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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第40話 連絡

 11月も終わりに近づいている28日。

 この日、黒島のスマホに、新しくメールが届いていた。その内容は英語で書かれており、内容はまったく分からない。


「また英語のメールか……」

「翻訳しましょう」


 もはや是非を問わずに、レイズが出てくる。


「対応が早いですね」

「そりゃもちろん。ずっと暇ですし」

「とりあえず、お願いします」

「了解っと」


 そういって、レイズは得意げに翻訳作業を進める。

 そしてものの数分でメールの内容を翻訳した。


「はい。いつものようにメモ帳に貼り付けておきましたよ」

「ありがとうございます」


 黒島はそのメモ帳の内容を読む。


『こんにちは、国連本部事務局です。今日は良い報告をするためにメールをしました。先日の会合で、レッド・フリートを国家に準ずる組織にするためにいろいろとお話したと思います。その甲斐あって、現在国連加盟国の86%にあたる167ヶ国が賛成の意図を示しました。これによって、国家に準ずる組織として認定され、国連総会のオブザーバーとして参加できることが確定しました。それで、先日お話しした内容が実際問題として出てくることになります。その辺は事務局の方で話を進めていきます。もしかすると、政府の方から話がやってくるかもしれません。その時は三者で会合でもしましょう。P.S.あの脅しのインタビューは効いたようですよ』


 そんなことが書いてあった。


「最後のは要らなかったのでは?」

「まぁまぁ、役に立ったのならそれでいいですよ」

「そんなもんですか」


 しかし国連加盟国にオブザーバー認定されたのは大きい。

 これで晴れて国際的に認められたことになる。


「さて、この後はどこの所属になるかですね」

「それが一番問題なんですよねぇ。俺としては日本軍の隷下に入る形になるんじゃないかと思っているんですけど」

「そうですかね。ここは中立の立場として直接国連軍の下に配属されるんじゃないですか?」

「うーん。でも俺たちが決めることでもないですしねぇ」

「それもそうですね」


 夜も深まってきている。

 黒島はベッドに入り、眠りについた。

 翌日、この事務局の発表を行った報道番組が一斉にニュースにする。


『国際連合は、先日本部に現れたレッド・フリートが国連加盟国によって国家に準ずる組織として認定され、総会にオブザーバー出席できることになりました。このレッド・フリートという組織は、紅の旗艦という宇宙戦闘艦を用いて武力的な行為を行う集団として認知されています。このことに関して官房長官は、「日本政府としては、国際的な流れに乗ることが重要だと考えている。そのために、今回の対応には賛成とさせていただいた」と話しています』


 それと同時に、黒島のスマホに、一本の連絡が入る。


「誰だろ?」


 電話だったが、黒島は思い切って出ることにした。


「もしもし」

『そちら黒島祐樹の携帯でよかったか?』

「はい、そうですけど……」

『久しぶりだな。黒島君。あの時の公安刑事だよ』

「あぁ、あの時の。……あれ、電話番号って教えてましたっけ?」

『それは企業秘密というやつだな。そんなことよりも、そちらに会いたいという人物がいる』

「誰ですか?」

『今代わる』


 すると、声の主が変わる。


『もしもし』

「はい」

『私、内閣情報調査室内閣情報官の山田というものなのだが、少し話を聞かせてもらいたい』

「は、はい」


 そういって、いろいろ話を聞かれた。

 主にレッド・フリートの話である。これは既出であるため、説明には戸惑いがない。


「……といった感じです」

『ふむ、なるほど。事情はよく分かった。問題はこれからなんだが』

「はい……」

『レッド・フリートの所属を日本にしようと画策している。そのために話を聞かせてもらった』

「……それって日本にレッド・フリートの拠点を置くってことですか?」

『そう解釈してもらってもかまわない』

「しかしなんで急にそんなことを?」

『まぁ、先のことを思い出してもらえば分かるのだが、レッド・フリートの準国家容認の賛否を問うメールの中に、インタビューがあったのを覚えているだろう?』

「えぇ」

『あの中で、立場を中立とし、紛争地域などにも行く可能性があることを示唆しただろう?』

「確かしましたね」

『あれの発言が嘘であれ、このように抑止力のような発言をしたのには大きな意味を持つ。今の我が国にほしいのはそういった効果の高い抑止力なのだよ』

「でも、それって紅の旗艦の力を私的流用しているだけでは?」

『本音はそうだが、建前ではなんとでも言える。この建前を使って、我が国の防衛力を強化しようと思う』

「……独立性は保たれますかね?」

『現状で答えることはできないが、できる限りのことはしようと考えている』

「……分かりました。こちらでも何とかしてみます」

『その回答はありがたい。こちらとしても、何とか我が国で管理したいと考えていたからな』


 そういって電話は切れる。


「話は終わりましたか?」


 レイズが出てくる。


「俺、なんか面倒なことをしてしまった気がする……」

「まぁ、なんとなく分かってましたよ。続きは国連事務局から連絡があってからですね」


 そんな日々を過ごしていく。

本日も読んでいただきありがとうございます。

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