抵抗の火柱
長老の神官が、
「王を裏切るようだがそうではない、これが成功すれば、王は信頼を取り戻すだろう」
と言って兵士たちを励ました。
異民族の兵士は、
「王に神殿側の抵抗が激しいことを進言しよう」
と約束した。
この国の兵士は、
「このままでは王に従えない、神殿の破壊は理解できない」
と王に伝える約束をした。
その場で多くのことが決められて、神官たちには、火柱を発生させる役割が与えられた。
王宮を取り囲むように火柱の位置が決められて、数人ずつ神官が配置される。
わたしとシューは、最後に残った王宮の後ろ側の火柱の担当になった。
「遠慮することはない、盛大に始めてくれ」
長老の神官が言うと、神官たちはそれぞれの持ち場に移動した。
王宮の後ろには、五人の神官が集まった。
わたしとシューと、責任者のような神官と、木を運んだ大柄な神官が二人。
木の板を荷車で運んでもらって、協力しながら高く積み上げていく。
大きな木の板でできた塔を準備して、火をつける。
木の塔ができると、女神様にお祈りして、神殿を守るために大きな火柱を発生させることを報告した。
「特別な呪文を知っている、ということだが」
責任者の神官に話しかけられたので、わたしとシューが前に進み出た。
特別な火柱のために、呪術が得意な神官が、それぞれの場所に配置されたのだ。
「わたしとこの神官の力で、大きな火柱にしてみせましょう」
と安心させるように明るく答えたが、他の神官は子供のシューを見ると残念そうな顔になる。
だから最後まで残って、このチームに入ったようだ。
「ここは王宮の裏側だし、子供に無理をさせないようにしてくれ」
大柄な神官に心配された。
「こんなこと言われたら、特別大きい火柱にしたくなりませんか」
シューは小声で反発する。自分たちが、力無い神官だと思われたことが不満らしい。
しばらくすると伝令が来て、準備ができたら火をつけてくださいと言って去った。
他の場所でも、火をつけ始めたようだ。
大柄な神官たちが、燃料を使って木に火をつける。
「始めよう」
責任者の神官が言う。
「それでは始めます」
と言ったものの、どうしていいかわからない。
弾けるような強火でお願いしますよ、と火に念じてみる。
でも呪文なんかない。
隣にいるシューが、やっちゃってください、と小声で言う。
するといきなり、木の塔が吹き飛ぶほどの大きな火柱が上がった。
なぜかここにいた猫も、炎が吹き上がる力で高く舞い上がった。
大変だ、にゃーあー、と高い所で鳴いている。




