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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第52話 報道

 翠の旗艦、ロビン・ウォットが仲間になり、一晩が経った。

 これにより、黒島のスマホにはレイズ、トランス、ロビンの3人が入ることになり、より一層騒がしくなる。


「だからって、記念みたいに3人一緒にスマホに入るのやめてください」

「いいじゃんかよ、ケチー」

「トランスさんまでならいいものの、ロビンさんまで入られるとさすがにスマホが重くなりますよ」

「しかし解決方法がないわけではない」

「何か方法があるんですか?」

「簡単だ、我々がローポリ化すればいい」

「まぁ、確かに単純ではありますけど」

「物は試しだ。早速やってみるか」


 そういって、トランスは一度黒島のスマホから消える。

 そして1分も経たない時間で再び戻ってきた。


「どうだ?」

「どうだって、特に変わった様子はないですけど……」

「これでも前のグラフィックから75%の削減には成功しているぞ」

「75!?元のグラフィックどれだけ良かったんですか」

「それじゃあ私もしてきますかね」

「んじゃ俺も」


 そういって、レイズとロビンもローポリ化する。

 これでスマホの高負荷問題は解決しただろう。

 しかし、どうしてこのような話題になったのか。

 それは、黒島がスマホを使ってニュースを頻繁に見るようになったからだ。

 ニュースを見るには、黒島の持っているパソコンかスマホを使うほかない。

 現在、パソコンでニュースのライブ放送を見ながら、スマホで記事を漁っていたのだ。

 そんな中、ある記事が目につく。


『野党、国会閉会に伴い、閉会中審査を要請』


 この記事の内容を見てみる。

 どうやら、現在大打撃を受けている経済の立て直しなどの対応を話し合うために予算委員会を開催する予定でいるようだ。

 その中には、黒島も見過ごせない内容が書かれていた。


『また、日本民主党の国会対策委員長は最近活動を活発化させてきたレッド・フリートに関して、参考人招致をするつもりでいることを明かした。これまで不透明だったレッド・フリートの活動にメスを入れるつもりだ』


 これは黒島たちにとって一大ニュースだ。


「参考人招致なら、虚偽の発言しても許されるんだったけな……」


 そんなことを言っていると、黒島のスマホに電話が入る。

 相手は八十野少将だ。


「はい、もしもし」

『どうも、八十野だけど』

「存じ上げております」

『少し込み入った話をするけどいいかな?』

「別に構いませんが……」

『実は、昨日発売された週刊サーズデーに掲載された写真が一部の界隈で物議を醸していてね。その内容がちょっと問題なんだ』

「なんです?その内容って」

『それが、霞ヶ浦基地に入ろうとする高校生の姿を映した写真なんだ』

「……それってまさか」

『そう、まさに君たちのことだ。どうやらどこかで写真を撮られていたようだね』

「それって顔とか映ってないですよね?」

『それは心配しなくてもいい。だが問題は……』

「問題は?」

『個人情報が流れ出していることだな』


 その瞬間、黒島の家のインターホンがなる。


『その呼び鈴には出ないほうがいい。こんな朝早くから取材とは熱心な記者だ』

「じ、自分はどうすれば……」

『今は無関係であることを主張して日常を過ごすしか方法はない。とにかく耐えるんだ』

「後藤にも連絡しなきゃ」

「それはしましたよ」


 黒島の耳元でレイズが話す。


『今のはレイズ・ローフォンか。なら安心だな。とにかく、今は平穏に過ごせることを祈るだけだな。もしくは誰かボディーガードをつけるか』

「分かりました。母にもよく言っておきます」


 そういって電話を切ると、黒島は母親に忠告をしに行く。

 その日の学校は大変であった。

 学校の前には、週刊誌の影響からか、報道関係者が押し寄せる。

 さらに、イニシャルまで流出しているものだから、報道陣は生徒を片っ端から取材という名の強制的な聞き取りまで行っている始末だ。

 黒島と後藤は何とかそれらを潜り抜け、学校の中に入ることができた。


「大変だね、黒島君」

「他人事のように言っているけど、張本人の一人だからな?」

「でもなんだか自分のこと言っているような気分になれないんだよねぇ」

「そりゃあな。突然こんなことになったのはレイズと会って以来だな」

「お互い気をつけようね」

「そうだな」


 そういって後藤は自分の教室に入っていく。

 それを見届けた黒島の後ろから、背中を叩く人物が現れる。


「よっ、黒島」

「何だよ」

「あの子、黒島の彼女かぁ?」

「ばっ、そんなんじゃねぇよ!」

「じゃあ何だっていうんだ?」

「それは……」

「まぁまぁ、物によっては言いにくいこともあるからな。俺はそれを尊重するぜぇ」

「なんだよその言い方……」

「そんなことより、外のやつ、見たか?」

「あぁ、面倒な奴らだと思うよ」

「それでよ、俺昨日の週刊誌の記事見たんだ」

「……それがどうしたんだ?」

「なんか黒島のような気がしてならないんだよねぇ」


 ここで黒島は押し黙る。


「……おいおい、まさか本当だって言うんじゃないだろうね?」

「なぁ、このことはあまり言うべきじゃないと思うんだけど、内密に頼む」

「……おう、分かった。ところでさ、今日の物理の宿題やってきた?」


 そういって、黒島たちは教室に入っていく。

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