彼女の能力
受付を済ました俺は二次試験場である、広すぎる校庭へと出た。そこには数百名の生徒が集まっていた。
………うわぁ。人多いなぁぁ。
これから俺達が行う二次試験、別名能力適合試験。
AからGクラスまでに振り分けられる試験のようだ。
2人1組でバトルを行い、その勝負の中で判定されるようだ。簡単な話、負けたとしても内容がよければクラスは上になったり、逆もまた然り。勝った場合でも両者クラスが同じなんてことも有り得るらしい。
俺の受験番号は87で対戦相手は98番の人らしい。2戦目と書いてあるのでどうやら順番は早い方なのだろう。
また会場はいくつかのブースにわかれていて、俺はBブースのようだ。
相手がわかっていないから対策のしようがないな……。
そんなこんなでBブースにたどり着いた俺は
控えの席に座った。
しばらくすると闘技場のようなステージの上に2人の生徒が入場し、上にある大きなモニターには
1戦目
神崎 由良 VS 近江 追斗
と表示された。
……………ん?あいつ………。さっきの女の子だ……。俺を邪魔者扱いした。………由良?
なんてことを考えていると開始の鐘が鳴った。
「先手は貰ったぁぁぁ!!」
そう言うとデカい体の近江は神崎に向かって一直線に飛び出した。
「ダブルショット!」
神崎に向かって放った1発のパンチは2回の衝撃を彼女に与えた。
「っ!」
その攻撃で体制を崩した彼女にもう一度近江は攻撃をしようとする。
「これで終わりだぁぁ!!!!」
「……えぇ。終わりにしましょう。」
近江が拳を振りかざした時既に神崎はいなかった。
いや、一瞬で移動した。近江の真後ろに。
「…空間移動」
「え!?!?」
「魔法陣武装…。リフレクションシュート!」
そうして、魔法陣のようなものを足に武装した神崎はそのまま彼を蹴り飛ばし1発K.O.した。
……あの能力ものすごく強い。恐らく彼女はトップクラスの実力を持っているのだろう。
そんな事を思いながら俺は試験官の合図の元ステージへの上へ上がったのであった。