表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

7.オーク討伐

「また来たね、エルの森に」


エレナは思い出に浸るようなそんな懐かしの想いがあるかの如く俺に語る。


俺もエレナの言葉と雰囲気につられながら答える。


「そうだな」


先程の雰囲気を続けながら真面目に今回のクエストの魔物であるオークへの用心を話す。


「オークは危険だから常に用心して進みましょう! 」


「おう」


オークは舐めてかかるとその力強さからどんなにレベルが高くともやられてしまうことがある。


特にオークはグループで活動していることもあり、高レベルプレイヤーでもやられる確率が高いといわれている。


ちなみに、今の俺のレベルは勇者パーティーに所属していたこともあり大して魔物を倒さなくてもレベル30はあった。


エレナは俺よりかなりレベルが高いと思うが聞いたことがないのでまだわからない。


俺たちは着実に森の奥へと進み、オークの住処のような洞窟を見つけた。


「ここじゃないか? 」


俺の言葉に少し顔色を変えるエレナ。


その表情からオーク5体の討伐を俺よりも重くうけているみたいだ。


「えぇ。少し様子を見ながら進みましょう」


「了解」


なんだか宿屋とはえらい違いだ。


こういう戦闘では頼りになるのがエレナだ。


俺をだてに大量のスライムから救ってくれたことはある。


俺もスキル《癒すもの》を発動させる。


そして、勇者パーティーの時に使っていた雑用スキル《索敵》も同時に発動する。


俺の視界にこの洞窟の地図が現れ、どこに何がいるのかはっきりと見える。


「エレナ、この奥にオーク5体がいる」


「なんでわかるの? 」


「宿屋で詳しいことは話すよ」


「ふぅーん。やるじゃん、フミヤのくせに」


なんだか半分、不貞腐れたように言った。


奥に進むと本当にオークが5体いた。


俺たちは洞窟の大きな岩の影からそっと覗き、様子を見る。


その時だった。


オークの中の一体が次々と4体のオークを食べ始める。


オークの腕や足をちぎりむしゃむしゃと貪る。


この様子を見ていた俺たちは今にも吐きそうだった。


「危うく、朝ごはんを戻すとこだった」


小声でエレナに話す。


すると、その音に気づいたのか先程よりも大きくなったオークがこちらに近づいてくる。


こちらとの距離が近くなる前にこちらから攻撃を仕掛ける。


エレナがトラップ魔法という名の拘束魔法を俺たちの隠れている岩の近くに展開する。


「ぐわーーーー!! 」


見事にエレナのトラップ魔法が発動し、拘束魔法でオークの動きを止める。


オークがのそのそと歩き、鎖がオークの体のあちらこちらを拘束する。


現物ではないがその拘束力は強力でオークは拘束を解こうと暴れもがく。


「ぐわーー! んぬっ、ぐわー!! 」


そんな様子にも慈悲を示すことなく魔法で攻撃をする。


「炎の精霊よ、我が手に炎よ、集い来れ、敵を貫け、炎射矢ヴァンアロー


炎の矢が5本現れ、拘束されたオークに突き刺さる。


頭、心臓、両腕、左足。


この5つの部位に突き刺さる。


しかし、エレナの魔法はここでは終わらなかった。


突き刺さった炎の矢が更に燃え上がり、炎の矢から炎獄と化す。


オークは「ぐわぁーーーー!!!! 」と大声で叫び悶える。


だが、エレナの魔法で、灰と化すほど焼き尽くされていった。


せっかく俺がスキル《癒すもの》を発動させていたのに……。


少し落ち込む俺にエレナが気づいたのか肩にポンと手を乗せ言う。


「ありがとう」


俺はその時、今まで味わったことのない嬉しさを感じた。


「じゃあ、戻ろうか」


「そうだね」


俺たちは倒したオークのドロップアイテムを拾い、集会所に討伐報告をしに向かった。

数多くある作品の中からこの作品を拝読して下さりありがとうございます!


ブックマークや星の評価をいただけると大変嬉しいです。


お手数をおかけしますがよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ