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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第41話 総会

 早くも年の瀬が迫る12月1日。

 この日も夜遅くに英文メールが入ってくる。


「レイズさん」

「はいはい出番ですね」


 レイズはなれた手つきで英文を翻訳する。

 しかし、その内容を読んだレイズは少し怖い顔をした。


「どうかしました?」

「いえ、読んでもらえれば分かります」


 そういって、翻訳した文章を提示した。

 黒島はその内容を読む。


『こんにちは、国連事務局です。さて本日は、総会に招待するために連絡をしました。ついては、アメリカ東部時間12月3日の総会に出席してもらうことを予定しています。レイズ・ローフォンさんについては参加確定として、その他関係者3人までを連れてきても良いことにします。急なお願いではありますが、よろしくお願いします』


 これを見て、黒島は納得した。


「なるほどね。これは緊張もしますわ」

「緊張はしてないですよ」

「じゃ、なんです?」

「なんというか、人間の思惑が交差しているところに行くのは少し苦手なんで」

「へぇ、レイズさんにも苦手なものがあるんですねぇ」

「いっ、今のは聞かなかったことにしてください!」

「はいはい」


 黒島は適当に返事を返す。


「それで、レイズさんは行くこと確定していますけど、関係者ってだれ連れてくんですか?」

「そうですねぇ……。トランスさんでも連れていきますか」

「他に何か必要なものとかは?」

「向こうのバックモニターを使うわけにもいかないですし、パソコンとモニターでも用意しておいてほしいですね」

「それじゃあそれを書いた旨をメールで……」

「あ、私が直接書きますよ」

「そうですか?じゃあ……」


 そのまま黒島はレイズに任せる。

 レイズも素早い入力でメールを打ち込む。

 そしてそのまま送信を押す。

 その後夜が更けるまで、レイズは国連事務局と連絡を取り合っていた。

 そして当日の12月3日。

 向こうの時間に合わせて、レイズは準備をしていた。


「せめてドレスコードはしっかりしていかないと」

「レイズさんにもドレスコードって概念あったんですね」

「む、失敬な」

「それで、俺まで駆り出されるのか」


 そこには、微妙に似合わないスーツ姿のトランスの姿もあった。


「仕方ないじゃないですか。関係者って言われてすぐ思いついたのはトランスさんだったんですから」

「まぁいい。この際だ、人類の国連というやつをじっくりと見させてもらおう」


 そういってレイズたちは、国連総会の議場に向かう。

 国連総会議場には、あらかじめパソコンとモニターが設置されており、そこに自身の姿を映し出すという寸法である。

 レイズたちは議場の3階部分の隅の方に専用の場所を用意させてもらったようだ。

 レイズたちがパソコンの中に現れると、それを見ていた総会関係者がそれを物珍しそうに見る。実際レイズたちの存在は珍しいだろう。

 レイズたちは大型モニターの方に移動し、議場の様子を眺める。

 まだ開始前であるため、人の動きがあるものの、ある程度固まっているようにも見られる。中には話し込んでいる人もいるようだ。

 それからしばらくして、議長が議場に入ってきて、総会が始まる。


「諸君、おはよう。さて、本日の議題は実に重要なものだ。昨日、レッド・フリートの方々がこの総会の場に現れたのは記憶に新しいだろう。そのレッド・フリートは先日の時点で国家に準ずる組織として賛成多数で承認された。本日はそんなレッド・フリートをこの国連総会のオブザーバーとして認定するか投票を行いたい。では行おう」


 そういって投票が始まった。

 投票が終わると、結果は後ろのモニターに表示される。


「……結果が出たようだ。見てみよう」


 そういうと、賛成、反対、棄権の三つの欄が表示された。

 その中で、賛成は152と表示されている。


「賛成152、反対8、棄権13で賛成多数で承認された。レッド・フリートの諸君、ようこそ国連へ」


 議場に拍手が巻き起こる。

 議場が拍手を収めるために手をあげる。

 そして次の議題に入った。


「続けて、そのレッド・フリートの所属場所を決めたいと思う。これは今後の国連軍の円滑な活動を目的としたことだ。現状、国連軍とアメリカと日本が候補に上がっている。今日はどこに所属するかを議題にしていきたい」


 ここで議場がザワザワしだす。

 あれだけの強大な武力を持つ紅の旗艦を一国に任せるというのは、あまりにも国際情勢を無視していると言えるだろう。

 しかし、ここで議長がある言葉を発する。


「すでに欧州の十数ヶ国や、アメリカからは日本を推す声が上がっている。また、レッド・フリート曰く、人類の代表は彼らの認めた人類、すなわち日本の高校生だ。彼らの故郷である日本に置いておくというのが最善の手だと思うのだが、いかがだろうか?」


 ここまで議長が頑なに日本を推すのには理由があった。それは日本が議長に対して積極的に意見を通したというのがある。

 そして欧州各国や米国が日本を推すようになった理由は、地道でかつスピーディなロビー活動を行っていたからに他ならない。日本がこのような手段をとるのはなかなかに珍しいことであり、意地でもレッド・フリートを日本で掌握したいという願望が見えているのだ。

 これには中国やロシアといった東側諸国は反対の意を唱える。

 しかし、これ以上議場を荒らすと退場の対象になりかねない。

 そのため、彼らはおとなしくしているしかないのだ。

 そして投票に移る。

 この議題はそこまで重要な議題ではないと判断されているため、単純多数で投票が行われた。

 結果は賛成89、反対46、棄権38となる。


「この結果、レッド・フリートの所属は日本に置くこととする」


 強行採決じみた状態になったものの、無事にレッド・フリートの身柄は日本に置かれることになった。

 今後、日本はこの採決を受けて、レッド・フリートの運用を行っていく。

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