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呪われしこの身体

 目を覚ます。元の世界にいたときよりも早く起きた気がする。

しかし、気分は良くない。石畳の上に寝たので、全身の関節が痛い。布団の偉大さが身に染みて分かった。

それに、僕は昨日からずっと何も食べていない。何か食べなければ……


 今日は、ギルドに身分証明ギルドカードを作りに行く。

これからの予定としては、ギルドカードを作ったらまずは地道にクエストをこなしてお金を貯めようと思う。お金が無いと生きていけない。

それと、魔法も使えるようになりたい。今のところ水魔法しか使えないけど、魔物を倒す手段は少しでも多い方が良いだろう。


 路地裏から出て、ギルドの建物に入る。

建物の中は昨日よりも混みあっていた。窓口はどこも並んでいる。

 ギルドカードの発行は恐らく時間がかかる。この状況でそんなことをするほど僕は空気読めないマンではないので、僕は人が少なくなるまで待つことにした。


 部屋の隅っこで待っていると、声をかけられた。


「あの、昨日の方……ですよね?」


15、6歳ぐらいの、茶髪の少女。

なぜ話しかけられたのか分からなくて軽くテンパる。


「昨日の夜、ギルド登録しようとしてた人、ですよね?」

「あっ、はい」

「えっと、私、メリーって言います。つい最近冒険者になったんですけど、その、一人だと色々大変で……」


 なんだか胸のあたりが痛くなってきた。



「だから、その……私とパーティを組んでもらえませんか?」



「ウッ」


 僕は床に倒れこんだ。胸に激しい痛み。『呪い』が発動したのだと分かった。


「ひゃっ、だ、大丈夫ですか!?」


急に話していた相手が倒れ、メリーは驚いて立ちすくむ。


脈打つたびに心臓が痛い。頭痛もする。


「ぐっ……、はな、れて、ください、はぁっ」


周りの人々が僕から離れる。

やがて、ギルド職員のお兄さんがやってきた。


「大丈夫ですか? 回復魔法かけます!」


 職員のお兄さんの手から白い光が出て、僕を包み込んだ。


しかし症状は良くならない。むしろ悪化した。

胸が耐え切れないほど痛い。僕が咳き込むと、口からは血が出た。


「ゲボッ、なにも、しないで、ください……」


 職員のお兄さんが何か言いかけたが、自分が回復魔法をかけて悪化したことが分かっていたからなのか、何も言わなかった。


 しばらくの静寂。


なんとか呼吸を整えて、心を落ち着かせる。だんだんと痛みが引いていった。


「もう、大丈夫です。ありがとうございます」


 僕は周りを見渡したが、僕を取り囲んでいた人達はいつの間にかいなくなっていた。

前を見ると、職員のお兄さんとメリーが心配そうに僕を見つめていた。


「ほ、本当に大丈夫ですか?」

「はい、時々、こうやって、発作が起きることがあって……」


『呪い』というと面倒くさい事になりそうなので、適当に誤魔化す。


「その、感染うつったりはしないんですけど、このせいで身体も弱くて、だから、今のところ、パーティとかは、すみません、お断りさせていただきます」


 この世界の人達は普通に剣を持ったりしているが、実際剣はなかなか重い。ずっとゲームばっかりやっていた僕が持てるとは思えない。だから、パーティに入れたところで足をひっぱるだけだ。


「そうですか……」


 メリーが少し悲しそうに言った。僕もなんだか申し訳ない気持ちになる。


 その後、職員のお兄さんが何か言いたそうに僕を見ていたので、僕はようやくギルドカードを作る事にした。

次話でようやくギルドカード作ります。

物語の展開が遅いのは自覚してます。テンポよく書けるようになりたいです。

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