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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第19話 バズる

 翌朝、黒島はなにげなく昨晩ツイッチューブに上げた動画を見返してみる。

 なんの変哲もない、ただの戦闘シーンだ。

 いや、変哲というにはふさわしくない、非現実的な光景が広がっているのは事実だろう。

 そんな動画を見返していると、あることに気が付く。


「ん?再生回数がおかしいな」


 寝ぼけた頭でその再生回数を見てみると、「23」という風に見える。

 それに対して、コメントの数が異常なまでに多いのだ。

 黒島は目をこすって、よく見てみた。

 すると、23に見えたものは正しくは「23k」であり、つまり2万3千回再生されていることになる。

 それと同時に、コメントは300を超えており、微小ながらもバズっていることになっている。

 コメントの内容も、昨日のものとは異なり、比較的肯定的な内容が多い。


「……バズったか、これ?」


 まだ投稿してから10時間も経っていないため、判断するには厳しい状況だが、それでもこのような結果になっているのは明らかだ。

 とにかく、黒島は学校に向かった。

 登校途中に、黒島の友人たちにも合流したが、彼らもまたレッド・フリートの話で盛り上がる。


「今朝ツイッチューブ見たか?」

「あの紅き艦がやっているって噂のアカウントだろ?見た見た」

「まさか宇宙人がツイッチューブやってるなんて思わないよな」


 そんなことを話していた。

 なお、黒島はあまり話に入らないようにしていた。

 その日の放課後。

 黒島はいつものように後藤と待ち合わせし、一緒に帰宅していた。

 その時に、今朝の話を持ちかける。


「……というわけで、どうやらバズってるみたいなんだ」

「バズってるなんて古い言い方するんだね」

「いや注目するのそこ?」

「それはそうと、私も朝起きた時に見たんだけど、確かに拡散されてたね」

「しかもコメントが肯定的だったりしているし、広報活動としては成功かもしれないね」

「そうなんですよ、成功しちゃってるんですよ」

「うわっ、レイズさん」

「こればっかりは想定外でしたねぇ」

「何か問題でもありますか?」

「いえ、特に問題という問題はないんですが、DMで『どうやって作ってるんですか?』といった内容の質問が来ているんですよね」

「あー確かにそうくるかもしれませんね」

「対応するにしても、どこまで話していいのやら……」

「そういうのは放置で問題ないと思いますよ」

「いいんですか?」

「まぁ、余計なことに時間を割いているわけにはいかないんでね」

「そうかもしれないですけど」

「黒島君って、ときどきドライな時あるよね」

「そうかな?」


 そういって、帰宅する。


「ただいまー」

「あ、おかえりー」


 家に帰ると、黒島の母親がリビングでゆったりとテレビを見ていた。

 ちょうどそのテレビで、紅の旗艦に関するニュースを取り扱っていた。


『……ということで、現在紅き艦は行方知れずなんですね』

『あれだけ紅き艦は人類に貢献しているというのに、その行方が知れないというのはなんともおかしな話でしょう』

『ネット上では、謎の艦は知的生命体のものであるといった憶測が飛んでいるようですね』

『それに合わせて、次のようなアカウントも登場しているんです。それがこちら、レッド・フリートというアカウントです。こちらのアカウント、動画2本しか上がっていないんですが、その内容が関連しているというんですね。一つ目は、自己紹介のような動画、もう一つは何か戦闘状態にあるものを投稿しているんです』

『これ、2本目の動画を見るに、先のモスクワ上空での爆弾の破壊に状況が似ていますね』

『そうなんです。実際、モスクワ上空では紅き艦が爆弾を破壊している様子が見て取れるんですね。実際の映像もあります』

『これだけ情報が出てきているのに、その行方が分からないのは、やはり知的生命体の仲間であるというのが、一番なんじゃないですか?』

『ここでは結論は出せませんが、それでも人類にとって希望であることに期待するしかないでしょう』


 そういって、ニュースを報道していく。

 このニュースを見て、黒島は一つ思った。


(アカウントの許可取ってなくね?)


 それをスルーした黒島であった。

 部屋に戻った黒島の元に、トランスが声をかける。


「黒島、ちょっといいか?」

「なんですか、トランスさん」

「先の動画、ずいぶんと好評じゃないか」

「そうですね。今見てもだいぶ伸びてますし」

「というわけで、ここら辺で次のステップに進もうと思うんだが、どうだ?」

「次ですか?」

「そうだ。次は日本の都市の上空に現れようと思う」

「突飛すぎじゃないですか?」

「いや、マスコミ各社が想像以上に取り上げてくれたのが功を奏したようだ。すでに日本以外の諸外国でも報道がされているようだしな」

「そりゃあれだけ派手に暴れてたらそうなりますよ」

「というわけで、明日から順次やっていくぞ。まずは沖縄からだ」

「それ俺も行かないといけないんですか?」

「いや、戦闘するわけではないからレイズだけで行く」

「ちょっと!聞いてませんよ!」


 横からレイズが出てくる。


「そりゃ言ってないからな」

「そういうのは早く言ってくださいよぉ!」

「今度から気を付ける」


 そういって夜は更けていく。

本日も読んでいただきありがとうございます。

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