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田舎からおばあちゃんがやってきた!

しょ〜じょ〜さ〜く〜笑


ってことで、初の試みでございます。


ゆるく!


温かな!


目で!


続↓

「へ? おばあちゃん来るの? いつ?」


「明日よ。だから、あなた···」


「早く帰ってくるよ。バイトもないし。父さんは?」


 テスト明けで、バイトもなく久しぶりに母さんの料理を温かな内に食べる事が出来た。


「残業よ、残業。もう家のローンだってお義母さんのお陰で終わったって言うのに···」


 そんな事を愚痴りながらも、母さんは母さんで働きすぎる父さんを心配してるのはわかる。


「いつか、みんなで温泉に行けるように俺もバイト頑張るから···」


「いいわよぉ。そんな無理しなくても。あなたは、大学いって、ちゃんと勉強してくれれば」


(まぁ、確かに親としてそうだろうけど···。おばあちゃん、明日来るのか)


「夕方には戻るよ。ご馳走さま」


 食べ終えた食器を流しの水桶に浸けるのも、昔からの習慣。


 肌の弱い母さんは、夏でも指先がひび割れる。


 自室へと戻ると、軽く音楽を流しながら机に向かった。


『悟、わしアレに乗りたい』


 テレビで巨大テーマパークが、一昨年の春にOPENしたCMを見た祖母のミツは、目を子供の様に輝かして、ソファの上で寝転んでる悟に言ってきた。


 その時の悟は、まだ大学受験真っ盛りでバイトなど出来る状況ではなく、


『大学入って、バイトしたら連れてってやるよ』


 その場しのぎではなく、さんのは本当にそう思って、大学に合格した次の日にバイトの面接を入れ即決採用された。


 最初のバイト代は、大学で必要な資料を買うのに消えたが、それでも毎月毎月コツコツとやりくりしながら、やっとそのテーマパーク内にあるホテルに泊まれ遊ぶ分まで貯める事が出来た。


 これも母親やミツの節約術が、活かされてのこと。



 ミツが、渡辺家にやってきたのは昼だった。


「いやぁ、丁度キャンキャンが出てな···。あ、これ義和に食べさせてやってくれ、幸子さん」


「はいはい。今年も沢山採れたんですねぇ」


 母·和枝は、嬉しそうに新聞紙に包まれた(わらび)(ぜんまい)を胸に抱え、キッチンへと戻っていった。


「あぁ、キャンセルね。でも、大丈夫だった? 新幹線でも、3時間はかかるだろ?」


 午後の16時には、こっちに着くと今朝電話があったから、その時間に間に合うように大学を出たのに、悟が帰宅した時には、リビングから和枝とミツの賑やかな話し声が聞こえて、悟は胸が高鳴った。


「そうじゃ、そのキャンキャン。お陰で、こうして早くに着いた。で、義和は?」


「相変わらず仕事人間だよ」


 キッチンから戻った和枝が、新しくお茶を淹れ直して、女ふたりと男ひとりで義和の話に花を咲かせた。


「でも、お義母さーん」


「駄目じゃ」


 和枝は、困った顔で悟を見やる。


「お墓って今は移せ···」


「嫌なんじゃ。あっちを離れるのは···」


(母さんや父さんが、何度も同居しようと言ってるのに、おばあちゃんは首を縦に振らない)


「ずっと住んでたからね。父さんも母さんも···」


 おばあちゃんが、生まれた南川群細部町は、父さんや母さんが生まれ育った町でもある。二人は、高校時代からの付き合いで、就職先を同じにして上京し、ここ神田原市にずっと住んでいる。


 だから、ここが俺の故郷になる?!


「ゲンさんも同じ思いだ」


 ゲンさんは、おばあちゃんの旦那さんで、俺のおじいちゃん。俺が、中学の時に、脳梗塞でこの世を去った。



「で、どうじゃ? 悟、大学の勉強は···」


 ミツさんは、しわくちゃな顔を更にしわくちゃにして悟の方を見た。


「相変わらずですよ。も、お義母さんからも言ってくださいよ」


 怒ったような、笑ったような声で和枝が、間に入るも、玄関から父さんの声が聞こえると嬉しそうに席を外していった。


「ま、それなりに頑張っているよ」


 ミツは、シワシワな手で、悟の手を握って笑った。


「暫くいるんだろ?」


 少し早めの夕飯を、父、母、祖母と迎えた。


「あぁ。金曜日には、戻らないと寄り合いがあるからな」


 久しぶりに母親の元気な声を聞いたのか、父·義和の目が少し潤っていた。


「なんなら、ずっと···」


「しつこいの、義も···」


 でも、別に怒ってはいないも、ミツはミツなりに息子や嫁、孫の気持ちもわかってはいた。わかってはいるからこそ、あえて拒む。


「ここは、うるさすぎる···」


 確かにそうかも知れないと悟は思った。毎年年に数回祖母の住む福井県に遊びに行くと夜は真っ暗で星がよく見えるし、都会のような喧騒さがなく、戻ってくるとうるさくて眠れない事もある。


「それに、まだわしゃ若い!」


「若いって···」


 確かに、89という年齢にしては気力だけでなく、足腰も達者なのは、昔行商をしていたせいらしい。


 そんなおばあちゃんが···


 家に滞在してる時に部屋で転倒し、足首を捻ったから、父さんと母さんは、断固としてテーマパーク行きを反対した。


 のに···


「じゃ、車椅子で行くなら!」


 と渋々納得して、


「いいな? 絶対に無茶な行動はしないように!」


 と影で悟は、義和からきつく願わされたのである。


 それから、2日して···


「じゃ、行ってくるでの!!」


「はいはい。わかったから···」


「お義母さん、気をつけてね。しっかり、楽しんできてね!」


 頑固な母親を説得する事が出来ず、困った笑みを浮かばせた義和と、心配ながらも笑顔で見送ってくれた和枝に見送られ、悟とミツは車椅子でテーマパークへと1泊2日の旅行へと旅立った。



『これでいいんじゃ、これで···』

ブクマしてくれると、嬉しいな笑


なんて(๑´ڡ`๑)

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