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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第29話 協議

 外務省の役人が、専用のパソコンを使って国連本部に通話をかける。

 しばしのコールの後、画面に数人の人間が映る。


「おはよう。いや、そっちではこんばんはだっけ?」

「どちらでも構いませんよ」

「まぁいいわ。ところで、そっちにかわいらしいお二人が映っているのだけれど、今回のゲストかしら?」

「えぇ、黒島と後藤です」

「黒島に後藤ね。私は国連事務局事務総長室担当責任者のジェイミーよ、よろしく」


 そういってお互いに挨拶を交わした。


「さて、早速本題に入りましょう」

「えぇそうね」


 こうして国連と協議に入った。


「まず国連本部に来るまでの段取りを確認するわ」

「これに関してなんですが、こちらで一つ提案があります」

「あら、何かしら?」

「実は、紅き艦の関係者が直接そちらに出向くという話が持ち上がっています」

「あら、そうなの?」

「そのため、国連本部上空に紅き艦を出現させる許可を取りたいと思っているのですが」

「面白そうね。私は別に構わないけれど、国防総省や連邦航空局がなんていうか分からないわ」

「今から問い合わせることは可能ですか?」

「待って、今してるわ」

「すぐに結果が出るとは思わないけどな」


 そう、小声で刑事が話す。


「……しばらく待ってほしいらしいわ」

「それは仕方ないことでしょう」

「とりあえず、今はそこの二人が航空機で来ることを想定したスケジュールを組み立てることを優先しましょう。仮にスケジュールが切り替わったとしても、問題ないようにね」

「そうですね」


 こうして、国連本部での演説日程や、その前後に発生しうる状況を想定して、いろいろと組み立てていく。


「……ということで、国連本部での演説は11月3日に決定ね」

「カレンダーで見てみると、やはり日付が近いな」

「これも仕方ないことだ。こっちは無理を言って無理やり予定をねじ込ませているんだからな」

「いいのよ、これも人類のために必要なことなんだから」

「それでは、次に周辺の予定を考える所に入りましょうか」

「あ、ちょっと待って」


 そういって、向こうが制止する。

 どうやら、画面の向こうにいた人から、紙を受け取ったようだ。

 ジェイミーはそれを注意深く読む。


「朗報よ。どうやら国防総省と連邦航空局がニューヨーク上空に現れてもいいって許可を出したわ」

「よく許可が出ましたね」

「アメリカって国は、脅威があると立ち向かうけど、逆に利用できると分かったら積極的に受け入れる国なのよ。今回の場合、強大すぎる力を前に日和ったというのが正しい見解ね」

「とにかく、今回の場合、許可が取れたので、航空機やホテルの手配はしなくても問題ないと見てよいですか?」

「そうね。他国を自在に移動できるなら、そうなっても問題ないわ」


 そういうと、ジェイミーは付け加えるように言う。


「あなたたち二人がどれだけ優秀でも、入国審査は受けてもらうわ。今まではそんなことしてなかったでしょうけど」

「あー、確かに」

「でも人類を守るという名目があるもの、それを咎めるようなことはしないわ。これからのためにも、今度の国連の演説はしっかりやってほしいものね」


 そういって、ジェイミーはにっこりと笑った。

 こうして、日程の確認作業は終了し、具体的な日時が決定する。

 演説当日は11月3日の土曜日。午前10時からというふうになった。ただしこれは現地時間での話であって、日本時間では翌日の0時である。日本とアメリカとの時差が存在する以上、仕方のないことだろう。

 そして演説の時間は約15分と意外に長い。これは、国連総会一般討論演説のそれに準じているとのこと。レイズにしてみれば、簡潔に話してしまうことだろう。

 こうして、国連総会で演説を行う準備は整った。

 あとは当日まで待つだけである。


「今回は以上ね。あとは時々連絡をするだろうから、よろしくね」

「分かりました。ご苦労をかけます」

「いいのよ。こんな非常事態ですもの。お互い様よ」


 そういって通話は切れた。


「……というわけで、11月の3日に国連本部に向かうことになった。異論はないな?」

「はい、問題ありません」

「それまでに二人はいつものように過ごしてもらっても構わない。ただし、派手なことはしないこと。これは守れるな?」

「派手なことって、それは知的生命体が地上に侵攻してきた時のことも差すんですか?」

「あー……。その場合は派手にやってやれ」

「分かりました」

「そういうわけだ。今日はもうホテルに戻って休もうか」


 そういって刑事が時計を見る。

 時間はすでに、午前2時になりそうであった。


「そういわれると眠くなってきました」

「早く寝たいな」

「とりあえずホテルの部屋まで送っていくから」


 そういって、刑事は黒島たちをホテルに送り届ける。

 部屋の前まで来ると、明日の予定を伝えてきた。


「明日は10時くらいに迎えに来るから。そしたら茨城に送り届けるよ」

「分かりました」

「じゃ、おやすみ」

「おやすみなさい」


 そういって、後藤はベッドに倒れこむように眠る。

 この時間まで起きているということがないのだろう。

 一方、黒島は先にシャワーを浴びようと考えた。今日のところはひとまずそれでいいだろう。

 そして、黒島もベッドに倒れこんだ。

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