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中国は先進国?それとも発展途上国? ― 公平な競争の未来を考える

 みなさんに改めて問いかけたい。

 中国は先進国でしょうか?それとも発展途上国でしょうか?


 宇宙開発で独自の有人飛行を成功させ、空母やステルス戦闘機を建造し、スーパーコンピューターの性能ランキングでは常に上位。

 AI分野では監視技術や顔認識システムで世界をリードし、半導体製造でも急速に国産化を進めています。

 軍事力はアメリカに次ぐ規模を誇り、経済規模では世界第2位。

 そして「中国が動けば、世界の市場が揺れる」と言われるほどの影響力を持つ。


 どう見ても、侮れない超大国です。



●ずるい立場の恩恵


 ところが国際社会での中国の立場は「発展途上国」。

 この“ずるい立場”がもたらす恩恵は計り知れません。


・貿易ルールの優遇

 WTOで「途上国枠」として関税や補助金制限を緩く設定。


・環境規制の軽減

 先進国が高コストを払って環境基準を守る一方で、中国は途上国だからと負担を軽くされる。


・補助金攻勢

 巨額の国家補助金で産業を押し上げる。鉄鋼や太陽光パネル、電気自動車など、世界市場で価格破壊を起こしてきました。


 この仕組みを、中国は大企業だけでなく国家全体で徹底的に活用しているのです。



●身近に現れる影響


 こうした不公平は、私たちの暮らしのごく身近なところに表れています。


・通販サイトで、中国からの小物が“送料無料”で届く。

 実際には優遇制度で国際送料が極端に安く抑えられているためです。


・日本やドイツの町工場が、正直な価格で製品を作っても、送料だけで中国製に負けてしまう。


・中国のメーカーが国の補助金を受けて市場を席巻することで、現地の中小企業が淘汰される。


 つまりこの問題は「大企業の競争」だけではなく、地域の工房や職人、そして私たち消費者の生活にまで直結しているのです。



●世界の見直し機運


 ただし状況は変わり始めています。

 アメリカの要求で国際郵便の優遇は段階的に縮小され、WTOでも「途上国優遇の乱用」が問題視されています。

 欧州でも中国の補助金政策に対抗する措置が検討され、世界的に「この不平等を是正すべきだ」という声が高まっているのです。



●真のグローバル化へ


 中国はすでに超大国です。

 その力を否定するのではなく、正しく認めた上で、公平なルールで競い合うべきです。


 もし途上国扱いが是正されれば、ようやく各国の企業が同じ土俵に立てる。

 そのとき初めて「真のグローバル化」、つまり国と企業がフェアに競い合い、切磋琢磨して発展する。そして消費者が本当の価値で選べる世界が訪れるのではないでしょうか。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

今回は「中国は先進国か?発展途上国か?」という、国際制度の歪みについて取り上げました。


中国の力を過小評価することはできません。科学技術、軍事力、経済規模――どれを見ても世界屈指の大国です。

それでも「途上国」という仮面をかぶり続けることで、各国の中小企業や地域の暮らしに不公平な影響が広がっている。

この現実をどう受け止めるかが、これからの世界秩序を考えるうえで欠かせない問いになると思います。



今回も「ひとり放送局」からお届けしました。

テーマは気まぐれですが、もし少しでも「なるほど」と感じてもらえたら幸いです。

感想や意見もお待ちしています。次回はまた別の「じゃないか?」を拾ってみます。

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