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まわる景色
いいな、いいなー
目の前の景色がくるくると回って、空や川、近くを歩いていた人の驚く顔、いろんな物が見えたと思ったら、凄い衝撃で私は川へ落ちた。
ドボンっ!!!
空気が口から泡になって出てく。
服がまとわりついて、重くて泳げない。
苦しい!!!
光が見えて、もがきながら、どうにか光が差す方へ体を浮上させる。
早く早く、と酸素を求める体を動かし、ようやく顔が外に出る。
「ぷばぁっっ!!!はあっはあっはあっーーー」
涎とか鼻水とか、気にしてらんない。
死にかけたし。
体にへばりつくスーツが泳ぎにくい。
ちっくしょう!まだスーツを新調して1ヶ月なのに。
絶対破れた。
スカートのスリットのとこ。
足広げて泳いだし。
悔しさと、それよりも生きていたことに安堵しながら、周りを見る。
さぞや、周りの人間から珍しそうに見られるかと思いきや。
誰もいなかった。
ていうか、ここ、どこ?
あれ?ビルは?
ス〇バは?コンビニは?車はーーー???
そこは、森の中の泉?としか言いようの無い場所だった。
にーんげんっていいーなー