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響前のスパーク  作者: 石黒 宗孝
第1章 薊高校という地獄
2/5

1年2組 ST

ここはA県O市にある私立薊高校。県内偏差値トップを誇る、自他ともに認める進学校だ。ここ迄なら普通の高校だろうが、決定的に違うことが2つある。


1つは0組という一芸推薦入試による入学方法が存在していることだ。


一芸推薦入試とは、ある分野において非常に優れている人材を毎年3人採用するというもの。各々自分の一芸を磨くためにある程度の自由行動が許されている。


そして...今俺の隣にいる郭も...


「隼人、お腹すいた。何か頂戴。」


「嫌に決まってるだろ。購買でなんか買って来い。」


...0組の一員...のはずだ。


ちなみに彼女の一芸は『知能』。聞いた話だとかの天才ノイマンを上回るIQを保持しているという話だが...


「欲しいよぉ...頂戴頂戴!!」


...全然そのようには見えない。全く困ったものだ。


「郭ちゃんお腹すいたの?よかったらこれいる?」


「薫ちゃんいいの!?ありがとう!」


浅黄(あさぎ) 薫が郭にチョコを渡したようだ。

これで静かになってくれたらいいんだがな。


「すまんな浅黄。チョコ代払うよ。」


「いいって別に。私が厚意であげたものだからね。その代わりと言っちゃあなんだけど...ね、古文の予習見せて?」


...なるほどな。郭を出汁に使うなんてふざけたことしやがる。逆らえねぇじゃねぇか。


「しょうがねぇなぁ...あ、もうST始まるからまた後でな。」


「うん!さっすが隼人くんは頼りになるなぁ〜」


そう言いながら浅黄は自席へ戻っていった。浅黄は昔から理数系科目が得意かつ大好きで、そういう科目には積極的に取り組むが、文系科目にはまるで興味が無い奴だ。まぁ、それなりに点は取れるし、実際今回の実力テストで俺は浅黄に負けた。

...いやはや、一体どういう頭をしていらっしゃるのやら。


「それでは本日のSTを始める。」


そしてSTが始まり、ついさっきまで騒いでいたクラスメイトが静まって、翡翠(ひすい)先生の話に耳を傾ける。いつも通りの朝礼かと思ったが、今日は違った。


「今から前の実テの結果による第1回クラス再編成を行う。こら、騒ぐんじゃない、静かに聞いていなさい。」


そう、これがもう1つの違い。年5回の実力テストの結果でクラスが編成し直されることだ。まさしく実力至上主義と呼ぶに相応しい。まぁ、最初の1回では何かが大きく動くことなんてないだろう。今回のテストをしくじったなんて話は誰からも聞いてないし。そんな風に、適当に翡翠先生の声に耳を傾けていた。


でも。


そんな俺の予想は、


易々と裏切られた。


「浅黄 薫。4組に降格。以後、また勉学に励み、2組へ戻ってこれる事を期待する。以上。」


「「...えっ?」」


浅黄1人だけ降格処分になった。


「それじゃ、本日のSTは終わり」


そして始まる


「え?え?待ってよ、なんで私が...?」


俺達と学校の


(...なーんで薫ちゃんなのかな?)


長きに渡る戦いが。

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