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泉
こんばんは。
そろそろ寝ます。
私は、恐る恐る周囲を観察する。
誰もいない?大丈夫?
「だれか、、、いますかーーー?」
ものすごい小声。
声も震えるし、なんなら、泉の中で、多分漏らした。
しょうがない、緊急事態だもん。
「、、、いませんねーーー?」
誰もいないことを確かめながら、泉の淵から上がる。
やべー、泉の淵が土だから、上がりにくいったらありゃしない。
スーツにも当然、泥がつく。
なにこれ、私、厄年だっけ?
ブツブツ文句を言いながら、ようやく立ち上がる。
水浸しな上に泥だらけ。
靴もどっかいっちゃった。
これって、あの川から繋がってる泉に出ちゃった感じ?
最悪だわ。
それにしても、あの川の近くにこんな森あった?
あったら、ランニングコースになってるよね、間違いなく。
もう5年も職場に通ってるけど、森なんて見覚えないよ?
しかも、こんな本格的な森と泉。
スーツの水を絞って、とりあえず、私は近くを歩いてみる。
裸足だから、木の枝とか石踏むだけで、叫んだけど。
おやすみなさい。