間章9:光のハーフエルフの考察
どうも! 神話は最後の一節だけ目を通して世界のすべてを知った気になっている知識の統括者レラです!
そんな事ばかりしてるから未だに上級魔導士になれないんですねー。反省反省です。
「見てくださいマルスくん! 大変なことが起きましたよ! めんこいねーちゃん達の水着姿ですっ! 絶景ですね〜。げへへ、たまりませんなぁ〜」
「なんで急に中年のおっさんが憑依したの?」
マルスくんがなんか言ってますが、アイリスさんとティルルさんの水着を見て浄化中の私にはまったく聞こえてません。
「ぐぬぬ、アイリスさんの水着姿が素晴らしいだけに、アイリスさんの触手シーンを拝見できなかったことが非常に残念です。意識さえ失っていなければ……このハーフエルフ一生の不覚ですっ!」
「色々と酷いな。どこからツッコミを入れたらいいのやら」
私は水着姿で砂遊びをしているアイリスさんとティルルさんを指差す。
「ただ、どちらも『清楚』を売りにしてる方々ですから、そこで味がダブってしまったのはやや減点ポイントですね。98点と言ったところでしょうか。料理バトルならここの減点ポイントが仇となって逆転されてるお決まり展開ですね。アナタの敗因はすべての食材に良いモノを使いすぎて、食材一つひとつの魅力を引き出す事を怠ったからですと主人公にお叱りを受けるでしょう」
「唐突に食材扱いされてる二人」
さて、海水浴イベントを効率的に進めるために海水浴の魅力をおさらいしておきましょうか。
ナンパイベント→イケメン登場!素敵!私を抱いて!
これはこのあと無理やり発生させるとして、海水浴イベントで一番重要なのは日焼け止めクリームですね。
コヨヨの実のエキスから作られたクリームは女性陣の白い肌を太陽さんの日差しから守ります。
ロイドさんは褐色ギャルが好きだと仰っていましたが、エルフ族視点で見るとエルフがダークエルフになるようなものなので、種族そのものが大きく変わってしまいます。例えるなら、清楚を売りにしていたはずのヒロインが突然悪落ちして女王様スタイルのボンテージ衣装にチェンジするようなもんです。これでは健全な性癖を持っていたちびっ子達が歪んでしまう要因になりえるので、私は全国のちびっ子の平穏を守るためにもアイリスさんに日焼け止めクリームを使わせます。はい理論武装完了。
「そこのイケメン魔導士さん。アナタのための素敵な掘り出し物があるんですが試しに使ってみませんか? 絶対に損しませんよ」
「絶対に不幸にしかならない商品を売りつける悪徳商人みたいな言い回しだな」
マルスくんが隣でそうボヤいた。
「素敵な掘り出し物?」
ロイドさんが興味を持った。これはとてもいい流れです。
「はい、日焼け止めクリームって奴なんですけど、これをアイリスさんに塗ってあげれば、アイリスさんの肌を太陽さんから守ってあげることができますよ」
「アイリスの肌なら保護魔法をかけてるから問題ないぞ。ノーダメだ」
「なるほどそうですか。目の前から消えてください」
「は?」
声色に怒気を宿らせるロイドさんを放っておいて私は水遊びを開始したのであった。
◆ ◆ ◆
その後、人妻好きのチャラ男にナンパされるなど海水浴イベントは順調に進んでいき、無事閉幕しました。
初めてにしては上々でしたね。私も海をたくさん楽しめましたし、大満足です。
一つ計算外があるとするなら途中でロイドさんがトイレに駆け込んだ事でしょうか。結局あの後ずっとトイレに籠りっきりでしたからね。
その原因は明白で海水をがぶ飲みしたからでしょう。
あれを見た時は私も結構焦りました。データにない想定外の挙動でしたから。
マスター級魔導士ともなると、あんな行動も日常茶飯事なのでしょうか? いやー、まったく想定できないですねマスター級。
その後、私達は海水浴から旅館に戻りました。
ロイドさんの話によるとこの旅館は温泉がついてるらしいです。温泉という響きだけでテンションが上がってきますよ。
「ところでマルスくん。ここは混浴ですか?」
「話によると男女別々らしいぞ」
「なるほど、壁に穴でもあけておいた方がいいでしょうか?」
「通報されたくないなら辞めた方がいいぞ」
うむむ、温泉でのラッキースケベは起こせないっぽいですね。
部屋に一回立ち寄った後、私達は温泉につかるために脱衣場に到着しました。アイリスさんとティルルさんが服を脱いでいきますが、私自身女性というだけあってあんまり興奮しません。
綺麗な肌だとは思いますけど、個人的に大人の色気が出ると感じたのはタオルを体に巻いた時です。
例えばティルルさんで説明しますが、白いバスタオルを巻いて髪ゴムで結ぶとなんとなく人妻っぽさが出てきます。
女性の私が言うのもなんですがガチで寝取りたくなってきますね。
アイリスさんはまだまだ子供らしさが残っているので、そこまでのムラムラしてきませんでした。
また、混浴でないのもテンションが上がらない要因ですね。
混浴で異性とエンカウントして「きゃああああ!」と女の子が叫ぶ瞬間を取り払われた今、温泉に残されてるのは虚無しかありません。
まあ、よくありがちな「アイリスさんって意外とおっぱい大きいですね」とか「アイリスさんってロイドさんの事が好きなんですか?(キョトン顔)」的な発言でもして適当にお茶でも濁しましょうかね。
私はそんな事を考えながら脱衣所に入ったのだった。
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