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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第83話 北極海の戦い

 東京での戦闘が終わり、数日が経った。

 その後の東京では大きな混乱は見られず、ごく普通の平穏が保たれていた。

 しかし、今回の戦闘で露呈した問題もある。


「白の艦艇群が攻めてきたときに、どうやって橙の艦艇の人員を動員するかが問題だ」


 そう、白の艦艇が攻めて来るのは今までの経験上、いつどこに来るのか予測できていないことにある。

 そうなった場合、橙の艦艇を操作するプレイヤーが確保できないのが難点なのだ。

 現在の所、様々な年代の民間人にプレイの協力をお願いしているものの、時間によってはプレイが不可能な場合が多い。

 例えば昼間は多くの場合、会社に出勤していたり学生などは学校に行っていることだろう。また、夜でも28時なんて時間まで起きている人など数える程しかいないはずだ。

 そんな時に白の艦艇が攻めてきては対応は難しいだろう。

 そのため、時間を絞って攻撃を行うことが基本になっているのだ。


「単純に数を増やすのではダメなんですか?」

「それはアリだ。しかし、母数が増えた所で、絶対数は足りてない」

「それじゃあ、どうするんですか?」

「まぁ、考えうる限りでは、世界展開するしかないだろう」

「世界展開、ですか?」

「そうだ。日本政府には悪いが広告費を出してもらって、この橙の艦艇を操作するゲームに参加してもらうしかない」

「今からで間に合いますか?」

「分からん。俺も一緒に協力はするが、どこまでできるかは企業努力に尽きるだろう」

「不安だなぁ」


 黒島の率直な意見だった。

 その後この提言はまとめられ、八十野少将から相生国防大臣を通して政府に通知されることになった。同時に、ゲームを開発した会社にも、通達される。

 結果からいえば、この提言は取り上げられることになった。政府は重い腰をあげ、ゲーム会社に対して、開発費用と広告費の援助を行うことを決定する。

 それと同時に、外交手段を用いてこのゲームに民間人を参加させるように世界各国に通達した。

 各国の政府は難色を示す所もあったものの、主要国家はこれを受け入れることを正式に決定する。

 一方で、ゲーム会社のほうは、急いで海外向けにサーバの強化と多言語化に向けた作業に負われることとなった。サーバ強化や多言語化についてはトランスも一噛みしているため、作業を手伝うことになった。とは言っても、人類の叡智よりも多くの技術や情報を持っている流浪の民なだけあって、作業はスムーズに進んだ。

 そして東京での戦闘から2週間弱。異例のスピードで海外展開を行うことに成功した。

 正式な名前も決定し、「Fleet of Red」という名前で行うことになった。

 サービスとしては、仮想現実における橙の艦艇を操作する「シミュレーション訓練モード」と、亜空間において橙の艦艇を操作する「リアリスティック訓練モード」、そして実際に橙の艦艇を用いて白の艦艇群と戦うイベントモード、「実戦モード」を用意している。


「なんか本格的にゲームじみてきましたね」

「それが目的だからな」

「なんだかゲームからかけ離れてきて、変な感じ」

「そういう感想を持つのも仕方あるまい。もともとこういうゲームに興味ない人間が見れば、そういう評価にもなる」


 管理者権限でゲームの様子を見守る黒島と後藤。

 この時、黒島はこのシミュレーションゲームが変な方向にいかないか心配になる。

 しかし、そんなことを言っている暇はなかった。


「白の艦艇が現れました!北極海上空です!」

「『Fleet of Red』参加者にメールを一斉送信。イベントモードを開始」


 トランスとゲーム会社が一蓮托生で、ゲームの進行を行う。

 その間に、黒島たちは紅の旗艦に乗り込んで、白の艦艇の迎撃に向かった。

 北極海上空には、すでに白の艦艇群が群れをなしていた。


「先制攻撃!」


 黒島は我先にと主砲で攻撃を開始する。

 それを察知したのか、白の艦艇群は散らばり、一斉に紅の旗艦へと襲い掛かってくる。


「レイズさん、機関出力上昇の許可を!」

「仕方ないですねぇ」


 そういって、レイズは機関の出力を上げた。

 これにより、攻撃力、機動力、そして防御力が向上する。


「おりゃあ!」


 そういって主砲やミサイルを乱発していく。

 それで落ちる白の艦艇もいるものの、ほとんどの場合はあてずっぽうなだけに当たりは悪い。

 それでも、黒島はがむしゃらに撃っていく。

 黒島の狙いは攪乱である。そのためには、相手に反撃させる隙を与えないことだ。

 そんなことをしているうちに、黒の旗艦と黒の艦艇がやってくる。

 その後ろには、橙の艦艇がまるで金魚の糞みたいに連なっていた。


「待たせたな。多少混乱はあったが、大きな問題はない。いつでもいけるぞ」

「ではお願いします!」

「橙の艦艇に告ぐ。戦闘目標は白の艦艇の無力化だ。無力化のためなら、攻撃するも敵を止めるもよしだ。多くの艦艇を無力化できたものには、通販サイトなどで使えるポイントを進呈しよう」


 そういって、橙の艦艇群の士気を上げる。


「さぁ、行ってこい!地球の命運は君たちにかかっている!」


 そういうと、橙の艦艇は我先にと突っ込んでいく。

 そして主砲を使って白の艦艇を攻撃したり、わざと敵中に突っ込んでミサイルをぶっ放したり、機動力に物を言わせるなど、多種多様な攻撃方法を見せつける。

 そして今回の作戦の主目標は、個人抑制用逆位相システムを使った、白の艦艇群の機能的停止だ。

 敵中に突っ込んだ橙の艦艇がそれを使用することで、効率的に白の艦艇群を停止させる。

 そして、それはほぼすべての橙の艦艇が使用することになり、宙域にいた白の艦艇群をほぼ停止させることに成功した。

 こうして、北極海上空での戦闘は、人類と流浪の民の協力によって無事に集結となったのだ。

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