鍛えるのだ!
この世界では魔法を使うのに素材が必要だ
それはハーブ系の植物だったり、キノコだったりする
まずは護身用にパラライズとサンダーは出来るようにならないといけないと言われた
その為にはコシロシという植物とアルソイというキノコが必要だ
どちらの魔術も同じ材料だから素材集めも楽だ
自宅の裏山へ登る
数分歩けばそれらの素材がある場所に出る
なんて楽ちん!
他にもいろいろ生えているがまだ何に使うか教えてもらってない
ある程度素材を拾い、少し開けた場所の草むらに隠れる
練習台のシカが来るのを待つのだ
「まだかな…ん?」
カサカサ
「来た!」
ザザ
シカが木漏れ日で日向ぼっこをし始めた
シカと言っているが、どうも普通の動物は地球…というか日本と同じ名前である
「パラライズ!」
プシュー…
失敗だ
「もう一度、パラライズ!」
プシュー…
「パラライズ!」
プシュー………
何回か試したが、素材が尽きてしまった
あと、少し魔力切れっぽい…
ステータスを見るとパラライズスキルが少し上がって13になっている
この数値は%になっているみたいで今は13%の確率で発動するっぽい
しかし、相手の魔法レジスト能力によって100%でもダメージが通らない事もあるらしい
同系統のサンダーも少し上がって10まで上がった
MPを見ると、殆どカラだ
これは時間経過で少しずつ回復させるかMP回復アイテムや女神像へ祈れば回復する
ちなみに女神像は大きな街にしか無い
「ん~難しいな…また明日頑張ろう」
家に帰り剣術の練習だ
庭にある木人形相手に木刀を打ち込む
「やっ!は!や!てやっ!」
バシ!バシ!バシ!バシン!
日が暮れるまでひたすら打ち込む
ストレスグスが2になり、ショートソードスキルが5になった
こちらは%ではなく、単純に多い方が使いこなせている事を示している
ちなみに武術全般のスキル、マーシャルインテリジェンスというのがあるが、現在は5となっている
ストレングス等の肉体の強さには反映されず、ショートソードスキルや弓スキルの威力を表している
まだまだ弱っちいなぁ…
「ユカー!ごはんよー!」
「はーい!」
まだ身体が幼い為、力や技の上昇が悪い
これは魔術を先に上げたほうが良いのかもしれない
席につくとパパが帰ってきた
「おかえりー!」
「おかえりなさい」
「やぁ、ただいま」
「ねぇパパ、魔術スキルを上げたいんだけど、良い方法ない?」
「う~ん…そうだなぁ…ひたすら魔術を使うしか無いんじゃないかな、失敗してもすこしだがスキルは上がるからね」
現在のマジックインテリジェンスは2
これも多い方が成功率があがる
単に"賢さ"ではなくてスキル全般に対する理解力の数値であり威力にもつながる
ちなみにインテリジェンスはどちらも凄く上がりにくい…
「今マジックインテリジェンスはいくつなんだい?」
「えーとね、2だよ」
「いや、凄いな!7歳で2なのか!」
「凄いの?」
「えぇ凄いわよ、普通は13歳ぐらいでやっと2になるのよ」
「へぇー!じゃあもっと鍛えよ!」
「でも、魔術ばかり使うよりも武術スキルも上げた方が良いぞ」
「そっか、じゃあ明日は弓で鹿を捕まえてくるね!」
「あはは!そうか、ユカは弓が好きか!じゃあ明日は鹿のステーキだな!」
弓は好きだが…家に弓は無くて作らなければならない
パパは剣士だから無いのだ
夜も老けてベッドへ入る
あの神様(以降女神)の言ったとおり他の人よりステータスが上がりやすいのかな
(そうです…ほかの人の2倍程度ですが、上がりやすくなってます)
「うわっ!女神様?」
(そうです、直接頭に語りかけています、ここでの生活はどうですか?)
「うん、楽しいよ、友達もできたし、ところでマイケルさんは?」
(マイケルさんは…元の世界でいう小学校受験の様なものをクリアして良い学校へ入られましたよ)
「うへ、そんなに違うのか…まぁいいや」
(何か聞きたいことや心配事はありませんか?)
「ん~いいや、私のことなら大丈夫」
(わかりました…それではまた…元気で頑張ってくださいね…)
「ありがとう、またね」
突然の女神の呼びかけにびっくりしたが、特に問題はなかった
「さて!寝よ」
─翌日─
「ママおはよー」
「おはようユカ」
「パパはもうでかけたの?」
「うん、今日はいつもより早めね」
「ふ~ん、そっか」
パパの仕事は、所謂なんでも屋だ
修理やら運搬やら簡単な護衛など多岐にわたる
しかし、魔術の才能が無いのか肉体労働ばかりである
ママは今は専業主婦をしているが、私が産まれるまではパパとペアで仕事をしていたそうだ
「じゃあ馬車が来るまで弓を作ってるね!」
「糸はそこにあるから使って良いわよ」
「はーい!」
手頃な枝を加工しし始める
ナイフで削ってグリップを作り、ノックも削る
リムに穴を開け弦を張る
こんなもんかな?
木人形に試し撃ちをする
ビヨヨ~ン!
「あれ?全然駄目じゃん!」
7歳の身長だと縦に持つ場合、リムがどうしても短くなり、射出時のパワーが足りないのだ
「う~ん…横持ちかぁ」
次は身長の倍はあると思われる太い枝をナイフで削って形にしていく
「そうだ、リムの先をこうやって…」
鋭く削り、両端が刃物の様になった
「これで近接戦もイケるわね!」
もう一度試し撃ちをする
今回は横持ちだ
「やっ!」
ドスッ!
「やった!成功だ!」
しかし、リムを長くした分だけ弦を引く力がかなり要る
撃てて数発だろう
「もう少し短くしようかな…」
そう思っていたら馬車が来た