小説家に「なれる」日まで
小説を書こうと思ったのは、とある人の事を忘れないように書き留めておこうと思ったから。
幼い恋ではあったけれど、忘れられない人でした。
いきさつは省きますが、ある日突然目の前から消えてしまったその人との思い出と、叶わなかった恋を叶えたい。そんな自己満足からある小説を書きました。
これがまあ、書き始めたら面白くて。もちろん全く初めてでしたので、文章も荒削り時系列も怪しいし、キャラも不安定だったりあとからこじ付け的な部分もあったりしたわけですが、とにかく楽しい。
昔の事を思い出すだけでも感情を揺さぶられ、嬉しい場面ではニヤニヤしながら、悲しい場面ではボロボロ泣きながら、それを運転中などにしたりするもんだから相当怪しい人だった事と思います。
もう恋なんて遠い昔の事だったおばさんが、小説の中で泣き笑い、恋をしている気分で毎日の生活すらも楽しく、生き生きしてたと思います。
実は元々、読書はあまり好きではありませんでした。マンガはよく読むけれど、小説はよほどの話題作じゃないと読まなかったんですが、自分が書き始めたらプロの文章が気になって仕方ない。
自分が書いているのは恋愛ものですから、そういう種類のが読みたいのに、家の中にはないんです。年頃の娘二人は読書好きなんですが、恋愛ものを持っていない。
でも気になる本を買っているとお金がもたない。結局立ち読みです。ところがそれまでのように、ストーリーに没頭できない。表現とか語彙、句読点の打ち方(流れ)、その作家さん独特の言い回しとか専門的な部分の説明の仕方やラブシーンの書き方……。
小説の読み方まで変わってしまいました。
そして、遠出したり旅行した時はもう、気分は取材です。高原や花畑、温泉地に美しい景色。車で走って感じる風。目に鮮やかな緑、美しい青い空。方や、電車に乗ればその車窓や車内の光景、ハプニング。
これらを、小説に生かしたい、と思う自分に驚きました。そこまでのめり込んでいるのか、と。
たまたまですが、主人の出身地をステージの一つとしていた時に車でその一帯を走った時は、もうキョロキョロしてしまって。内心は大騒ぎですよ。
あっ、あそこが駅で、そうそう、ホテルがあって、あー、あんな感じのマンション住んでそう、駅から見てこっちの方にお店とかある感じね、なんて一生懸命記憶
にとどめました。
家族のだれにも小説を書いている事を言っていませんから、写真すら撮れないし、あの辺行ってみて! なんてことも言えないんですが、事情を知らないにも関わらず偶然そのあたりを通ってくれた主人に近年まれにみる感謝の気持ちでいっぱいになりました。
元々熱しやすく冷めやすい性格ですが、この趣味は老い先まで続けられそうなので、あまりハイスピードでとばさずじっくりやって行こうと思います。
こちらはエッセイとして、想った事や感じた事などを綴って行こうと思いますので、特に宣伝もしません。はい、日記代わりですね……すみません。活動報告とはちょっと違います。
小説を書き始めてからは半年経っていますが、小説家になろうに登録したのは10月です。長いお付き合いになりますよう、皆様よろしくお願いいたします。