故郷の神殿に帰る
故郷の町の神殿に着くと、魔法使いのおばばが出迎えてくれた。
「アレンか、久しぶりじゃのう、子供を二人も連れて、まさかさらって」
「そんなわけないでしょう、神官のシューとこの神殿にいた猫ですよ」
そう紹介すると、少女は猫の姿に戻った。
おばばは白猫を見ると、わたしとの再会以上に喜んだ。
「猫や猫や、ああ、死んでしまったかと思ったぞ」
白猫もおばばになついていて、にゃー、とうれしそうに鳴く。
おばばの小屋に住んでいたのかもしれない。
「シュー、この人が魔法使いだよ」
と言うと、シューは警戒したように一歩後ろに下がった。
「あら、いらっしゃい、アレン久しぶり」
おばばの後ろからナナも出てきた。
「こんにちは、私は外国から来た魔術師のナナよ、この国で本の蒐集をしているの、よろしくね」
ナナがあいさつすると、シューはさらに下がって
「よろしくお願いします」
と小さな声で言った。
なんとなく巫女じゃないと思っていたけど、ナナは魔術師だった。
わたしも驚いたまま、みんなで神殿の奥の部屋に入った。
そこは元々神官長の部屋だったけど、豪華な調度品はなくなっていた。
大きな本棚が壁にそって並んでいて、ナナが集めた本で埋められている。
他にも本が箱に入って床に置かれているので、少し狭く感じる。
中央にあるテーブルと椅子だけが残されていた。
みんなで椅子に座ると、この部屋についてナナが話し始めた。
魔法とか魔術について質問したいけど、ナナは本について話している。
シューは興味深そうに聞いているが、少女は眠そうだ。
「それで、その猫は魔術師なの?」
しばらくすると本の話が終わって、少女に変身する白猫の話になった。
その声で起こされて、少女は慌てたように猫の神殿であったことを話した。
誰もその不思議な話を嘘だと言ったりしない。疑っていないようだ。
白猫が猫の神様の使いだとわかると、おばばとナナは驚いたように少女を見た。
魔物や魔法と関係ないことに驚いているのだろうか。
魔術や魔法について質問しようとしたら、ナナが言った。
「古い猫の神殿ですって? そこにも書庫があるのかしら」
また本を集める話になった。
「古い神殿には、失われた古代の魔法の本が残っているはずなのよ」
それを集めているとナナが言う。




