第1話
バキ ドスッ ガッ ドッ ドサッ………
「ザコのくせに絡んで来るんじゃねぇよ…」
シャツが血で汚れちまった…
どうやって落とすかなぁ…
ん?何か聞こえないか?
ウーウー…ウーウー…
「獅季!ヤベぇ!サツだ!」
「さっさとズラかろうぜ!」
マジかよ…………
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「…い …おい …おい!獅季!」
「ん…なんだ?」
「お前なにバイト中に居眠りこいとんねん!」
「やべ!今何時だ!?」
「18時32分。オーナーにどつかれても知らんぞ」
ニヤニヤした顔でこっちを見つめてるのは剛生
ゴツいが根は優しいやつだ。
チリンチリン……
「お、お客さん来たで!しっかり接客して来いや!」
「はいはい行きますよ………」
寝起きで体がダルいが仕事は仕事だしな…
「いらっしゃいませ!猫カフェキャッツアイへようこそ!」
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「ありがとうございました!また来てくださいね〜!
…………うし。剛生ー!最後のお客さん帰ったぞ!」
「はいよ〜!こっちもにゃんこ達に飯やってくるわ!」
やっと終わった……
さすがにオールでド○クエ全クリは無理があったか……
学校サボればよかった……
明日入学式なのにこのままじゃやべぇな…
ガチャ
「カウンターの掃除終わったぞ」
「そいじゃあ毎度恒例トイレ掃除じゃんけんの時間じゃ!!!」
来ると思った…
本当にここのトイレ掃除だけは地獄すぎる。
あいこでしょ!
あいこでしょ!
負けてしまった……
大人しくやるしかねぇか…
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カチャ
「うし!鍵締めOK!帰るぞ剛生!」
「今日俺ちょっと寄らなあかんとこあるから先帰ってて!」
「お、おう」
思えばこっちに越してきてもう2ヶ月か。
親父の地元って聞いてたから大分荒れてるもんだと思っていたけど意外と平和だな。
プップ──
「ん?」
「お疲れいったん。今帰りか?」
窓から顔を出したこのヒゲメガネはオーナーの井上さんだ
「お疲れ様です。毎回思うんですけどいったんってなんなんですか?」
呆れ顔でそう聞き返すと
「そんなペラッペラな体してるからだよいったん!」
助手席からこれまたメガネの女が顔を出してきた
「薫さんまで一緒って珍しいですね」
「ちょうど出張から帰ってきてな。買い物ついでに薫と合流したんだよ」
「そう言うことですね。あ、そうだ、そろそろコーヒー豆が切れそうなんで追加お願いします」
「マジ!?了解!ついでに買ってくるよ!」
「ありがとうございます。じゃあ明日入学式なんでそろそろ行きますね。」
「おう。気張って行って来いよ。」
「友達いっぱい作るんだよ〜!」
「ありがとうございます。じゃあまた明日。」
そうして無事に家に惰眠を貪った。
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ん。音楽聴いたまま寝落ちしてたか。
時刻は8時30分。入学式が始まるのは9時
どう考えてもマズい。
いや待て。2分で着替え、5分で歯磨き、3分で身だしなみを整える。脳内シュミレーションは完璧だ。
学校への所要時間は15分。ギリギリ間に合う
己の両手足をフル稼働させ無事家を出ることに成功。
急げ!俺の両手足!
回せ!己の限界まで!
よしついた。学校の表札にはしっかりと《大星高等学校》
大それた名前だな。まぁいいや
腕時計を見ると8時55分
遅刻ギリギリだが間に合ったからよしとしよう。
自分のクラスは1年2組らしい
とりあえずちゃちゃっと体育館まで向かいますか!
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ご覧頂きありがとうございます。
今回が処女作なので至らぬ所もあるかもしれないですが
快く読んでいただけるように精一杯頑張るので応援よろしくお願いします!!!