第62話 弾道ミサイル
それから移動し、北朝鮮上空へとやってくる。
ここでは、韓国の首都ソウルを攻撃したと思われるミサイルもしくはロケット砲の発射場所とされる。
そのため、国連軍はここから韓国へ攻撃を加えたとして、この場所の攻撃を決めたのだ。
『レッド・フリート、先ほどのような攻撃は今後控えるように。我々はあくまで戦闘を停止させるために来ているのだ』
「そういうんだったら、こっちの持つ攻撃力をガンガン見せていったほうがいい気がしますけどね」
「そうは言っても、国連の存在意義は国際平和とかですからねぇ」
「甘いですね。そんなことしてるからナメられるんですよ」
「そう俺に言われても……」
「レイズは少し冷静になったら?」
「十分冷静ですよ」
そんなことを言いつつ、目的地へとやってくる。
「今度はどうします?」
「無難にミサイル攻撃でいいんじゃないですか?」
「そうしますか」
そういうと、国連軍が攻撃を開始する。
それに合わせて、黒島もミサイル攻撃を敢行した。
数は10発程度であるが、それで十分だ。
後藤による精密攻撃によって、掩体壕を確実に攻撃する。
ひとまず目標は達成したと思われた時だった。
レイズがあるものに反応する。
「日本海からミサイル発射反応」
「どういうことですか?」
「北朝鮮の潜水艦からミサイルが発射されたみたいですね。この感じだと、核搭載型の中距離弾道ミサイルのようですね」
「核って、それはマズいでしょ!」
『こちらエンタープライズ。北朝鮮の潜水艦による弾道ミサイルの発射を確認した。これより迎撃体勢に入る』
そういうと、宇宙艦隊から別のミサイルが発射される。それはロケットブースターを備え、ぐんぐんと上昇していく。
黒島たちはそれをただ呆然と見ているしかなかった。
「私たちは対応しなくていいのかな?」
「ああいうのは、人類のほうが慣れているから、問題はないと思いますよ」
「しかし弾頭が核だと、それはそれで面倒ではありますけどね」
そんなことを話していると、レーダー状の弾道ミサイルに迎撃用のミサイルが接近しているのが分かる。
そしてそれは少しずつ接近し、やがて交差する。
その瞬間、レーダーの様子がおかしくなる。
何やらノイズが入ったような感じだ。
「なにこれ、レーダーが見づらい……」
「EMPですね。別名電磁パルスと言われるもので、大気中に自由電子が発生し、電子機器に影響を与えるというものです。まぁ、紅の旗艦にはそこまで影響は出ませんけどね」
「でもほかの艦艇が影響を与えないという保障はないわけですし」
「大丈夫です。その辺の対策もしっかりしてますよ」
その言葉通り、国連軍宇宙艦隊は航行灯こそ一時的に消えはしたものの、それ以外では特に影響があったようには見えない。
紅の旗艦のレーダーも視界が回復し、後藤がそれを見ようとした時だった。
「あれ?レーダーに反応があるよ?」
「え、まさか?」
「さっきの弾道ミサイルは攻撃したはずですよね?」
「……まさか二段構え!?」
北朝鮮軍の潜水艦は弾道ミサイルを「2発」発射していた。
「すぐに国連軍に連絡をして迎撃を!」
「ダメ!間に合わない!」
「こうなったら、かくなる上は、我々がミサイルを撃破するしかありません!」
「国連軍には!?」
「今から連絡します!祐樹さんは二重銃身回転式狙撃銃の準備を!」
「了解!」
黒島は早速作業に入る。
その間に、レイズは国連軍宇宙艦隊に現状を報告した。
「こちらレッド・フリート。現在北朝鮮軍の2発目の弾道ミサイルを確認した。これより紅の旗艦が迎撃に入る」
『そんな情報は入っていない。何かの見間違えでは?』
「こちらでは確認している。迎撃許可がほしい」
『……了解した。迎撃は任せる』
「話が通じる人で良かったですよ」
そういって黒島の作業を引き継ぐ。
「弾道ミサイルの着弾予想地点、ここ!」
「追尾中の弾道ミサイルの予測をください!」
「今計算してる!」
紅の旗艦のメインコンピュータがはじき出した計算結果をレイズに渡す。
「空間座標把握……。予測弾道を表示……。射撃時刻における空間交点を算出……」
複雑な計算のもと、レイズは狙撃を行おうとする。
だが、着弾までの時間は刻一刻と迫る。
「座標確定!狙撃まで5秒前!3、2、1、発射!」
狙撃銃から一本の閃光が発射される。
そしてそれはしばし飛翔したのち、見事核を載せた弾頭に命中した。
狙撃銃の破壊力によって、核弾頭は文字通り蒸発し、核爆発などは発生しなかった。
「レーダーから弾道ミサイルの反応消失、ミッションクリア!」
「ふー、何とか間に合いましたね」
「ほんとですよ。まさか弾道ミサイルを2発も発射しているなんて」
「それだけ北朝鮮軍の軍事力を誇示したかったんでしょうね」
そんなことを言っていると、エンタープライズから連絡が入る。
『先ほど弾道ミサイル発射時のレーダーの解析が終了した。それによると弾道ミサイルは2発発射していたようだ。レッド・フリートの協力感謝する』
「ですって」
「必要に迫られてやったことだから、感謝を述べられてもって感じですね」
「まぁまぁ、素直に受け取っておきましょう?」
「そういうことにしておきますか」
こうして、この日の軍事活動は終了した。
本日も読んでいただきありがとうございます。
もしよろしければ、下の評価ボタンを押していってください。また、ブックマークや感想も随時受け付けています。
次回もまた読んでいってください。




