



 知織はそう言うと風の弾を作り出して散弾銃のように風の弾丸を飛ばした。


「風烈弾!」



 散弾銃のように飛ばされた風の弾丸はキンキンッという甲高い音と共に弾かれて、ゴーレムは意に介していなかった。


「風は効かないか」


 知織は次の属性魔法を試すことにした。


「黄魔導・岩石砲!」



 知織は拳よりも2回りほど大きい岩の砲弾を作り出して射出した。すると、黒雲のゴーレム(氷)は初めて防御の姿勢を取ったが、ガンッ!というような音を響かせてゴーレムの腹に風穴を開けた。



「なるほど、土魔法であれば有効なのか」


 知織はただ黄魔導を使うだけではなく、付与魔法で打撃属性も付与していた。そのため、黒雲のゴーレム(氷)は防御しきることはできずその体を貫通させられたのだ。



「それにしてもこいつは言葉を発さないんだな…」



 知織は1体を倒せたことで気が抜けてそんな感想を漏らした。また、氷属性のこのゴーレムには土魔法・黄魔導が有効であることが確認できたので残りの1体もそこまで労せず倒しきることができ天候が回復した。



「はぁ…、まさか事前の対策全てが裏目に出るとは思わなかったな」


「そうでござるな…」


「そうなのです…。でも、これで2種類のゴーレムについては情報を得ることができたのです」


「確かにそうだが、ここまで苦戦を強いられるとなると次の階層でもまた別な雲のゴーレムが現れるかもしれないし警戒を怠らないようにしないとな」


知織はそう締めくくると2人にはしばらく休むと言って寝袋の中に入った。



 残されたクリスティアとメグミもここまで知織に戦闘を任せてしまうことが多かったことは理解をしており、静かに彼を休ませてあげ自分たちにできることは何であるかを話し合った。





「…おはよう。すまないな、さすがに疲労が溜まっていたんだ」


「おはようなのです。私たちも黒雲のゴーレムに対処できるといいのですが、想定以上に足を引っ張っているので何とかしないといけないと話し合っていたのです」


「拙者たちはシオリ殿ほど動けず、魔法も使うことができていないのでござる。それなら拙者たちはどう立ち回るのがいいのか、と話し合っていたのでござる」


「なるほどな」



 知織は起きたばかりで頭はそこまで回っていなかったので、それ以上は言及しなかったが、彼女たちが悩み考え抜いた答えを示してくれるのであれば彼は自分が気にすることではないだろうと思い、次以降の階層について考えていた。



 そして、2人には少しでも休むように伝えて交代するように彼女たちは眠りについた。そして、その間に知織は自分の魔導の手札について改めて確認をした。


 そして、中途半端な開発中の重力魔法もここで試していけばおそらく完成させることができるだろうと考えながら雷と氷の黒雲のゴーレムへの対処法についてどうすべきか思考を巡らせた。




クリスとメグミが起きてからは直ぐに次の階層に向かうのではなく、知織の考えていた案と彼女たちの思い付く範囲で対策を話し合った。



 その結論として、一先ず天候に気を付けるということが結論として出された。雷になるのか氷になるのかは天候に左右されるというのが現状での結論だった。


今は情報が2パターンしかないのでもしかしたら次の階層ではまた異なるパターンの進化を遂げた雲のゴーレムが現れる可能性もあるのでそこは臨機応変に対応するしかないというのも出た案だった。



 そして、天候が今までと同じパターンであれば雷には同じ罠を用意し、氷には電気の罠を用意するのと知織の付与魔法で熱を付与するというのが出た対応だった。


 ちなみに、知織が2人に付与した魔法だったが、メグミには付与の力が強すぎたので熱くなりすぎ、また、持続しすぎたせいで彼女は黙ったままだったが火傷を負ってしまっていた。逆にクリスティアは付与が弱く、持続時間が短くギリギリ間に合ったが戦闘が終わってすぐに効果が切れてしまったようだ。


 メグミの火傷は知織が知るとすぐに治癒をさせたが、初めての付与ということでイメージが不明確で勢いに任せすぎたところがあるのでそのあたりの調整を意識してかけるしかなかった。




「よし、次に進むが準備はいいか?」


「大丈夫なのです」


「拙者も大丈夫でござる」



 準備を整えた3人は28階層へと進出した。



 28階層に進むと、そこは悪天候ではなく雲も全くない真夏日のような快晴だった。


「今度は暑いのですね」



 クリスティアは寒暖差の激しい環境の変化に辟易としていた。



「そうだな。だが、冷却の付与は試したことがないから各自で体温調節はしてくれ」


「了解でござる」




 3人はまた今までとは違う環境であるため、現れる雲のゴーレムの進化先は異なることを予測して今度はどのような変化を遂げるのか推測しながら探索を進めた。



「シオリ殿」


「どうした?」


「次の雲のゴーレムはどうなりそうだという予測はあるのでござるか?」


「そうだな…」



 知織は今までのパターンからの推測を彼女たちに告げた。



「考えられるのは、この天候だから2つだな。1つは火属性のゴーレム、これが最有力候補だ。だが、雲のゴーレムたちが水や風の属性を使ってきていることから対属性の火に進化をするのかはわからない。次に考えられるのは風に特化する、というものだ。全くの無風のこの環境だからこそ、急に吹く強風は危険だからな」


「なるほど…」


「他にも何か考えられるのです?」


「ふむ…、あとは土属性も持ってくるとか、想定外の属性を持ってくるというものが考えられるな」


「なるほど…。それなら罠の方はどうするのです?」



 クリスティアの質問に知織は少し考えてからとりあえずという考えを伝えた。


「一先ず適当に植物と電気の罠を仕掛けおく。クリスも適当に種だけ撒いておいてくれ」



 知織の案にクリスも了承して種を蒔いて植物魔法の準備を始めた。また、知織も周囲に電気や植物の種を蒔き広範囲に仕掛けを施して雲のゴーレムの出現を待った。



 そして、27階層に進出して30分が経ち雲のゴーレムが出現した。今回は出現するのに天候が急変ということはなかったが、急に風が吹き始めた。


「お出ましのようだな」


 知織は推測をした中でもおそらく風系統が強化されたゴーレムになるという推測を立てて、それを2人に告げて早々に水魔法を雲のゴーレムにかけた。



 そして、白い雲のゴーレムは土黄色の雲のゴーレムへと進化を遂げた。


「これは純粋な風の強化ではないな…」


 知織がそう呟くと、土黄色の雲のゴーレムは両手を上げたかと思うと知織たちの足元の土の上に風と共に運ばれてきた砂が積もりまた、周囲が砂の竜巻で囲まれ戦場が一変してしまった。


さらに今までと異なり3体の土黄色の雲のゴーレムが纏まり1体の巨大な土黄色の雲のゴーレムが現れた。


「巨大化をしたのか…」


「大きいのです…」


「どう対処をすべきか…」



 3人は風の竜巻で囲まれてしまい戦線から離脱することもできない状況にあり、また、仕掛けた罠も砂に埋もれてしまい使えなくなったので、様子を見ることもできなさそうなので高火力で一気に押し切ろうとそれぞれの魔法や武器を構えて、土黄色のゴーレムに攻撃を仕掛けた。


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