表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/31

ギルド

 もうすでに日は暮れ、空は暗くなりかけていた。

ギルドに入るとご都合主義が起こるような気がして、僕はずっとギルドの周りをうろうろしていた。しかし、かなり足も疲れたし、また見回りの兵士に声をかけられるのも嫌だ。

僕は覚悟を決めて、ギルドの扉を押した。


 扉を開けると、扉についていた鈴がカランコロンと鳴った。

ギルドの床や柱の木材は年季が入っていて、何というか、古い図書館みたいな雰囲気だった。

建物の中にはそこそこ人がいて、それぞれ何か話し合ったりしている。

二階から酔っ払った冒険者が降りてくる。どうやら上の階に酒場があるらしい。


 正面には窓口が三つあって、真ん中が「クエスト受注」、右が「報酬受け渡し」、そして左が「その他受付」と書いてある。多分、ギルドカードの作成は左の窓口だろう。


 左の窓口のギルド職員は若い男の人だったので少し安心した。女性の職員だったらまともに話せる気がしない。

 僕は「その他受付」の職員に話しかけた。


「あのーすみません」

「はい、何でしょうか?」

「そのー、ギルドカードを作りに来たんですが……」


頑張れ自分。頑張れ自分。


「カードの再発行は手数料250ゴールドかかりますがよろしいでしょうか」

「えっ」


 外はもう暗い。こんな時間にギルドカードを作りに来たので、紛失したと思われたようだ。


「あっ、えっと、再発行じゃないです。これが初めてデス」

「……大変失礼いたしました。初回発行は無料になります」


 ギルドカードをなくしたら、再発行にはお金が必要なようだ。

僕はこの世界のお金を持っていないので、どこかで落としたりしたら僕はもう本当に生きていけない。

 それにしても、ずっと歩いていたので足が疲れてやばい。

今日一日がすごく長く感じられる。そろそろ寝たい。


「それでは、今用紙を持ってきますので、少々お待ちください」


 職員のお兄さんが、奥の部屋に用紙を取りに行く。

その時、職員のお兄さんがあくびを噛み殺したのが見えた。


「えっと、職員さん」


僕は職員のお兄さんを呼び止める。


「はい、どうかされました?」


「……その、明日にしてもいいですか? ギルドの登録」


「あっはい。大丈夫です」


 新規登録だから恐らく時間がかかるだろう。こういうのは日を改めてやった方が良いかもしれない。


「それじゃあ明日登録します」

「わかりました。それではまた明日こちらにいらして下さい」


ギルドの登録は明日やることにした。今日はもう寝よう。


と思ったが、ギルドを出たところで、泊まる場所が無い事に今さら気づいた。

お金が無いので宿には泊まれない。だからといって、路地裏で寝るのも嫌だ。


 辺りを見回すと、ギルドの建物の隣に馬小屋があった。

馬小屋の入り口には「ご自由にご利用下さい」と書かれた札がある。


 今日はここで寝よう。と思ったがやめた。だってこれご都合主義じゃん。

馬小屋を利用するのにお金は必要ないらしいが、ちょっと都合がよすぎる。ここで寝ると死ぬ可能性があるな。


 僕は諦めてギルドの建物の裏にまわり、そこで寝ることにした。


お金の単位とか価値は今のところ適当です。あとで変えるかも。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] >呪い「ご都合主義な展開をしたら死ぬ」 なんという地獄のような縛りプレイ! こんな縛りあったら、なろう作品の大半が成り立たない! というか馬小屋で寝ることも許されないのか!! この縛りプ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ