詠唱するのだ!
「ねぇママ、どこまで行くの?」
「もう少し先までよ」
家を出て結構歩いた
もう民家も無くなり大きな泉へと着いた
「さ、ここよ」
「へぇ~なんにも無いや」
琵琶湖程の大きさの泉に一つとても大きな岩がある
岩といっても大きすぎて壁にしか見えない
「それじゃ、ママがお手本を見せるわね」
そういうと詠唱を始める
「我が手に集え、燃え盛る炎!赤き怒りとなりて敵を焼き尽くせ!」
岩をめがけて放つ
「ファイアボール!」
シュッ!ドンッ!!!ォォォォォォ!!
花火を真下で聞くような凄まじい音がした
「ねぇママ、今のがファイアボール?思ってたのと違うんだけど…」
「紛れもないファイアボールよ、極めればこれぐらいの威力になるのよ」
そういえばそうだった
パパと同じパーティーに居て魔術担当していたのだった
かなりの腕前とは聞いていたが、まさかここまでとは…
「さ、次はユカの番よ」
「う、うん」
「我が手に集え、燃え盛る炎!…なんだっけ?」
「赤き怒りとなりて敵を焼き尽くせ、よ」
「我が手に集え、燃え盛る炎!赤き怒りとなりて敵を焼き尽くせ!」
「ファイアボール!」
ぷしゅるるるる…
失敗した
「もう一回!我が手に集え、燃え盛る炎!赤き怒りとなりて敵を焼き尽くせ!」
「ファイアボール!」
ボッ!ドムッ!!
おお!2回で成功した!
「あら、上達が早いわね!もう一度やってみて!」
「うん!我が手に集え、燃え盛る炎!赤き怒りとなりて敵を焼き尽くせ!」
「ファイアボール!」
ぷしゅるるる…
ありゃ、失敗
「我が手に集え、燃え盛る炎!赤き怒りとなりて敵を焼き尽くせ!!」
「んんんんファイアボール!!!」
ボッ!ドムッ!!
「その調子よ!」
「我が手に集え、燃え盛る炎!赤き怒りとなりて敵を焼き尽くせ!」
「ファイアボール!!」
ボッ!ドムッ!!
「はぁはぁ…もう疲れた…」
「あら?魔力切れね、時間も良いしこれで帰ろうかしら」
「うん、ママありがとう!」
「明日も練習しましょうか」
「うん!」