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小さな力が集まったら  作者: ちゃい
10/30

北の町

 北の神殿がある町は、海に面した港町で魚料理がうまい。

 足が回復してきたら、お腹が空いた。


「おいしい魚料理、食べに行かない?」

「いいですね」

 シューと一緒に出かけることにした。


 夜更けの町の飲食店では、ビールを飲みながら騒いでいる人が多い。

 子供がいるからなるべく静かなところを探してみたけど、なかった。

 今日は特にそうなのかもしれない。


 店に入ると、女神様の神殿であったことが話題になっている。


「異民族の兵士と神官が神殿を壊したって!」

 大声で話している人たちがいた。

 その声の方を見ると、向こうもこちらを見ている。


 神官だとわかったのだろう、数人ににらまれている。

「いや違う、神官団には何も知らされていなかったんだ」

 と答えると

「お前も壊したのか」

 酔っ払いの一人が言う。

「そんなわけないだろう、誰も神殿の破壊なんて望んでいないよ」


 疑い深い目つきで近づいてきた酔っ払いは、地元の商人だという。

「わたしは、女神様の神殿から来た神官だ」

 そういうと、やっと納得したようだ。

「兵士のひどいやり方に心を痛めているんだ、そっとしておいてくれ」

 大声で叫ぶと、その商人はぽんぽんとわたしの肩を叩いて席に戻った。


 周りの話を聞いていると、町の広場の張り紙に

(神殿が王のものになった)

 と書かれていたそうだ。


「それじゃあ町の人たちが困りますね」

 注文した魚を食べながらシューがいう。


 この町は、神殿の参拝客に土産物を売る店が多い。

 動物の形のお守りや、陶器の置物を作って売っている。

 いきなりやめろといわれても、困るだろう。


「有名な置物がありますよね」

 女神様のご加護があるといわれている、動物の置物がある。

 大きな動物にもみえる丸い形の、ちょっとかわいい土産物だ。

 ほとんどの参拝客が買っていく。

 あれが禁止されたら、町の人たちは困るだろう。

「今日買ったばかりなのに」

 え、買ったの? シューは怒っていて、話し続ける。

「王の神殿になったら、女神様のご加護はどうなるんですか!」

 いや、問題はそこなの?

 

「そうだそうだ、その置物は俺が作ってるんだ」

 さっきの商人が、シューの叫び声に答えた。

「買ってくれてありがとう」

 商人とシューは急に仲良くなった。


 シューがお酒を飲まないように気をつけながら、商人たちと一緒に食べながら話した。

 納得できなくて怒っている、商人も神官も同じだった。

 仲良く騒いでいたけど、夜遅くならないうちに店を出た。


 外に出ると、ひんやりしていて、満月が町を照らしていた。

 




 

 


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