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ねる

「さすがは…」

夕食後、泊まっていくようカルメード氏やエリーザ夫人に勧められ、私たちはお屋敷の客間に泊まる事になった。

そして案内された客間に足を踏み入れた感想である。

芸術に関しては基礎知識程度しか持っていない私でも、この部屋の装飾品が名のある芸術家の作品であると一目で理解できた。

裏を返せばそれだけ露骨であるともいえる。

「セイレンなら、鼻で笑いそうだな」

そんな事を言いながら私はベッドに横たわった。



「まったく。ここまで露骨だと清々しいくらいだ。」

セイレン・イルク・ドミナス即ち僕はそう言って笑った。

最初、メイドのマディエラは僕とマレウスを一緒の部屋に案内しようとしたが、僕が却下してわざわざ別の部屋にしてもらった。

どうしても他人と一緒の部屋で寝泊まり出来ない。

昔からの性分だ。

これからもこのまま貫き通すつもりなので別に不便とも思わないが。


改めて室内を見渡す。

「見た目に違和感は無い。が、念には念を入れて。」

瞑目し、意識を集中する。

世界に僕の願いを実行させる。

「これで充分か」

目くらましと(ロック)、ついでに敵意探知(センス・エネミー)を発動して目を明ける。

通常は魔法の同時使用は2つが限界とされる。

理由は簡単で、大抵の人間は3つ同時に異なる作業を出来ないからだ。

2つまでなら違う事を同時に思考できるが、3つめは難しい。


とはいっても魔道式を途中まで共通にすればよほど異なる系統でない限り簡単に3つ以上使用できる。

事実、僕はこの方法で最大6つまで同時使用できる。


室内の安全が確保されたのを確認して僕は服を脱いだ。

「この癖は治さないとな」

脱ぎ捨てた服を見て苦笑する。

薄着じゃないと寝付けないなんて、もしもの時に不便でしょうがない。

それにこんなんじゃ野宿も出来ないから長距離の旅も出来ない。


最上級のドーバル鳥の羽毛布団にくるまる。

確かに、高級品だけあって肌触りは最高だ。

「悪くないな…ふぅ。しかしあいつ、マディエラみたいな女がタイプなんだろうか?」

昼間、マレウスの顔が若干緩んでいた事を思い出しながら僕は眠りについた。

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