2戦目開始
2戦目
叢雨 悠 VS 牙炎 響鬼
2戦目開始の鐘が鳴った。
………真っ赤な髪に鋭い目つき。
見るからに強そうだ。
……さて、どうする?
こいつはどんな能力を……
…………!?!?
「吹き飛べ、死ねぇぇぇえ」
「っ!?」
牙炎は俺の方に拳を象った炎を放ってきた。
「うぉ!?危ねぇ…!」
「おらおらおらおら!ぶっ飛べよ!爆炎」
彼の手から出た炎は派手に辺りを燃やした。
「っっ!!すげぇ勢い…!」
「まだまだァ!!!熱炎!!!」
あいつの能力は炎を、扱うのか……。あの炎厄介だ…。
ただ燃えるだけじゃなく、爆発もする…。
「クソ野郎…!!ちょこまか逃げてんじゃねぇよ!!」
俺はこいつの炎を避けつつ直接攻撃を警戒した。
「てめぇの、能力はなんだよ…?早く使えやぁ!」
派手な爆発音と共に牙炎の攻撃は止まらない。
今の俺には反撃する余裕は無さそうだ…。正直なところ俺の能力は使いずらい。
身体能力限界突破
これが俺の能力だ。指や腕、足など部分的に、持っている身体能力の限界を超えたパワーを引き出すことの出来る能力。ただ、この能力は調節が必要で、引き出すパワーを上げれば上げるほど自分の身体に負荷がかかる。
……上手く調節しないと。
「黙り込んでんじゃねぇ!この陰キャ野郎が!!」
「炎手榴弾!!!」
まずは右の拳に力を入れて……!!
最初は控えめに………うまく調節……!
「ぁぁぁあ!!死ねぇえぇ!!」
燃焼と爆発を続ける彼の凄まじい攻撃はまともに喰らったら1発でK.O.だ……。
どうする…。もう少し威力を上げるか…?
…いやダメだ。こいつに勝つには全力で撃たないと…。
倒せない……!!!!!!!
「全力強化拳!!!!!!」
2人の攻撃は衝突し、辺りに相当の衝撃を与えた。
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激しい爆発音と共にステージは崩壊し周りの建物も半壊した。
「はぁはぁ……クソが…なんて威力だよ……。」
「…はぁはぁ……っ痛!」
……ぁぁ。やっぱり。やり過ぎた身体強化に俺の右手は耐え切れず既に使えないくらいボロボロに壊れていた。
牙炎はまだ立っている。この後どうする……。
「…?」
バタンッ。
「…………………。」
俺が次の手を考えていると牙炎は静かに倒れた。
試験官から試験終了の合図を貰い、俺は壊れたステージから降りた。そして試験終了者専用の控え室へと向かった。
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控え室にさっさと戻ろう…。てか眠い……。
「ちょっと君。右手を見せな!」
「???」
誰だ?このおっさん…医者?
俺はよく分からないおっさんに呼び止められた。
「私はこの学校の医師の平田だ。試験中無理をし過ぎだ…。もっと自分の体を大事にしろ。」
「…そうですね。気をつけます。」
「……!?」
医者の平田は俺の右手を見て驚愕した。
「既に修復を始めている……だと?」
「あぁ、昔から傷とかそういうの治るの早いんですよ。多分これも半日もかからず治るんじゃないですかね?」
「……そんな馬鹿な…。」
「んじゃ。わざわざありがとうございました。」
そう言って俺は控え室へ向かった。
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「間違いありません。彼は何らかの特殊能力を持っています。」
「……本当かい?平田くん?では、しばらくその子を見てみようか。わざわざ報告ご苦労。」
「はい。では、私はこれで失礼します」
……ガチャ
「………叢雨 悠。なかなか面白い…。良い能力を持っているじゃないか……。」