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アンラッキー
ソレは、アタシと舞の前に立ってこう言った。
「次は誰?」
低く、卑しい声でソレは言った。全身を舐めるようなそんな気持ちが悪い声で。
アタシは声が出なかった。代わりに舞が、ソレに向かって
「…な、なんでこんな事するの…?」
と恐る恐る口にした。それを聞いて、ニタァと笑い、不揃いな歯を見せながらソレは
「何でって?
楽しいから」
と小馬鹿にしたように笑いながら言った。アタシは、また心の中で「ハハっ」と笑った。可笑しすぎて。
舞が、
「た、楽しい…とか。
犯罪じゃん…人殺しじゃん」
と震えながら、泣きながら言った。すると、ソレは
「そうだよ。でも楽しいからやるんだよ。キミも楽しくなりたいなら、この子を殺してみてよ」
とアタシを指差した。
それを見て、舞は
「そんなの無理…」
と小声で、消えそうな声で言った。アタシだって無理だ、舞に対して、いや友人を殺すなんて…
そう考えていると、ソレは
「ーまーーい」
つまらない?と呟き、舞の頭を潰した。