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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第65話 最悪の展開

 1月12日の朝のニュースで、次のようなニュースが流れる。


『コーカサス地方、クリミア半島でも戦闘が停止。関係国が戦闘停止に合意』


 このようなニュースが流れた後、ニュースキャスターはこう締めくくった。


『確認が取れた各所で戦闘が終了したと見られます。第三次世界大戦は終結しました』


 このように、告げていた。


「果たして、これが本当の第三次世界大戦だったかどうかは甚だしく疑問ではありますけどね」

「まぁ、いいんじゃないですか?大国同士の核戦争よりかはマシでしょう」

「それもそうですけど」


 黒島はスマホをいじって、海外のニュースを見てみる。

 アメリカのジャーナルストリートニュースでは、朝鮮戦争の再開をきっかけに不安定の弧周辺で立て続けに戦闘もしくは紛争が発生していることから、第二次世界大戦の続きと位置付けしている。そしてそれが終結したことで、真の意味で第二次世界大戦が終結したのではないかと推察している。


(こんなものかなぁ?)


 黒島はそんな風に思う。

 そんなことをしている時だった。


「っ!?まさか!?」

「どうかしました?」


 急にレイズが何かを感知したようだ。


「大変です!白の艦艇が地上に攻めてきています!」

「目標はどこです?」

「それが太平洋上空に出現して、どこを目標にしているのか分からないんです……」

「とにかく、対処しに行きますか」


 そういって後藤にも連絡し、紅の旗艦は出撃する。黒島はこの日が休みで良かったと思っていた。

 その後、白の艦艇がいると思われる宙域に紅の旗艦が出現する。

 しかしそこには白の艦艇はいない。


「あれ?どこに行った?」

「レーダーにも反応はないよ」

「まさか、ヨーシャーク級のステルスが発生している?」

「ステルスなんてあるんですか?」

「えぇ。ヨーシャーク級のステルスは我々でも発見しづらい代物なんです」

「とにかく発見しないといけないよね?」

「そうです。今は出力を最大にまで上げてください。ステルスといえども、完全に隠れることはできないのですから。私は目視で探します」


 そういって後藤はレーダーによる探索を、レイズは目視による探索を行う。

 しかしそれでも容易に発見することはできない。


「ヨーシャーク級は視覚的なステルスも行える装備を持っているから、そのせいで見つけにくいかも……」


 レイズは弱気になる。

 しかしそれを否定する声が入る。


「ステルス状態の敵艦を発見するのは簡単だ。エネルギーの大きい場所を走査すればよい」

「トランスさん」


 そこにはトランスがいた。


「黒の旗艦には機関(エンジン)を用いたエネルギー量空間走査法というものがある。機関の出力をいじるだけで簡単にレーダーになるからおすすめだぞ」

「どうしてトランスさんがそんなことを?」

「必要に迫られた時に考え出したまでだ」

「とにかく方法を教えてください」

「もちろんだ」


 そういって、簡単にエネルギー量空間走査法の方法について教わった。


「これでヨーシャーク級の居場所が分かるはず……」


 それをレーダー上に表示させる。

 すると、かなり高度が低い位置に強く反応が出た。


「日本上空を横断するようにヨーシャーク級が移動中!」

「マズい!このままだと落下する!」

「落下場所は!?」

「今計算中!……そんな、朝鮮半島に落下する可能性99.9999%!」

「祐樹さん!朝鮮半島に!」

「了解!」


 黒島は急いで紅の旗艦を出す。

 一方、ヨーシャーク級はステルスを解いて、その姿を完全に現す。

 その姿を見た日本周辺の人間は大慌てだ。

 しかし具体的な対応を行う暇もなく、ヨーシャーク級はあるものを抱えて朝鮮半島に突撃する。

 突撃する直前、レイズはその抱えているものが何なのかを理解した。


「あのヨーシャーク級、トムボール級を持ってる……」


 そして紅の旗艦が急行するもむなしく、ヨーシャーク級はちょうど38度線にまたがるように地面に激突する。

 その瞬間、閃光が辺りを包み込む。

 それは、かつてソ連が開発したツァーリ・ボンバの推定出力である100メガトンを軽く上回るほどで、さらにヨーシャーク級が落下してきたエネルギーもあったことで巨大なエネルギーが大地に与えられる。

 トムボール級の爆弾は、前年にエジプトのカイロに落とされたものよりかなりパワーアップしているようで、その爆発による煙は日本各地はもとより、3000km離れたグアム島でも確認できる程巨大であった。

 そしてその衝撃波は日本各地を襲い、福岡県ではほとんどの建物の窓ガラスを割る程の勢いだ。そうでなくても、地震が発生し、日本全体で震度4程度の揺れを観測する程だった。

 そして爆炎が晴れた時、そこにあったのは、宇宙から観測できる程の大きなクレーターであった。

 この被害により、韓国、北朝鮮両国にどれだけの被害が出たのかは想像するに得ないほどだろう。

 紅の旗艦では、その想像を絶した被害に、完全に無言になっていた。


「これは……誰も悪くありません。誰かのせいにしてしまえば、きっと責任で押しつぶされてしまいそうだから」


 こうレイズは言った。

 しかし、紅の旗艦の面々を休ませてくれるほど、白の艦艇は優しくなかった。


「大変!白の艦艇が集結してる!」


 紅の旗艦のさらに上空に、白の艦艇群が集合する。

 黒島は悟った。

 ここからが本番であるということを。

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