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2.自立

昨日はとんだ災難だった。


俺は勇者パーティーのメンバーが戦いやすいように常にスキル《癒すもの》を発動させていた。


それなのに、それなのに……。


くそっ!


朝から、俺は感情を抑えきれずにいる。


「はぁーっ」


大きなため息を吐く。


そして、今後の生活のため所持金を確認する。


「チャラン。チャラン」


おい。

まさか、とは思っていたが俺はあの勇者パーティーであまり報酬を貰えていなかった。

それもあり、所持金は100G。


Gはゴールドと呼び、この世界での主要通貨となっている。


「100Gか……」


100Gは多いようでそんなに多くない金額だ。


宿で一泊し、朝、昼、夜、ご飯を食べれば20G。

つまり、5日間しかまともにご飯を食べ、寝ることができない。


これは困ったものだ。


ダメ元でもやるしかない。


俺は冒険者ギルドでクエストを受けることに決める。


そうとなれば冒険者ギルドに急ごう。


宿屋を出た俺は冒険者ギルドに向かった。


宿屋から少し歩けば冒険者ギルド。

目と鼻の先に冒険者ギルドがあることもありここの宿屋を気に入ってしまった。


お金があれば毎日あの宿屋で寝泊まりしよう。


「カランカラン」


冒険者ギルドの木製のドアを開けると鈴の音が鳴った。


さすがは冒険者ギルド。

S級冒険者からF級冒険者までいる。


クエストの掲示板を見渡す。


だが、思ったほどお金が稼げて簡単なクエストは無かった。


「困ったな」


俺はそうぼやき、下を向くと、簡単ではなさそうだが、難しくもない、稼げるクエストが目に止まった。


これは⁉︎


クエスト内容 大量のスライムの討伐


報酬 300G


場所 エルの森


スライムは言ってしまえば誰でも討伐可能な魔物だ。


大量という言葉は引っかかるが稼げるのでそんなことは言っていられない。


俺だって生きるために必死なのだ。


「あのー。このクエストを受けたいのですが」


俺がそう言うと受付のお姉さんが対応してくれた。


「では、お気をつけて! 」


俺は冒険者ギルドを後にし、エルの森へと向かった。


エルの森はこのマレイン王国の西方に位置している広い森で強い魔物から弱い魔物まで幅広く生息している。


そんな森に今から俺は行こうとしている。


スライムのような強くない魔物だけと遭遇したいものだがどうなることやら。



一抹の不安を胸にマレイン王国西方のエルの森に到着した。

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