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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第82話 せわしさ

 それからは少しだけ大変であった。

 バリアの上に積もるように、白の艦艇群の残骸や艦艇そのものが鎮座し、バリアの展開を解除するわけにはいかなかった。そのまま展開を解除してしまえば、残骸が落下して東京の街に被害が出るのは目に見えてのことだろう。

 そのため、宇宙ゴミを回収する業者に出動命令が下った。

 この時はまだ、第7次攻撃で発生した宇宙ゴミの回収が終わったばかりで、つかの間の休息をとっていた時である。

 しかし、このままバリアを展開したままにしてはおけまい。従業員は体に鞭打って作業を行う。

 しかし、今回は重力下であることを除けば、回収自体は楽なものであるため、数日も経たないうちに回収はすべて済むだろう。

 東京上空での戦闘が終了した頃。

 霞ヶ浦基地では、橙の艦艇によって拿捕された白の艦艇がエプロンに鎮座していた。


「あぁ、あんなに残骸を散らばらさせて……。掃除するの大変なんだぞ……」


 そんな整備士の言葉をよそに、八十野少将は興味津々に白の艦艇を見ていた。


「これが人類を地獄の底に貶めていた艦の残骸か。こうしてみると、どこかの国が宙域専用の艦として完成させてそうなものだな」

「そういうことを言っている場合ではないんですが……」


 八十野少将の副官らしき人が忠告する。


「分かっている。……えーと、これはすでに動き出さない……んだよね?」

「その通りだ。すでに逆位相システムによって個人を破壊しているからな。それはすなわち脳を破壊するのと同義。この艦はすでに無力化されている」

「そう。そしたらこの艦を運搬して解剖することもできるよね?」

「もちろんだ。地球の技術力がそこまであるかは分からないがな。外装を切り分けることくらいはできるんじゃないか?」

「それじゃあ造船所に持っていくしかないな」

「そういえば、宇宙軍の艦艇の造船所ってどこにあるんですか?」


 素朴な疑問を黒島がする。


「建造は主に種子島基地で行っている。運用と整備は三沢基地とうちで兼任している感じだな」

「種子島……」

「ロケットの打ち上げで有名な場所だってことは知ってるだろう?物質浮遊技術が実用化されてからはロケットの役割も終わったみたいなところあるからねぇ。いっそのこと、新しい軍の施設として活用するほうがいいという判断を得て、拡張工事の末に誕生した基地だ」

「建造が専門の基地……」

「そう。そして解体ができるのも種子島基地だ。そこに持っていくという話だよ」

「でもどうやって持っていくんですか?」


 後藤の疑問だ。


「そりゃあ、艦に吊り下げて持っていくに決まってるよ。その方が確実だ」

「こちらの協力次第では、簡単に持っていくことも可能だがな」

「それでお願いしようかな」

「少将。いいんですか?」

「便利ならそれに越したことはない。詳しいロジはそっちで詰めてくれ」

「少将!」


 今日の少将はのらりくらりとしているようだ。

 そんなこんなで、白の艦艇を種子島基地に持っていく。

 種子島基地では、新造艦が建造されている。

 そんな横で、橙の艦艇によって、白の艦艇を曳航していた。

 すでに種子島基地には連絡を入れており、トランスの手によって運搬される。

 空いているドックに白の艦艇を入れ、橙の艦艇は去っていく。

 その間、八十野少将は相生国防大臣に相談をしており、白の艦艇の解体および調査を行う許可を得ていた。

 こうして種子島基地では、白の艦艇に関する技術的調査が行われることになり、今後に期待されるといったところだろう。

 一方で、霞ヶ浦基地では、橙の艦艇に関して改良を施すことに関して協議していた。


「今回の行動で、逆位相システムの有効性を確認することができた。このシステムは使える」

「では、今回のプロジェクトは成功といっていいでしょうか?」

「あぁ、そうだな。今後もバージョンアップも視野に入れている。今後も開発を進めておいてくれ」

「分かりました。それで今回の経費のほうは?」

「大丈夫、国防省で報酬を出すようにしているよ」

「ありがとうございます」


 こうして、アスクルテックの人は満足そうに帰っていった。


「さて、この逆位相システムを橙の艦艇すべてに適応する」

「大丈夫ですか、そんな面倒なことして」

「大丈夫だ。各艦のメインコンピュータを並列につないで、内部のシステムを一括で変更する」

「それやって大丈夫なやつなんですか?」

「大丈夫だ。特段ウイルスとかは仕込まれていないからな」


 そういって、トランスは作業を進める。これによって、橙の艦艇には新しい武装が追加されることになった。

 それに伴い、ゲームとして機能させるためのプログラムに、一部修正を入れることになった。詳しく解説すると、逆位相システムを使ったあとの行動に分岐を追加するというものだ。

 これを追加して、デバックを行い、Ver.0.2.0とした。

 そして数日がたった頃、東京では残骸が回収され、小さなゴミは残ったもののバリアの展開が解かれ、無事に戦闘は終了した。

本日も読んでいただきありがとうございます。

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