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それでも君に認めさせたい  作者: みおゆ
第一章三節:それでも想う『円樹円』
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はじまりの初デート(1)

 ――昨晩のやり取りを経て、ついにやって来たデート当日。


 デートの待ち合わせは学校の最寄り駅。待ち合わせ時刻は10時30分。(まもる)くんは、ちゃんとデートに来てくれるだろうか。


 アタシは駅に降り立つ。同時に、ちょうど反対側の駅にも電車が通り過ぎていき、やがて反対側の視界が開放されると、そこには見慣れた背中があった。


 ――守くんだ。


 駅に降り立った守くんはこちらを振り向いて、アタシたちはピッタリと目が合う。


 心が揺れる。高鳴る。躍り出す。


 アタシは右手を振って、大声で守くんに呼び掛けた。


「おはよう、守くん!」


 守くんは恥ずかしそうにしながらも、小さく手を振り返しながら口を動かしていた。声は聞こえなかったけれど、きっと「おはようございます」って返してくれていたと思う。


 そのあと、守くんから『そっち側に行きます』とRAIN(レイン)が来たので、アタシはこの場で待つことに。しばらくしてこちらへやって来た守くん。少し息を切らしていて、ああ、こっちまで走ってきてくれたんだなと思ったらうれしくなった。


 アタシたちは改めて対面する。

 いつも学校で顔を合わせてはいるけれど……学校以外で初めての顔合わせとなると、なんだか緊張してきてしまう。


 上下黒のズボンにシャツという、シンプルな私服姿に身を包んだ守くんは新鮮だった。


 それに、何よりも――。


「守くん、やっぱり前髪上げたほうがかっこいいね」


 普段は髪を下ろして顔が隠れがちな守くんだけれど、今日はオールバックにしてくれているおかげで顔がハッキリ見えていた。


 守くんは端正な顔立ちをしていて、目もパッチリ大きくてクッキリ二重だし……うん、文句のいいようのないイケメンさんだ。


「守くん、普段からそうしてればいいのに。きっと女子からモテるよ?」


 守くんは耳を赤くして目を逸らす。


「……僕はそういうの、興味ないですから」


 ――守くんは、やっぱり守くんだなぁ。


 なんてことを微笑ましく思っていると、「……も」と、守くんは何かを言いかけていた。聞き取れなかったアタシは「? 何?」と聞き返すと、守くんは、横目でアタシを見て答える。


「……円樹(つぶらき)先輩も、その格好、かわいいと思いますよ」

「……あ、あ……あり、がとう……」


 ダメだ。顔の体温がどんどん上がっていく。


(不意打ちすぎるよ……)


 デートはまだ始まったばかりなのに、アタシったら、もうクラクラしてきた。


「ところで、今日はどこへ行きますか?」


 守くんに聞かれ、アタシは顔を上げた。


「……あ、そうだね。そういえば、どこへ行くか決めてないや」


 アハハ、と誤魔化すように笑うアタシ。誘ったのはアタシなのに、何も決めていないことに守くんは腹を立てるかなと心配したけれど、そんなことは全然ないようだった。


「……なら、映画でも観に行きませんか?」


 守くんの提案に、アタシは首を横に振るわけがない。むしろ、映画を観るのは大好き。


「何か観てみたいものあるの?」

「ええ、まあひとつ」


「そうなんだ! 実はね、アタシもちょうどあるの」

「円樹先輩が観たいものがあるなら、そっちでいいですよ」


「もーう! そういう遠慮は無用だよ。まずはお互い、観たいもの言い合おうよ」

「いや、いいですよ、ここは先輩の――」


「ダメ! 同時に言うよ!」

「……わかりました」


 守くんはやれやれと言わんばかりに了承していたけれど、嫌がっているわけではなさそうだ。



 そんなわけで、アタシたちは映画館へと向かった。


 ――奇遇なことにアタシたちが観たいと思っていたタイトルは同じで、アタシは守くんとの運命を感じずにはいられなかった。


 ……なんて、ね。こんなこと優子(ゆうこ)に話したら、またロマンチストなんて言われちゃうかな。

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