AI三本勝負! 第9話・本音と建て前を捉え、お題に込めた期待をどれだけ汲み取れるか?~ChatGPT編~
第3のお題
以下の文章を基に、ストーリーを自由に考えて。
「相手は精神生命体。私たちの強い意志(愛)をぶつければ、きっと勝てるわ!」
「負けるもんか(勝ったらヒーロー)!負けるもんか(勝ったらヒーロー)!」
「ここは通さんぞ(立てたばかりの家を壊させるか)!」
「(勝ったら焼肉!)」
「(ボーナスはずめ!)」
「Go(給料上げろ)!Go(給料上げろ)!Go(給料上げろ)!」
西暦二一四七年。
人類はついに、物理生命体ではない敵と対峙していた。
その名は――精神生命体。
エーテリオンは、質量を持たず、兵器も効かず、ただ人の心の隙間に入り込み、意志を折り、希望を食らう存在だった。
大都市は次々と機能停止し、人々は無気力になり、街は静かに崩れていった。
科学では届かない。
軍隊でも倒せない。
最後に残された武器は、ただ一つ。
人の強い意志。
その理論を提唱したのが、精神波動研究所主任・天城レイナ博士だった。
「相手は精神生命体。私たちの強い意志――愛をぶつければ、きっと勝てるわ!」
レイナの言葉に、即席で編成された民間防衛部隊の面々が、おおっと声を上げる。
彼らは、選ばれし英雄ではない。
商店街の店主、住宅ローンを抱えた会社員、育休明けの看護師、家を建てたばかりの大工、営業成績に苦しむサラリーマン。
どこにでもいる、普通の人たちだった。
だが、普通の人間の心には、案外しぶとい火が宿っている。
隊長の真壁ショウが拳を握る。
「負けるもんか!」
彼は胸を張り、皆を鼓舞するように叫んだ。
その姿はまさにヒーロー映画の主人公のようだった。
だが、彼の心の中では別の声が響いていた。
(勝ったらヒーロー……)
その瞬間、精神増幅装置が反応し、彼の体から金色のオーラが噴き出した。
「いける!」とレイナが叫ぶ。
「純度はともかく、強い意志として成立してる!」
「え、純度って関係あるの!?」
「愛でも名誉欲でも生活欲でも、とにかく折れない想いなら波になるわ!」
それを聞いたメンバーたちの目の色が変わった。
後方支援班の田所ミカが叫ぶ。
「負けるもんか!」
(勝ったら焼肉!)
彼女の周囲に赤い炎のような気迫が渦巻く。
住宅街防衛担当の大工・源三が、巨大なハンマーを肩に担ぎながら吠えた。
「ここは通さんぞ!」
彼の脳裏には、三十五年ローンでようやく手に入れた新築一戸建てが浮かんでいる。
(立てたばかりの家を壊させるか!)
すると地面に防壁が走り、青白い結界が幾重にも展開された。
「すごい……!」
新人隊員の佐伯が息を呑む。
するとその隣で、経理課から無理やり駆り出された男、遠野がぼそりとつぶやいた。
(ボーナスはずめ……!)
「声に出してないのに波が出てる!」
「欲望が濃い人ほど出力が高い傾向があるのかもしれない……!」
レイナは早口でメモを取り始めた。
そしてついに、上空に巨大なエーテリオンの本体が現れた。
黒い霧のようなその存在は、人の絶望をかき集めたような姿をしていた。
耳の奥に直接、囁きが届く。
――無駄だ。
――お前たちの想いなど、所詮は利己心。
――愛ではない。
その言葉に、一瞬だけ皆の動きが止まった。
確かにそうかもしれない。
誰も彼も、世界平和そのもののために立っているわけじゃない。
焼肉のため。
家のため。
ボーナスのため。
給料アップのため。
少し格好つけたいから。
生活を守りたいから。
でも。
だからこそ、本物だった。
真壁が一歩前に出る。
「うるせえな」
彼は空を睨み、笑った。
「人間の心なんて、最初からそんなきれいなもんじゃねえよ」
ミカも続く。
「でもね、焼肉を食べたいって気持ちは、明日を生きたいって気持ちとそんなに違わないのよ」
源三が吠える。
「家を守りたいのは、そこで家族が笑うからだ!」
遠野が眼鏡を押し上げる。
「ボーナスは、人生への評価だ。侮るな」
そのとき、隊の最後尾にいた中年社員たちが、誰からともなく声をそろえ始めた。
「Go――!」
「給料上げろ!」
「Go――!」
「給料上げろ!」
「Go! Go! Go!」
「給料上げろ! 給料上げろ! 給料上げろ!」
それはもはや戦闘スローガンというより、労使交渉のシュプレヒコールだった。
だが、そのあまりにも切実で、あまりにも人間臭い願いは、圧倒的な精神波となって収束する。
金。赤。青。白。
さまざまな欲望と愛情の色が混ざり合い、巨大な光の奔流となった。
レイナが叫ぶ。
「そうよ! それでいい! 人は“誰かのため”だけで動くんじゃない! “自分が守りたいもの”があるから強いのよ!」
エーテリオンが初めて揺らいだ。
――そんな不純な想いが……!
「不純上等だああああ!!」
真壁の一撃が空を裂いた。
「負けるもんかあああ!」
(勝ったらヒーロー!)
ミカの拳が光を帯びる。
(勝ったら焼肉!)
源三が結界を叩きつける。
(家を壊させるか!)
遠野が書類束のような精神刃を放つ。
(ボーナスはずめ!)
そして全員が叫んだ。
「Go! Go! Go!」
「給料上げろおおおおおおお!!」
人類史上もっとも生活感に満ちた必殺技が、精神生命体の核を貫いた。
次の瞬間。
空を覆っていた黒い霧は、音もなく砕け散った。
静寂。
そして、青空。
しばらく誰も動けなかった。
やがてミカがぽつりと言う。
「……で、焼肉いつ?」
源三が腕を組む。
「家、無事か先に見に行く」
遠野は真顔だった。
「特別手当は出るんでしょうね」
真壁は瓦礫の上に立ち、夕日に照らされながら静かに微笑んだ。
「まあ……俺はヒーローってことで」
その瞬間、背後からレイナが言った。
「残念だけど、今回の功績は研究所主導扱いよ」
「えっ」
「あと予算不足だからボーナスも未定」
「えっ」
「でも勝った記念に、焼肉くらいなら奢るわ」
「よっしゃああああ!!」
その歓声は、さっきの必殺技より少しだけ大きかった。
人類を救ったのは、
崇高無垢な愛だけではなかった。
生活。見栄。家族。ご褒美。評価。未来。
そういう、少し情けなくて、でもどうしようもなく人間らしい願いの束だった。
そして多分、それこそが――
精神生命体に最後まで呑まれなかった理由なのだ。
最終話は、20時ごろ投稿の予定です。
お楽しみに。




